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透明な夢のスタートライン
桐崎クリスタル 練習試合 第2戦
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クリスは電脳空間の日本庭園風領域に立っていた。
この領域はその美しさと隠された機械的トラップで知られており、競技者たちにとっては見た目以上の激しい挑戦が待ち受けているものだ。
試合を取り仕切る柳と相手の桐生の間で、ネオトラバースを楽しむ上でふさわしい種類としてこのタイプが選ばれた、という経緯があった。
『桐崎クリスタル、東雲から聞いてたよ、君のことは。昨日は実際に会えてうれしかったぜ』
渋川レンはクリスに向かって微笑んだ。彼の風貌は古き良き武士、浪人、ないしは仙人を思わせるものがあり、長い髪は軽やかに後ろに束ねられている。
胸に入る石は隠されているわけではなさそうだったが、アバターの和服風の合わせがデザイン上その部位に被っており、何が彼を象徴するものなのかは凝視しなければわからないものであった。あえてその種類を問う必要もないため、クリスはそれ以外の彼の装備の数々、領域上の仕様を反芻して試合開始に備えた。
「渋川さん、昨日はお世話になりました。今日はどうぞよろしくお願いします」
クリスは礼儀正しく応える。
『初心者だと聞いているけど、普段オレはそういうのも、数値もあまり気にしないことにしているんだ。実戦による経験ほど予測不可能なシナリオを生む。今日は……君の実力と成長を見せてもらおうか』
クリスは緊張しながらも、この機会に全力を尽くす決意を固めていた。
「はい!」
レンの言葉には独自の哲学と期待が込められているようだった。彼の高下駄のような風変わりな靴底が、スタート地点で軽快な音を立てる。
天空にカウントダウン表示が始まった。
柳は試合前の告知を済ませるが、全ては両者ともに把握済みの内容だったために、全員が形式をなぞる形に終わる。練習試合はこの告知が終わらなければ正式なスタートを切れない仕組みになっているため、仕方がない。桐生はやる気がないのかあるのかわからない返答をした。
「ぇいー」
『渋川さん……』
「東雲、さっさと始めようぜ」
僅かに残った時間、柳はクリスに現実世界から話しかけ、試合への準備を整えさせようとする。
『クリス、渋川さんは僕も頼りにしてる。だけど試合は毎回、自分が勝つつもりで走るんだ。そうすることで、この試合を最も意義あるものにしなければならない。僕がしっかりサポートするから、一緒に全力を尽くそう』
「うん、頑張る。勝つつもりで! よし、勝つ、勝つ!」
クリスは柳の意図を感じ取り、自分自身を鼓舞するように拳を作って小さく掲げ、数回その場で飛び跳ねてみせた。
初期装備では、実際渋川が持つ様々な技巧の前に太刀打ちできるとは思えない。一方の渋川な二回目の練習試合で許されているルールに則って、彼専用のものだ。藤岡ララの一回戦目とは違う。
事実上渋川の采配によって勝負が決まる練習試合だ。彼がクリスを勝たせるほうが良いと思えば、クリスは勝つだろう。
その上で、柳は勝つ意識が大切であると説いたのだ。ならばクリスは応じる。それがサポートと選手の関係性である。
ブザーが鳴った。試合が開始されると、渋川レンはすぐにその独特の戦術を展開した。
彼は庭園の各所に巧妙に仕掛けられたトラップを巧みに避けながら攻撃展開に利用し、クリスの進行を封じようとした。
庭園の石灯籠のようなオブジェクトが突如動き出し、クリスの進路を塞ぐように配置ていく。仮想水域が不意に凍り、次の瞬間には溶け、再度凍り、足を遅らせる。
「……このっ!」
クリスはステップを踏んで水域を避け、灯籠を足場にして高く跳ねた。
柳から受けたトレーニングを活かし、今のところこれらの障害を避けつつ前進できている。大きな岩を足掛かりに跳躍した。勢いがついて加速機構の噴射に押され、体が思ったよりも強く回転してしまったが。
「ッ、着地!」
「んー、やるねえ、初心者にしては……そうこなくっちゃなァ! ハイ次!」
渋川の戦術はただの障害物設定以上のものであり、環境自体を操る彼の能力はまだ、クリスにとって未知の挑戦だ。
「ホイ! 追いついてみせろ!」
渋川は忍者のように指を立てる。これが技のトリガーか。
「ひゃあ!」
岩の密度を変更され、足場が脆くなったクリスは着地に失敗する。体制を立て直し再び駆け出したたが、クリスが翻弄されていることを見て取った柳が声をかける。
『クリス、落ち着いて。障害のパターンを見極めるんだ。僕も手伝う』
柳の声が脳内に指示を送る。クリスはその声に導かれながら、次第に渋川のトラップの予測ができるようになり、対応も迅速に行えるようになった。
これは渋川が展開している、ランダムに跳ねる庭石のようなトラップ。しかしある一定のパターンでクリスの動きに反応している。
試合実行AIの寸分の狂いもないシステムがはじき出した予測を、柳は即時に分析に通し、クリスのアバターへと最適に砕いて転送してきた。
クリスの瞳が青白く輝き、全てをロードする。
『5.2秒後9時の方向一気に旋回! 更にそのまま3秒後、垂直方向に大きく飛んで!』
庭園のギミックを抜け、クリスは広い江戸時代の下町のような場所に出る。
屋根の上を走っていくが、渋川は物見櫓に立ってこちらを見ていた。もうすぐゴールだというのに、やはり力量に差がありすぎる。勝負にすらなっていない。
クリスはそれでも一生懸命にゴールを目指すことにした。渋川の向こうに塔が見える。あれがゴールだ。
試合が最終局面に差し掛かる。
「来たな……ほぉ~れ、超えてみろォ!」
渋川は彼の戦術のクライマックスとして、巨大な仮想の風車を呼び出した。
「わっ?! ……え……でか……!」
この風車の巨大な羽根が高速で回転し、強力な突風を生成してクリスの進行を阻む。
『落ち着いてクリス! 今分析して送る!』
巨大風車だけでなく、側に展開された小さなオモチャのような風車が厄介だった。これが更に風をややこしく、予測不能にする。入り組んだ乱気流だ。クリスは自力での対応が難しいと判断し、後退しつつ柳からのデータを待つ。
「これくらいで止まっちゃいけないよ。オレよりも攻撃的な……いや、くそデカいギミックを扱うスタイルの選手はごまんといるだろう」
風車自体はその場から動かないが、その羽根は不規則に動き、時には急に方向を変える。クリスはこれを避けるのに苦労して、思ったような動きができなかった。
『クリス、いける?!』
柳からのデータが届き始めた。しかしなかなか動きに反映できない。わずかながらタイムラグがあり、クリスの状況では今は参考程度にしかならないようだ。
「ごめん駄目! この場が早すぎる!」
『クリス、風車のリズムを感じ取って、その一瞬の静けさを見極めて!』
柳が指示を送ったが、クリスは経験不足から風のパターンを完全には掴むことができない。
「わ、わかっ……きゃあ!」
柳の声に出した指示をAIのサポートで即時対応したとしても、この直感的な対応が求められる側面では、問題を処理しきれなかった。
『落ち着いて着地、その場に直立してステップ!』
突風に翻弄され、幾度となくバランスを崩して遅れを取ってゆく。
「難しい……!」
次第に疲労が見え始め、最終的には渋川が設置した障害の一つ、不意に方向を変えた風車の羽根に接触してしまい、クリスは大きくコースを外れてしまった。
「あっ……!」
体が地面に叩きつけられ、装甲が衝撃を鈍く四肢に響かせた。
これによりゴールゲートを通過することができず、渋川が先にゴールを制したのを見送ることになった。
試合は二回連続黒星。しかし初心者であるクリスは善戦していると言えた。遥かに格上の相手に心が折れないことは、やはり才能である。軽い挨拶をして渋川は領域を去っていった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
この試合を現実世界から対応していた柳は、クリスのポテンシャルを感じながらも、直面している挑戦の大きさを痛感する。
クリスの成長と成功を支えるためには、単独での指導に加え、他の専門家の知見とサポートが必要だ。
メンタルコーチとしては、今は流磨がいる。特に技術的な面と戦術の理解を深めるために、やはり新たなサポートの正式加入を検討することにした。
「クリス、ユエンと仲よかったっけ?」
「え? 別に、悪くはないと思うけど。いつも話すときは柳絡みだし……」
「……うん、わかった」
柳はそれを聞いて、問題ないと判断した。今後の挑戦に向けての準備が始まる。
この領域はその美しさと隠された機械的トラップで知られており、競技者たちにとっては見た目以上の激しい挑戦が待ち受けているものだ。
試合を取り仕切る柳と相手の桐生の間で、ネオトラバースを楽しむ上でふさわしい種類としてこのタイプが選ばれた、という経緯があった。
『桐崎クリスタル、東雲から聞いてたよ、君のことは。昨日は実際に会えてうれしかったぜ』
渋川レンはクリスに向かって微笑んだ。彼の風貌は古き良き武士、浪人、ないしは仙人を思わせるものがあり、長い髪は軽やかに後ろに束ねられている。
胸に入る石は隠されているわけではなさそうだったが、アバターの和服風の合わせがデザイン上その部位に被っており、何が彼を象徴するものなのかは凝視しなければわからないものであった。あえてその種類を問う必要もないため、クリスはそれ以外の彼の装備の数々、領域上の仕様を反芻して試合開始に備えた。
「渋川さん、昨日はお世話になりました。今日はどうぞよろしくお願いします」
クリスは礼儀正しく応える。
『初心者だと聞いているけど、普段オレはそういうのも、数値もあまり気にしないことにしているんだ。実戦による経験ほど予測不可能なシナリオを生む。今日は……君の実力と成長を見せてもらおうか』
クリスは緊張しながらも、この機会に全力を尽くす決意を固めていた。
「はい!」
レンの言葉には独自の哲学と期待が込められているようだった。彼の高下駄のような風変わりな靴底が、スタート地点で軽快な音を立てる。
天空にカウントダウン表示が始まった。
柳は試合前の告知を済ませるが、全ては両者ともに把握済みの内容だったために、全員が形式をなぞる形に終わる。練習試合はこの告知が終わらなければ正式なスタートを切れない仕組みになっているため、仕方がない。桐生はやる気がないのかあるのかわからない返答をした。
「ぇいー」
『渋川さん……』
「東雲、さっさと始めようぜ」
僅かに残った時間、柳はクリスに現実世界から話しかけ、試合への準備を整えさせようとする。
『クリス、渋川さんは僕も頼りにしてる。だけど試合は毎回、自分が勝つつもりで走るんだ。そうすることで、この試合を最も意義あるものにしなければならない。僕がしっかりサポートするから、一緒に全力を尽くそう』
「うん、頑張る。勝つつもりで! よし、勝つ、勝つ!」
クリスは柳の意図を感じ取り、自分自身を鼓舞するように拳を作って小さく掲げ、数回その場で飛び跳ねてみせた。
初期装備では、実際渋川が持つ様々な技巧の前に太刀打ちできるとは思えない。一方の渋川な二回目の練習試合で許されているルールに則って、彼専用のものだ。藤岡ララの一回戦目とは違う。
事実上渋川の采配によって勝負が決まる練習試合だ。彼がクリスを勝たせるほうが良いと思えば、クリスは勝つだろう。
その上で、柳は勝つ意識が大切であると説いたのだ。ならばクリスは応じる。それがサポートと選手の関係性である。
ブザーが鳴った。試合が開始されると、渋川レンはすぐにその独特の戦術を展開した。
彼は庭園の各所に巧妙に仕掛けられたトラップを巧みに避けながら攻撃展開に利用し、クリスの進行を封じようとした。
庭園の石灯籠のようなオブジェクトが突如動き出し、クリスの進路を塞ぐように配置ていく。仮想水域が不意に凍り、次の瞬間には溶け、再度凍り、足を遅らせる。
「……このっ!」
クリスはステップを踏んで水域を避け、灯籠を足場にして高く跳ねた。
柳から受けたトレーニングを活かし、今のところこれらの障害を避けつつ前進できている。大きな岩を足掛かりに跳躍した。勢いがついて加速機構の噴射に押され、体が思ったよりも強く回転してしまったが。
「ッ、着地!」
「んー、やるねえ、初心者にしては……そうこなくっちゃなァ! ハイ次!」
渋川の戦術はただの障害物設定以上のものであり、環境自体を操る彼の能力はまだ、クリスにとって未知の挑戦だ。
「ホイ! 追いついてみせろ!」
渋川は忍者のように指を立てる。これが技のトリガーか。
「ひゃあ!」
岩の密度を変更され、足場が脆くなったクリスは着地に失敗する。体制を立て直し再び駆け出したたが、クリスが翻弄されていることを見て取った柳が声をかける。
『クリス、落ち着いて。障害のパターンを見極めるんだ。僕も手伝う』
柳の声が脳内に指示を送る。クリスはその声に導かれながら、次第に渋川のトラップの予測ができるようになり、対応も迅速に行えるようになった。
これは渋川が展開している、ランダムに跳ねる庭石のようなトラップ。しかしある一定のパターンでクリスの動きに反応している。
試合実行AIの寸分の狂いもないシステムがはじき出した予測を、柳は即時に分析に通し、クリスのアバターへと最適に砕いて転送してきた。
クリスの瞳が青白く輝き、全てをロードする。
『5.2秒後9時の方向一気に旋回! 更にそのまま3秒後、垂直方向に大きく飛んで!』
庭園のギミックを抜け、クリスは広い江戸時代の下町のような場所に出る。
屋根の上を走っていくが、渋川は物見櫓に立ってこちらを見ていた。もうすぐゴールだというのに、やはり力量に差がありすぎる。勝負にすらなっていない。
クリスはそれでも一生懸命にゴールを目指すことにした。渋川の向こうに塔が見える。あれがゴールだ。
試合が最終局面に差し掛かる。
「来たな……ほぉ~れ、超えてみろォ!」
渋川は彼の戦術のクライマックスとして、巨大な仮想の風車を呼び出した。
「わっ?! ……え……でか……!」
この風車の巨大な羽根が高速で回転し、強力な突風を生成してクリスの進行を阻む。
『落ち着いてクリス! 今分析して送る!』
巨大風車だけでなく、側に展開された小さなオモチャのような風車が厄介だった。これが更に風をややこしく、予測不能にする。入り組んだ乱気流だ。クリスは自力での対応が難しいと判断し、後退しつつ柳からのデータを待つ。
「これくらいで止まっちゃいけないよ。オレよりも攻撃的な……いや、くそデカいギミックを扱うスタイルの選手はごまんといるだろう」
風車自体はその場から動かないが、その羽根は不規則に動き、時には急に方向を変える。クリスはこれを避けるのに苦労して、思ったような動きができなかった。
『クリス、いける?!』
柳からのデータが届き始めた。しかしなかなか動きに反映できない。わずかながらタイムラグがあり、クリスの状況では今は参考程度にしかならないようだ。
「ごめん駄目! この場が早すぎる!」
『クリス、風車のリズムを感じ取って、その一瞬の静けさを見極めて!』
柳が指示を送ったが、クリスは経験不足から風のパターンを完全には掴むことができない。
「わ、わかっ……きゃあ!」
柳の声に出した指示をAIのサポートで即時対応したとしても、この直感的な対応が求められる側面では、問題を処理しきれなかった。
『落ち着いて着地、その場に直立してステップ!』
突風に翻弄され、幾度となくバランスを崩して遅れを取ってゆく。
「難しい……!」
次第に疲労が見え始め、最終的には渋川が設置した障害の一つ、不意に方向を変えた風車の羽根に接触してしまい、クリスは大きくコースを外れてしまった。
「あっ……!」
体が地面に叩きつけられ、装甲が衝撃を鈍く四肢に響かせた。
これによりゴールゲートを通過することができず、渋川が先にゴールを制したのを見送ることになった。
試合は二回連続黒星。しかし初心者であるクリスは善戦していると言えた。遥かに格上の相手に心が折れないことは、やはり才能である。軽い挨拶をして渋川は領域を去っていった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
この試合を現実世界から対応していた柳は、クリスのポテンシャルを感じながらも、直面している挑戦の大きさを痛感する。
クリスの成長と成功を支えるためには、単独での指導に加え、他の専門家の知見とサポートが必要だ。
メンタルコーチとしては、今は流磨がいる。特に技術的な面と戦術の理解を深めるために、やはり新たなサポートの正式加入を検討することにした。
「クリス、ユエンと仲よかったっけ?」
「え? 別に、悪くはないと思うけど。いつも話すときは柳絡みだし……」
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