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Capitolo 2

お前が言うな……うん

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 しおり的にこの人、更新後にすぐに見てくれてるんだな、って思えるのが1番の励みになっている気がする、神無です。票がこんな意味不明な作品でも入ってるのか……とはなっていますが。
 勿論、私は推している方に入れました。
_____________
「黎蘭~、業務量増えたのが嫌なのは分かるねんけど、部屋を殺気で満たさんといてや」
「自業自得だ。逃げなければ良かったものを」
「今も、逃げる所存ではありますけど?会長はもう少し、きちんと考えてみて下さいね……?」

 にっこりとアルカイックスマイルを浮かべる。正直に言って、かなり怒っている。あの後、生徒会役員全員に僕が、毒胡蝶だとバラされたのだから。親衛隊員共のせいではあるが、海莉の所の。

 あの狂信者軍団は、何を考えているのだろうか?逃げなければならない事情があるからこそ、逃げていたのに……。これでは逃げていた意味がなくなってしまう。

「逃げたんだけど……逃げたいから。逃げたいだけの理由があったから。ねぇ、それを鷹多は分っかんねぇの?あぁ、そんな目をしてもよ、かぁいいだけだぞ」
「逃げるだけの理由を調べても出なかったんだが?貴様が本気で隠したことをわかるわけがないだろう……」
「……バレたからと言って、空気を甘ったるくすんのもやめろ、アシッド胡蝶・バタフライ様?」

 橘に文句を言われているが、気にしないでおこう……、うん。なぜって、気にしていたらキリがないし、彼は特に問題はないからだ。彼のその他に気を付けておけば良い。

 笑えない状況にもなっていないから、状況を考えても考えなくても……最悪、最悪の状況になるけれどもあそこに逃げるしかない。彼らに迷惑をかけたくないから。面倒なことになるのは分かっている。そんなふうに面倒な状況になったのだとしても、俺の状況を考えれば致し方ない。

「一応終わりだぞ、業務時間は。もう、20時だ。疲れてんだろ、早く寝ろ」
「……寝たくないですね。どうせ、寝れませんから」
「寝ねぇの、そっか」
「目覚めが良くないから。夢見も、な?お前は知らねぇでいいよ……w」

 いつ引き摺り込まれるのか怖いし。鷹多をあんまり置いてけぼりにしたくないし、見れない位置にいさしたくないし。洗脳しちゃうのはダメだろうし……。洗脳しちゃいたいんだけどな。

「少しは寝ろよ?胡蝶、約束な」
「ん、分かった……できる限りな。お休み」

 鷹多が出ていく。生徒会室にはもう自分1人。そろそろ、1人が来るだろう……。気配を嗅ぎ取ってあの子が来なければいいのだけど。知ってるし、会ったこともあるからね……。

「おっひさぁ!僕に全然行かせてくれなくってさ?ほんっと、あいつら何考えてんだか」
「お前が来るのは珍しいね。というか、行かせてもらえない理由はお前の嫁だろ」
「浮気?って言ってくるのほんと勘弁。僕は侑樹一筋なのにねぇ?」
「独占欲が強くて嫉妬深いあいつのことだからしょうがないだろ」

 死にたいって自分も思っているくせに、そんなのは関係ないってはっきりと言い切る不思議な子。まぁ、あんだけの執着を向けられていたら死にたいなーってなるのも仕方がない気がしてくる。俺らよりもひっどいから。

「ねね、まだ堕とさないの?僕らの1人としては善良的だよねぇ」
「用件は?」
「んぇ?ないよ、てか僕は何も言わないでしょ」
「そうだけど」
「だってぇ~、黎蘭は黎蘭でしょ?ゆゆ、1番は君の逃げ場ってだけにしときたいからだけどね」

 心自体はよく読んでいるようで。彼……リルと話すのに特に抵抗はない。他の者と話すのはあまり好きではないが。どこか掌の上で転がされているような感覚がするから。リルは無邪気に人をディスるのはどうかとは思うが、特に問題はない。

「てか、宿儺の依代は元気?まぁ、気配的には超元気っぽいけど。てか、何をしたら融合すんの⁉︎え、はぁぁぁぁ?」
「どうした?」
「いやいや、えぇ……?」

 異様に驚いているような感じがする。というか、なぜ?そんなに驚くような状態になってんの?

「おぉい、そんなになんかあるの?」
「いや、ちょっと依代の自我と宿儺の自我が混ざり合ってんじゃんかぁ!早く報告しといてよぉぉぉぉ」
「あぁ……、報告しなくても特に面倒はないかと思ってた。だって、他にもいるじゃん」
「それとこれとは違うんだってぇぇぇぇぇ。自我の融合で不具合が出ることよくあんの。だからさ、ダメだよ?」

 え、そうなん?自我の融合ってそんなに危険なんだ。…………、複数と自我の融合を行なって特に何にもない人に言われたくはないけど。融合率がおかしいし、融合個体数もダントツだし。それに、つい先日まで呪いで全員のことと能力のことを忘れていた人が言うことでもない。

 ドロドロとした執着とかは、自分たちにも共通していることなのかもしれないけれど。それにしたって、どこかおかしな執着愛だ。何かしらに執着するモノは、全員何かしらの情緒が壊れている。それが普通であるとして生きているから。

 執着するが故、自我の融合を行なってしまったあの個体を思い浮かべながら、自分はどこまでしてしまうのだろうかと、身を震わせた。
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