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واحد
食堂へ行くか否か
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お久しぶりです。普通に、文化祭準備と委員会が忙しくて無理でした。すみません。
_________
「で?結局、どうするの」
「食堂に行く?」
「私は、絶対に行きません。会長も行かない方がいいですよ?」
「どういう意味だ」
鷹多が鷹多ではないとバレたら、また面倒事を起こされるに決まっているからだろう……?面倒なことだけは嫌だからなぁ。そういう面倒事があったら、僕自身の嘘にも気付かれるかもしれない。そんなことになったら、僕が築き上げたものが無意味になる。
「あぁ、確かに行かん方がええと思うわ。面倒事になることしか見えてへん。それに……、アレは酷い嘘吐きや。これ以上知りたいんやったら、氷雪に聞きいや?」
「さながら亡霊のようですからね。海莉、それ以上は……何も言わないでください」
「しゃーないなぁ?そろそろ克服せなあかんで?」
「分かってますよ。それでも、私は……無理ですので」
「肩の力抜け。ほらほら、あんさんだけ緊張しすぎなんや」
ぎゅーっと、引っ付いてきている海莉を邪険に扱うことはしない。よく人を揶揄うような奴だけど、とっても、子供っぽい。他の奴らは犬って言うけど、ただのガキにしか僕には見えない。人懐っこいのは確かにそうだけれども。海莉は、海莉は……何があって僕を裏切らないでいてくれたのだろう、ね?
晴翔も、ずっと、疲れないのかなぁ?イベントって、僕もこの人たちに言ったけど、ashelterでいた最後の方は僕だってイベントを避けていた。ヤンデレストーカーだった鷹多に事実がバレないようにずっと頑張っているんだから……最後まで、最後まで、墓場までこの嘘を守り通す。鷹多は、何も知らないでいい。そうやって……死んでいって?
「おい、咲宮に引っ付くな。咲宮が圧迫死すんだろうが」
「されません。そんなに身体は柔くないですから」
「かいちょー?今の会長の目、すっごいドロドロとしてはるで?嫉妬してるんか?」
「は?この俺がそんなわけねぇだろ。貴様、冗談を言うのも大概にしろ」
冗談で済ませることができないぐらいにドッロドロになっているから言われたんだと思うけれど……。まぁ、海莉は海莉で直球で聞きすぎなのは悪い。鷹多の目が……嫉妬、憎悪、憤怒に塗れていた。僕に向けられているものじゃない。俺の方に向けられている憎悪と海莉に向けられている憤怒。僕と俺に向けられている嫉妬。
なんでこれだけの感情の機微が働いて、確証を持てないのだろう?持たれない方がいいけどさぁ……。食堂へ行くかの問題は結局どうなってんの?
「で、結局食堂行くの?」
「また、言ってるな……」
「行かないでいいでしょう?ただでさえ、星華と橘のサボり具合が酷いのに、さらにサボられそうな要因を増やしたくありません。あと、容姿は普通です。そして、煩くてとっても常識がなく、相手するのが疲れます。生徒会で面倒を見ろと言われましたが、風紀委員会へ回されるのも防ごうとするほどですよ?この私が」
権力の濫用はしていないし、それについてこの人達にバレることはない。風紀の晴翔の精神状態的にも生徒会と風紀に世話を回されたら、この学園がどうにかなる。生徒会に世話を見させることはまず不可能。風紀の方に見させた場合は、学園が半壊する恐れがある。
それほどまでに晴翔はアレのことが嫌いだ。全てにおいて気に入らないと言っていた。
「あ、そういえばほとんどの人達は、初等部からいますよね?」
「そうだけど?どうしたの」
「アレは、初等部2年の時まで在学していました。そして、とある事件を起こし、その後に学園追放処分を食らっています」
「えぇ……追放処分って、あ、あれだ‼︎あの事件?やっぱりなんで知ってるの、それ、緘口令が敷かれてたはずだよ」
「……。知らなくていいことですよ。事実と真実は…………」
『異なる』。その言葉を自分の息の内に飲み込む。言っても、意味がないから。本当のことを知られたくないから。真実は、僕にさえ分からないから。違和感しかない、結果だったから。義母の対応がどこかおかしかったから。何を考えて、行動していたのかが分からないから一方的に責めれない。
「ん~、結局行かないでいっか」
「追放処分されたのに、よくここに来れたよねぇ。その図太さは賞賛できるかも?」
「関わんない方が良さそう」
「毒胡蝶様を偽ろうとする奴なんて死んでも文句ないですよね?」
「胡蝶を偽るなど、万死に値する」
『なんで物騒なの?』
『しょうがないですよ?毒胡蝶というのは、私達の間ではそれだけの価値があります』
『諦めな?そういうもんやし』
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「で?結局、どうするの」
「食堂に行く?」
「私は、絶対に行きません。会長も行かない方がいいですよ?」
「どういう意味だ」
鷹多が鷹多ではないとバレたら、また面倒事を起こされるに決まっているからだろう……?面倒なことだけは嫌だからなぁ。そういう面倒事があったら、僕自身の嘘にも気付かれるかもしれない。そんなことになったら、僕が築き上げたものが無意味になる。
「あぁ、確かに行かん方がええと思うわ。面倒事になることしか見えてへん。それに……、アレは酷い嘘吐きや。これ以上知りたいんやったら、氷雪に聞きいや?」
「さながら亡霊のようですからね。海莉、それ以上は……何も言わないでください」
「しゃーないなぁ?そろそろ克服せなあかんで?」
「分かってますよ。それでも、私は……無理ですので」
「肩の力抜け。ほらほら、あんさんだけ緊張しすぎなんや」
ぎゅーっと、引っ付いてきている海莉を邪険に扱うことはしない。よく人を揶揄うような奴だけど、とっても、子供っぽい。他の奴らは犬って言うけど、ただのガキにしか僕には見えない。人懐っこいのは確かにそうだけれども。海莉は、海莉は……何があって僕を裏切らないでいてくれたのだろう、ね?
晴翔も、ずっと、疲れないのかなぁ?イベントって、僕もこの人たちに言ったけど、ashelterでいた最後の方は僕だってイベントを避けていた。ヤンデレストーカーだった鷹多に事実がバレないようにずっと頑張っているんだから……最後まで、最後まで、墓場までこの嘘を守り通す。鷹多は、何も知らないでいい。そうやって……死んでいって?
「おい、咲宮に引っ付くな。咲宮が圧迫死すんだろうが」
「されません。そんなに身体は柔くないですから」
「かいちょー?今の会長の目、すっごいドロドロとしてはるで?嫉妬してるんか?」
「は?この俺がそんなわけねぇだろ。貴様、冗談を言うのも大概にしろ」
冗談で済ませることができないぐらいにドッロドロになっているから言われたんだと思うけれど……。まぁ、海莉は海莉で直球で聞きすぎなのは悪い。鷹多の目が……嫉妬、憎悪、憤怒に塗れていた。僕に向けられているものじゃない。俺の方に向けられている憎悪と海莉に向けられている憤怒。僕と俺に向けられている嫉妬。
なんでこれだけの感情の機微が働いて、確証を持てないのだろう?持たれない方がいいけどさぁ……。食堂へ行くかの問題は結局どうなってんの?
「で、結局食堂行くの?」
「また、言ってるな……」
「行かないでいいでしょう?ただでさえ、星華と橘のサボり具合が酷いのに、さらにサボられそうな要因を増やしたくありません。あと、容姿は普通です。そして、煩くてとっても常識がなく、相手するのが疲れます。生徒会で面倒を見ろと言われましたが、風紀委員会へ回されるのも防ごうとするほどですよ?この私が」
権力の濫用はしていないし、それについてこの人達にバレることはない。風紀の晴翔の精神状態的にも生徒会と風紀に世話を回されたら、この学園がどうにかなる。生徒会に世話を見させることはまず不可能。風紀の方に見させた場合は、学園が半壊する恐れがある。
それほどまでに晴翔はアレのことが嫌いだ。全てにおいて気に入らないと言っていた。
「あ、そういえばほとんどの人達は、初等部からいますよね?」
「そうだけど?どうしたの」
「アレは、初等部2年の時まで在学していました。そして、とある事件を起こし、その後に学園追放処分を食らっています」
「えぇ……追放処分って、あ、あれだ‼︎あの事件?やっぱりなんで知ってるの、それ、緘口令が敷かれてたはずだよ」
「……。知らなくていいことですよ。事実と真実は…………」
『異なる』。その言葉を自分の息の内に飲み込む。言っても、意味がないから。本当のことを知られたくないから。真実は、僕にさえ分からないから。違和感しかない、結果だったから。義母の対応がどこかおかしかったから。何を考えて、行動していたのかが分からないから一方的に責めれない。
「ん~、結局行かないでいっか」
「追放処分されたのに、よくここに来れたよねぇ。その図太さは賞賛できるかも?」
「関わんない方が良さそう」
「毒胡蝶様を偽ろうとする奴なんて死んでも文句ないですよね?」
「胡蝶を偽るなど、万死に値する」
『なんで物騒なの?』
『しょうがないですよ?毒胡蝶というのは、私達の間ではそれだけの価値があります』
『諦めな?そういうもんやし』
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