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第二章 鍛冶と鉱山の国トトリ
第三話
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「侑様、準備が出来ましたよ。」
ミチルがくちばしでドアをつついた。
ダイニングに移動すると、テーブル一杯に料理が並んでる。
唐揚げ、サラダ、天ぷら、煮物…
和食!
侑は驚いて声も出ない。
「侑様、食べたいので座って下さい。」
「ミチルが作ったんだよね?」
「和食作れるんだ、すごいね。」
「ありがとう。」
侑はミチルを労いながら、座った。
「それでは、侑様お誕生日おめでとうございます。」
「お腹いっぱい食べて下さいね。」
ミチルは嬉しそうだ。
「いただきます。」
「美味しいよ。
それにこの唐揚げ、母さんの味に似てる気がする。」
「唐揚げの下拵えは、それ程バリエーション無いですからね。」
「決め手は愛情じゃないですか?」
ミチルはドヤ顔で答える。
「俺はもうこんな楽しい食事は出来ないと思ってた、病室のベッドから動けないし食事も消化の良い物を最低限で栄養は点滴だし。」
「身内は居ないけど、自分の子供の様に接してくれたおじさんが一人居てくれたから孤独は感じなかったけど。」
「やっぱり、誕生日とかは寂しかった。」
「だからね、ミチル。」
「ほんとにありがとう。」
「いつまでも側にいてくれると嬉しいな。」
ミチルは泣きそう。
「今夜は一杯食べて下さいね、あとキッチンを見て下さい。」
侑はキッチンを覗き込むと、白い物が見えた。
よく見ると、ケーキみたいだ。
「ミチル。ケーキも作ったの!?」
「時間がかかるのでやめようと思ったんですけどね。」
「魔導具のオーブンが高性能なので、作っちゃいました。」
「あと、私からのプレゼントですが今日作った料理のレシピを全部書き出しておきました。」
「明日からは侑様が作って下さいね。」
ミチルは上機嫌だ。
「書斎に料理の本もあったし、スキルの教科書みたいなのもあったから後で読んで作れるようになるよ。」
楽しい食事は時間を忘れさせた。
お腹をさすりながら、満足顔の侑。
その顔を幸せそうに見つめるミチル。
そろそろ、片付けをしますか。
では侑様はまた書斎に篭って下さいね。
「片付けは俺がやるよ。」
侑が動こうとした時、ミチルに止められた。
「今夜はいいです、それより書斎でスキルを覚えて下さい。」
「どうしてもバトラに一矢報いたいので、無理矢理にでも足りない物を作ってください。」
ミチルはまだ根に持っている。
「…分かったよ、じゃ今夜だけは甘えるよ。」
侑は書斎に篭った。
ミチルは書斎のドアが閉まったのを確認すると、人化して片付けを始めた。
…ごめんね。
侑は書斎でスキルを覚える為に、教科書らしき物を開いていた。
今読んでいるのは魔法の本だ。
魔法には属性があり、火・水・風・土・闇・聖の6種類。
更に、水の上には氷、土の上には雷等上位属性が存在する。
魔法はイメージ力と発想力で発動する。
魔法が自分のものになる迄は、詠唱という形で発動させる。
魔法は属性に関わらず覚えて使用する事ができるが、自分の属性とマッチした魔法は威力が上がる。
魔法を発動すると、魔力を消費する。
生活魔法や基礎魔法の消費は魔力1である。
魔力は体力と同様、時間経過で回復する。
魔法に関しては、色々覚えないと…
取り敢えず、あれが必要だな…
料理のスキルと、魔法を少し覚えたところでミチルがドアをつついた。
「侑様、お風呂に入れますよ。」
片付けが終わったミチルは、お風呂の準備もしてくれたみたいだ。
ドアを開けてあげると、中に入ってきたミチルは書斎の散らかり様に愕然とした。
「侑様?どうすれば短時間にこれだけ散らかるのですか?」
「お片付けは自分でお願いしますね。」
「分かってるよ、読んだのと読んでないのを分けたかったんだよ。」
「本棚の3分の2位出てますが?」
「出てるのは全部読んだよ、ティーターン様から貰った魔導具を使っていたからね。」
「それに、ミチルが言ったんだよ、足りない物を作れって。」
「確かに言いましたけど…取り敢えずお風呂に入って下さい。」
ミチルがくちばしでドアをつついた。
ダイニングに移動すると、テーブル一杯に料理が並んでる。
唐揚げ、サラダ、天ぷら、煮物…
和食!
侑は驚いて声も出ない。
「侑様、食べたいので座って下さい。」
「ミチルが作ったんだよね?」
「和食作れるんだ、すごいね。」
「ありがとう。」
侑はミチルを労いながら、座った。
「それでは、侑様お誕生日おめでとうございます。」
「お腹いっぱい食べて下さいね。」
ミチルは嬉しそうだ。
「いただきます。」
「美味しいよ。
それにこの唐揚げ、母さんの味に似てる気がする。」
「唐揚げの下拵えは、それ程バリエーション無いですからね。」
「決め手は愛情じゃないですか?」
ミチルはドヤ顔で答える。
「俺はもうこんな楽しい食事は出来ないと思ってた、病室のベッドから動けないし食事も消化の良い物を最低限で栄養は点滴だし。」
「身内は居ないけど、自分の子供の様に接してくれたおじさんが一人居てくれたから孤独は感じなかったけど。」
「やっぱり、誕生日とかは寂しかった。」
「だからね、ミチル。」
「ほんとにありがとう。」
「いつまでも側にいてくれると嬉しいな。」
ミチルは泣きそう。
「今夜は一杯食べて下さいね、あとキッチンを見て下さい。」
侑はキッチンを覗き込むと、白い物が見えた。
よく見ると、ケーキみたいだ。
「ミチル。ケーキも作ったの!?」
「時間がかかるのでやめようと思ったんですけどね。」
「魔導具のオーブンが高性能なので、作っちゃいました。」
「あと、私からのプレゼントですが今日作った料理のレシピを全部書き出しておきました。」
「明日からは侑様が作って下さいね。」
ミチルは上機嫌だ。
「書斎に料理の本もあったし、スキルの教科書みたいなのもあったから後で読んで作れるようになるよ。」
楽しい食事は時間を忘れさせた。
お腹をさすりながら、満足顔の侑。
その顔を幸せそうに見つめるミチル。
そろそろ、片付けをしますか。
では侑様はまた書斎に篭って下さいね。
「片付けは俺がやるよ。」
侑が動こうとした時、ミチルに止められた。
「今夜はいいです、それより書斎でスキルを覚えて下さい。」
「どうしてもバトラに一矢報いたいので、無理矢理にでも足りない物を作ってください。」
ミチルはまだ根に持っている。
「…分かったよ、じゃ今夜だけは甘えるよ。」
侑は書斎に篭った。
ミチルは書斎のドアが閉まったのを確認すると、人化して片付けを始めた。
…ごめんね。
侑は書斎でスキルを覚える為に、教科書らしき物を開いていた。
今読んでいるのは魔法の本だ。
魔法には属性があり、火・水・風・土・闇・聖の6種類。
更に、水の上には氷、土の上には雷等上位属性が存在する。
魔法はイメージ力と発想力で発動する。
魔法が自分のものになる迄は、詠唱という形で発動させる。
魔法は属性に関わらず覚えて使用する事ができるが、自分の属性とマッチした魔法は威力が上がる。
魔法を発動すると、魔力を消費する。
生活魔法や基礎魔法の消費は魔力1である。
魔力は体力と同様、時間経過で回復する。
魔法に関しては、色々覚えないと…
取り敢えず、あれが必要だな…
料理のスキルと、魔法を少し覚えたところでミチルがドアをつついた。
「侑様、お風呂に入れますよ。」
片付けが終わったミチルは、お風呂の準備もしてくれたみたいだ。
ドアを開けてあげると、中に入ってきたミチルは書斎の散らかり様に愕然とした。
「侑様?どうすれば短時間にこれだけ散らかるのですか?」
「お片付けは自分でお願いしますね。」
「分かってるよ、読んだのと読んでないのを分けたかったんだよ。」
「本棚の3分の2位出てますが?」
「出てるのは全部読んだよ、ティーターン様から貰った魔導具を使っていたからね。」
「それに、ミチルが言ったんだよ、足りない物を作れって。」
「確かに言いましたけど…取り敢えずお風呂に入って下さい。」
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