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暗がりを切り裂く試み
未来ノ島に遊びに行ったら、東雲柳が歩いてた!
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未来都市の一角で、『東雲柳』がスポンサー企業の広告キャンペーンの中心になっている。
広告はただのポスターやビルボードにとどまらず、街を歩けば数ヶ月前に撮影された姿がデジタルビジョンで映し出され、電脳空間では開発に関わった最先端のVRギアを紹介する仮想展示が行われている。
柳自身、このキャンペーンの公開初日に街中を歩く。
周りは巨大なデジタルビジョンの広告を見る人々で溢れ、彼らはその技術的な側面だけでなく、柳が提案したデザインの洗練さにも魅了されているらしかった。ありがたいことだ。
柳のデジタルアバターが、市民にVRギアの装着方法を教える姿が、あちこちのスクリーンで流れている。自分自身ではないのに自分が教えている光景が、まだ慣れずに奇妙に感じた。
『このギアは、装用時も包み込むように……』
『……自分のサイズに合わせて調整されます』
『……自動的に生成され……』
街のメインブロックに近づくと、デジタルアバターの音声は遠のいていった。
街のメインプラザでは監修したVR体験ブースが設けられ、電脳スポーツでの戦略を体感できるプログラムが提供されている。
参加者は柳が実際の試合で使ったテクニックを学び、電脳世界での動きを追体験できる。
『視覚情報が追いつかない場合は、再生モードを調整してください。身体の対応を調整する必要があるときは……』
この日のために特別に設計された柳の新たなアバター装備のビジュアルも公開され、それはスポーツでの勝利だけでなく、テクノロジーと人間性の融合を象徴するものとして、人々の心を掴む。
キャンペーンの仕掛け人の手腕だ。『東雲柳』という素材を存分に活かしている。マネージャーからも概ね講評と聞いていた。
これらの広告が自分の力で成し遂げたことの証であると同時に、これからの挑戦への動力であると、今柳は感じている。街を歩き、自分が関わったプロジェクトが人々に受け入れられ、喜ばれているのを見ることで、新たな使命感という動機づけをする。
ネオトラバースにまつわる情熱は、心に残された確かな要素の一つ。
人はきっとこのようなことを、生きがいと呼ぶのだろう。柳は、そう認識している。
だからこうして新たな結果が街に現れる時期は、自分の目で確認するために最も数多くの広告が展開されるここを歩くことにしていた。
柳はただのアスリートや技術者を超えた、未来を創造する一人のビジョナリーとして、新たな日々を刻み始めているのだと自覚した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
未来ノ島の活気ある観光地を歩いている田舎育ちの女の子は、ふと目の前の大型デジタルサイネージに映し出された柳の姿に目を奪われる。
「ひ、ひえぇ……東雲柳だぁ……」
ここはこの未来ノ島区で最も大きな繁華街らしい。地元にある古いタイプとは違いデジタルサイネージも派手で、広告の枠が全て埋まっている。
『ヤナギ・シノノメ。未来ノ島の貴公子! その活躍ぶりはスポーツのみならず……』
デジタルサイネージビジュアルに柳のサインが描き出されてゆくのを、彼女は感心しながら見つめた。
「うわー、大きいなあ」
柳のサインは、彼の内面を象徴するような独特のものだ。穏やかで内省的な性格でありながら、競技場では圧倒的な強さを見せるという二面性を持っている。
そのため、彼のサインもその二面性を表現する要素を含む。
シンプルながら流れるような文字は、彼の穏やかな性格を反映してシンプルで洗練されていた。競技での動きを象徴するように、文字は流れるような曲線で構成される。最後には小さな風の渦を模したマークを加えて、「柳」にかけた遊び心を表現している。
そして、完成したサインが等身大パネルに吸い付けられるように動いた時、すぐ隣を全く同じ姿をした通行人が歩くのを目撃してしまった。
「ああ! しのっ……!」
その瞬間、彼女は思わず大声をあげてしまいそうになるが、その声はすぐに優しい手によって制された。
「……待って、待ってね。……しーっ」
実際に目の前に立っている柳は驚きと尊敬のまなざしを向けられることにすっかり慣れており、彼女の反応に微笑みを返す。
柳はそっと落ち着かせようとしている。口に触れない距離に、あこがれの人の人差し指が立った。身体を硬直させた女の子は柳の視線に囚われ、その声を聞こうと息を止めた。
「ここでは、色んな有名人を見かけることがある。だから驚かなくても大丈夫だよ……」
ほとんど吐息のように小さく、しかし確かに届けられる彼の声は温かく、女の子の興奮を優しく包み込む。
「……は、はい……」
周囲には確かに他の有名人や芸能人も散見され、カメラに囲まれながらも観光客と同じように島を楽しんでいる姿があった。きっと大声を出して恥をかいてしまわないよう、そっと教えてくれたのだ。柳の優しさと、未来ノ島の日常の一コマに心を打たれ、新たな発見と経験を胸に刻む。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
この島では新たな技術やエンターテインメントが日常的に融合し、その一環として有名人が身近に存在するのが普通のことだった。
「……す、すみませんでした、騒ぎそうになっちゃって!」
彼女はある程度落ち着いた後で柳に感謝の言葉を述べ、柳は再び笑顔で応えた。
次に彼女が持っていた色紙にサインを求められたため、応じた。受け取って、さっき目撃したサインと同一のものが目の前にあることに、きらきらと目を輝かせている。
「うわあ、ありがとうございます!」
「気をつけてね。道に迷っていたなら、この先の左側に交番があるから」
「えっ?!気づいて……あっ、いや、ごめんなさい、ありがとうございます!」
彼女が去った後で柳は少し立ち止まり、この島での自分の役割と、ここで起こる小さな出会いが人々にとってどれだけ特別な意味を持つかを改めて感じ取る。
あの女の子にとって自分は一時の憧れでも、土産話の種でもいい。ただ少しだけの幸せを与えられたのかもしれないという手応えに、少しの間目を閉じた。
病気療養中の今でも、数件の広告起用や取材の仕事は受けられている。クリスタルのサポートとしての経験も、復帰後の計画に役立つだろう。
そして、未来ノ島の一日が再び動き始めた。
広告はただのポスターやビルボードにとどまらず、街を歩けば数ヶ月前に撮影された姿がデジタルビジョンで映し出され、電脳空間では開発に関わった最先端のVRギアを紹介する仮想展示が行われている。
柳自身、このキャンペーンの公開初日に街中を歩く。
周りは巨大なデジタルビジョンの広告を見る人々で溢れ、彼らはその技術的な側面だけでなく、柳が提案したデザインの洗練さにも魅了されているらしかった。ありがたいことだ。
柳のデジタルアバターが、市民にVRギアの装着方法を教える姿が、あちこちのスクリーンで流れている。自分自身ではないのに自分が教えている光景が、まだ慣れずに奇妙に感じた。
『このギアは、装用時も包み込むように……』
『……自分のサイズに合わせて調整されます』
『……自動的に生成され……』
街のメインブロックに近づくと、デジタルアバターの音声は遠のいていった。
街のメインプラザでは監修したVR体験ブースが設けられ、電脳スポーツでの戦略を体感できるプログラムが提供されている。
参加者は柳が実際の試合で使ったテクニックを学び、電脳世界での動きを追体験できる。
『視覚情報が追いつかない場合は、再生モードを調整してください。身体の対応を調整する必要があるときは……』
この日のために特別に設計された柳の新たなアバター装備のビジュアルも公開され、それはスポーツでの勝利だけでなく、テクノロジーと人間性の融合を象徴するものとして、人々の心を掴む。
キャンペーンの仕掛け人の手腕だ。『東雲柳』という素材を存分に活かしている。マネージャーからも概ね講評と聞いていた。
これらの広告が自分の力で成し遂げたことの証であると同時に、これからの挑戦への動力であると、今柳は感じている。街を歩き、自分が関わったプロジェクトが人々に受け入れられ、喜ばれているのを見ることで、新たな使命感という動機づけをする。
ネオトラバースにまつわる情熱は、心に残された確かな要素の一つ。
人はきっとこのようなことを、生きがいと呼ぶのだろう。柳は、そう認識している。
だからこうして新たな結果が街に現れる時期は、自分の目で確認するために最も数多くの広告が展開されるここを歩くことにしていた。
柳はただのアスリートや技術者を超えた、未来を創造する一人のビジョナリーとして、新たな日々を刻み始めているのだと自覚した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
未来ノ島の活気ある観光地を歩いている田舎育ちの女の子は、ふと目の前の大型デジタルサイネージに映し出された柳の姿に目を奪われる。
「ひ、ひえぇ……東雲柳だぁ……」
ここはこの未来ノ島区で最も大きな繁華街らしい。地元にある古いタイプとは違いデジタルサイネージも派手で、広告の枠が全て埋まっている。
『ヤナギ・シノノメ。未来ノ島の貴公子! その活躍ぶりはスポーツのみならず……』
デジタルサイネージビジュアルに柳のサインが描き出されてゆくのを、彼女は感心しながら見つめた。
「うわー、大きいなあ」
柳のサインは、彼の内面を象徴するような独特のものだ。穏やかで内省的な性格でありながら、競技場では圧倒的な強さを見せるという二面性を持っている。
そのため、彼のサインもその二面性を表現する要素を含む。
シンプルながら流れるような文字は、彼の穏やかな性格を反映してシンプルで洗練されていた。競技での動きを象徴するように、文字は流れるような曲線で構成される。最後には小さな風の渦を模したマークを加えて、「柳」にかけた遊び心を表現している。
そして、完成したサインが等身大パネルに吸い付けられるように動いた時、すぐ隣を全く同じ姿をした通行人が歩くのを目撃してしまった。
「ああ! しのっ……!」
その瞬間、彼女は思わず大声をあげてしまいそうになるが、その声はすぐに優しい手によって制された。
「……待って、待ってね。……しーっ」
実際に目の前に立っている柳は驚きと尊敬のまなざしを向けられることにすっかり慣れており、彼女の反応に微笑みを返す。
柳はそっと落ち着かせようとしている。口に触れない距離に、あこがれの人の人差し指が立った。身体を硬直させた女の子は柳の視線に囚われ、その声を聞こうと息を止めた。
「ここでは、色んな有名人を見かけることがある。だから驚かなくても大丈夫だよ……」
ほとんど吐息のように小さく、しかし確かに届けられる彼の声は温かく、女の子の興奮を優しく包み込む。
「……は、はい……」
周囲には確かに他の有名人や芸能人も散見され、カメラに囲まれながらも観光客と同じように島を楽しんでいる姿があった。きっと大声を出して恥をかいてしまわないよう、そっと教えてくれたのだ。柳の優しさと、未来ノ島の日常の一コマに心を打たれ、新たな発見と経験を胸に刻む。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
この島では新たな技術やエンターテインメントが日常的に融合し、その一環として有名人が身近に存在するのが普通のことだった。
「……す、すみませんでした、騒ぎそうになっちゃって!」
彼女はある程度落ち着いた後で柳に感謝の言葉を述べ、柳は再び笑顔で応えた。
次に彼女が持っていた色紙にサインを求められたため、応じた。受け取って、さっき目撃したサインと同一のものが目の前にあることに、きらきらと目を輝かせている。
「うわあ、ありがとうございます!」
「気をつけてね。道に迷っていたなら、この先の左側に交番があるから」
「えっ?!気づいて……あっ、いや、ごめんなさい、ありがとうございます!」
彼女が去った後で柳は少し立ち止まり、この島での自分の役割と、ここで起こる小さな出会いが人々にとってどれだけ特別な意味を持つかを改めて感じ取る。
あの女の子にとって自分は一時の憧れでも、土産話の種でもいい。ただ少しだけの幸せを与えられたのかもしれないという手応えに、少しの間目を閉じた。
病気療養中の今でも、数件の広告起用や取材の仕事は受けられている。クリスタルのサポートとしての経験も、復帰後の計画に役立つだろう。
そして、未来ノ島の一日が再び動き始めた。
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