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第三章
第二十二話 新年会、騎士視点〜可愛いものを眺めて癒される仕事です。
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「来た来た来た」
「おー、ラッキー」
庭園警備に当たっていたヨハン、エール、キーツの三人の騎士たちはリオンとルゼルの姿が持ち場に現れると小声で言った。
今年の新年会は名家の未就学の子どもたちが出席するということで、例年以上の警備態勢となり騎士団も多く配置されていた。
グイン団長やキエル副団長は出席者側の立場だが、ほとんどの騎士たちは警備の方だ。いつもなら内心「あの料理、美味しそう」とか「あの令嬢にそいつはやめておけと言いたい」とか邪念気味のことを考えながらしっかり(?)警備しているが、今年は癒されながらしっかり警備している。
ユリアンたちは剣の練習でよく知っている。可愛らしくて賢くて頑張り屋な良い子たちだ。騎士たちの前では「騎士様、ここを教えてください」「騎士様すごいです。ビックリしました」とか年相応の姿を見せるのに、弟妹の前では「何々だよ」とかいつもより大人びた口調でお兄ちゃんしているところが本当に可愛い癒される。
そして今日は二天使もいる。なんであの二人はいるだけで自分たちをワクワクさせるのか。本当に見る薬。
警備の持ち場にリオンとルゼルが来るとヤッターという気になる。
「これだけ沢山の御令息方がいても二天使ピカイチに目立つな」
「うっかり二天使にしか目がいかなくて警備の視野が狭くなるかと思ったけど、逆に視野が広くなった気ぃする」
「そうなんですよ。二天使様がおられると基礎的な力が増す気がするんですよね…」
マジで薬なのでは?
騎士たちのコソコソ話が続く
「しかしルゼル天使は転ばなくなったなぁ」
「二天使とも喋り方もしっかりしてきたし。ヴァジュラ殿下の前ではお兄さんぶりたい様子も見せてくるようになったよな」
「それでもヴァジュラ殿下のパワーにはまだ押されていますよね」
ほわぁ。日常の二人を思い出して騎士たちの心が凪ぐ。
するとすべり台の順番争いが起き始めた。横入りはズルイとか、自分が先だとか…。騎士たちにも覚えがある場面だ。だが、止めたり口出しはしない。
今日の警備で騎士たちに申し渡されていたことがいくつかある。その中に「子どもたちの様子をよく見ておくこと」というものがあった。
具体的には、何か起きても危険がない限り見守る。何が原因で誰がかかわり、どのように収束したかを見る。ということだった。そのために出席する子どもたちの顔と名前を覚えた。
なんのためかわからなかったが、おそらく先程発表があった幼稚園の入園参考にするのだろう。
騎士たちはすべり台で横入りして喧嘩になっている子どもたちの名前を素早く脳内でチェックした。喧嘩を止めようとする子、喧嘩の隙にチャッカリすべり台の順番を飛ばして並ぶ子もいる。全員名前チェックだ。
リオンとルゼルはというと…「あちゃー、真っ青だな」騎士たちの心が痛んだ。騎士たちは知っている。二天使の喧嘩は「ウサギ卿事件、ルゼル様の乱」レベルだ。象さんとかカバさんを引き合いに出すくらいの喧嘩だ。破滅の言葉は弱々しい「ばかぁ」だった。しかもそれで相手を泣かせちゃったと言って泣いてしまうような可愛らしいものだ。
案の定ルゼルが泣きそうなのを察したリオンがルゼルの手を引いてその場を離れた。「二天使はきっと大きくなったらああいう争いも言葉ひとつで納めていくんだろうな」「ああ」不思議とその未来は易々と想像できた。
次に三人が二人を見たのは持ち場移動した先の花壇だった。
そこには今日のイベント用として摘んでいい花を沢山植えてあった。平民の子どもたちは野原で花を摘んだりする。だが上位貴族の子どもたちはその経験をしたことがない。だからそれを体験させるコーナーということだ。おそらくそこにも幼稚園に絡む選出の要素があるのだろう。騎士たちはよくよく見極めなければと子どもたちを観ていた。
一言で花摘みと言っても色んな子どもがいた。
令嬢たちは色で花を集める子が多かった。
リディラは様々な花を摘んではリオンとルゼルの髪や服にさしてニコニコしている。おそらく写真家も何処かにいるのではないか。
ユリアンとリゼルはそこに姿は見えなかった。令嬢たちから隠れているのだろう。
そこにいる令息たちもそれぞれだ。花を荒く掴み取っては振り回したり花びらをちぎって舞わせたりしている子がいる。扱いは荒いが綺麗でもある。令嬢と一緒に花集めをしている令息もいる。
その中でリオンとルゼルはアデルと一緒にいた。
「あ、アデル!」
「リオン」
いつの間にか知り合いになっていたのだな。あとでその流れを知る持ち場の騎士に話を聞こうとヨハンたちは思った。
アデルは花壇の花をうっとり見ていた。
「アデル、おはな、きれいね」
ルゼルもアデルの横にしゃがんで花を眺める。
アデルの従姉妹のリタは、花を眺めるアデルに何か言いたそうな不満な表情をしていたが、リオンとルゼルが花に飾られて現れたことで何も言えなくなっていた。
「おはな、みてるとしあわせね」とルゼルが言うと
「うん。きれいなものは良いよね」とリオンも言う。
そんな二人を見てアデルは本当に好きなものは好きって言って良いんだなと思っていた。まだ口にして言う勇気はないけれど心の中で好きになるのを我慢することはもうしないと思った。でも今ならお花のことだけなら言えそう。
「…僕、このお花すき」
言えた!言えた‼︎
「うん、このおはな、とってもきれいきれいだもんね」
リオンとルゼルが否定しなかった。
「うん!」
アデルはとっても気持ちよく返事を返せることができた。
「このおはな、とっていいって。アデルとる?」
アデルは少し考えた。お花は欲しい。でもきっとお花を持っていたらリタにまた何か言われる。せっかく好きって言えて気持ちいいから今日はここで満足した方がいい。
「ううん、僕はみるだけにする」
「わたしはとるー。しょれでね…」
と、ルゼルがリオンに何か話している。リオンは頷きながら聞いていたが
「うん。いいね。私もする!」
と言って二人が花を選び始めた。
「んとんとー、これとーこれとー」
「きいろとー、あおはこれー」
二人で相談しながら花を摘んでいる。アデルも「そっちのは?」など指差して言っている。その向こう側で花を剣に見立て戦いごっこをしている令息たちもいる。なんだかカラフルで賑やかで楽しい空間だ。
しばらくするとリオンとルゼルがお互いの手にした花を確認し合ってから「うん」と言って騎士たちの方に走ってきた。
「お?」
少し驚くヨハンたちの前で二人は止まった。後ろ手に花を隠しているつもりのようだ。すべて観ていたから隠している意味はないのだが、可愛いから不問。
「はい!」
と、さも驚かせるかのように二人が花を前に差し出した。
「きし様、しゃがんでください」
言われた通りにしゃがむと、二人は騎士の耳の上に摘んだ花を差し入れた。
「ぱってだした、おはな。びっくりしましたか?」
「てじなです」
ビックリはしなかったが、可愛すぎる様子にはビックリしている。だから「はい、驚きました」と答えると二人は大喜びだ。
「あのねあのね、らうる様におはな、ぱってしてもらったの」
「そしたらね、おはなきれいでうれしかったの。だから、きし様たちにもって」
天使か!天使だった!やっぱり天使だ!
その日、三人の騎士たちはそのままずっと花を差し入れたまま警備を続けた。その後それを聞かれて仲間たちに理由を話すときの優越感といったら!二天使が自分たちを嬉しがらせようとしたなんて「一生の思い出です」とか、あの真面目なキーツが言うものだから皆羨ましがった。
そして騎士たちはハタと気づいた。「これ、病院の余暇に良いのでは?」「いつもは病室の花は誰かが生けていたけど、自分で選んでみるのもいいのでは?」「一緒に選ぶの、良いのでは?」
もちろん、その案はすぐに受け入れられた。病院の余暇に自分で花を選ぶ。花を探して病院の敷地を歩く。新鮮な空気、目から入る色の刺激、何の花にしようか考える思考、リフレッシュに最適。
花選びはその後患者たちの楽しみの時間として定着していった。選べるよう沢山の種類の花を用意するため、造園業も力を入れ出した。
ここにまた活気を取り戻した業界ができた。
「おー、ラッキー」
庭園警備に当たっていたヨハン、エール、キーツの三人の騎士たちはリオンとルゼルの姿が持ち場に現れると小声で言った。
今年の新年会は名家の未就学の子どもたちが出席するということで、例年以上の警備態勢となり騎士団も多く配置されていた。
グイン団長やキエル副団長は出席者側の立場だが、ほとんどの騎士たちは警備の方だ。いつもなら内心「あの料理、美味しそう」とか「あの令嬢にそいつはやめておけと言いたい」とか邪念気味のことを考えながらしっかり(?)警備しているが、今年は癒されながらしっかり警備している。
ユリアンたちは剣の練習でよく知っている。可愛らしくて賢くて頑張り屋な良い子たちだ。騎士たちの前では「騎士様、ここを教えてください」「騎士様すごいです。ビックリしました」とか年相応の姿を見せるのに、弟妹の前では「何々だよ」とかいつもより大人びた口調でお兄ちゃんしているところが本当に可愛い癒される。
そして今日は二天使もいる。なんであの二人はいるだけで自分たちをワクワクさせるのか。本当に見る薬。
警備の持ち場にリオンとルゼルが来るとヤッターという気になる。
「これだけ沢山の御令息方がいても二天使ピカイチに目立つな」
「うっかり二天使にしか目がいかなくて警備の視野が狭くなるかと思ったけど、逆に視野が広くなった気ぃする」
「そうなんですよ。二天使様がおられると基礎的な力が増す気がするんですよね…」
マジで薬なのでは?
騎士たちのコソコソ話が続く
「しかしルゼル天使は転ばなくなったなぁ」
「二天使とも喋り方もしっかりしてきたし。ヴァジュラ殿下の前ではお兄さんぶりたい様子も見せてくるようになったよな」
「それでもヴァジュラ殿下のパワーにはまだ押されていますよね」
ほわぁ。日常の二人を思い出して騎士たちの心が凪ぐ。
するとすべり台の順番争いが起き始めた。横入りはズルイとか、自分が先だとか…。騎士たちにも覚えがある場面だ。だが、止めたり口出しはしない。
今日の警備で騎士たちに申し渡されていたことがいくつかある。その中に「子どもたちの様子をよく見ておくこと」というものがあった。
具体的には、何か起きても危険がない限り見守る。何が原因で誰がかかわり、どのように収束したかを見る。ということだった。そのために出席する子どもたちの顔と名前を覚えた。
なんのためかわからなかったが、おそらく先程発表があった幼稚園の入園参考にするのだろう。
騎士たちはすべり台で横入りして喧嘩になっている子どもたちの名前を素早く脳内でチェックした。喧嘩を止めようとする子、喧嘩の隙にチャッカリすべり台の順番を飛ばして並ぶ子もいる。全員名前チェックだ。
リオンとルゼルはというと…「あちゃー、真っ青だな」騎士たちの心が痛んだ。騎士たちは知っている。二天使の喧嘩は「ウサギ卿事件、ルゼル様の乱」レベルだ。象さんとかカバさんを引き合いに出すくらいの喧嘩だ。破滅の言葉は弱々しい「ばかぁ」だった。しかもそれで相手を泣かせちゃったと言って泣いてしまうような可愛らしいものだ。
案の定ルゼルが泣きそうなのを察したリオンがルゼルの手を引いてその場を離れた。「二天使はきっと大きくなったらああいう争いも言葉ひとつで納めていくんだろうな」「ああ」不思議とその未来は易々と想像できた。
次に三人が二人を見たのは持ち場移動した先の花壇だった。
そこには今日のイベント用として摘んでいい花を沢山植えてあった。平民の子どもたちは野原で花を摘んだりする。だが上位貴族の子どもたちはその経験をしたことがない。だからそれを体験させるコーナーということだ。おそらくそこにも幼稚園に絡む選出の要素があるのだろう。騎士たちはよくよく見極めなければと子どもたちを観ていた。
一言で花摘みと言っても色んな子どもがいた。
令嬢たちは色で花を集める子が多かった。
リディラは様々な花を摘んではリオンとルゼルの髪や服にさしてニコニコしている。おそらく写真家も何処かにいるのではないか。
ユリアンとリゼルはそこに姿は見えなかった。令嬢たちから隠れているのだろう。
そこにいる令息たちもそれぞれだ。花を荒く掴み取っては振り回したり花びらをちぎって舞わせたりしている子がいる。扱いは荒いが綺麗でもある。令嬢と一緒に花集めをしている令息もいる。
その中でリオンとルゼルはアデルと一緒にいた。
「あ、アデル!」
「リオン」
いつの間にか知り合いになっていたのだな。あとでその流れを知る持ち場の騎士に話を聞こうとヨハンたちは思った。
アデルは花壇の花をうっとり見ていた。
「アデル、おはな、きれいね」
ルゼルもアデルの横にしゃがんで花を眺める。
アデルの従姉妹のリタは、花を眺めるアデルに何か言いたそうな不満な表情をしていたが、リオンとルゼルが花に飾られて現れたことで何も言えなくなっていた。
「おはな、みてるとしあわせね」とルゼルが言うと
「うん。きれいなものは良いよね」とリオンも言う。
そんな二人を見てアデルは本当に好きなものは好きって言って良いんだなと思っていた。まだ口にして言う勇気はないけれど心の中で好きになるのを我慢することはもうしないと思った。でも今ならお花のことだけなら言えそう。
「…僕、このお花すき」
言えた!言えた‼︎
「うん、このおはな、とってもきれいきれいだもんね」
リオンとルゼルが否定しなかった。
「うん!」
アデルはとっても気持ちよく返事を返せることができた。
「このおはな、とっていいって。アデルとる?」
アデルは少し考えた。お花は欲しい。でもきっとお花を持っていたらリタにまた何か言われる。せっかく好きって言えて気持ちいいから今日はここで満足した方がいい。
「ううん、僕はみるだけにする」
「わたしはとるー。しょれでね…」
と、ルゼルがリオンに何か話している。リオンは頷きながら聞いていたが
「うん。いいね。私もする!」
と言って二人が花を選び始めた。
「んとんとー、これとーこれとー」
「きいろとー、あおはこれー」
二人で相談しながら花を摘んでいる。アデルも「そっちのは?」など指差して言っている。その向こう側で花を剣に見立て戦いごっこをしている令息たちもいる。なんだかカラフルで賑やかで楽しい空間だ。
しばらくするとリオンとルゼルがお互いの手にした花を確認し合ってから「うん」と言って騎士たちの方に走ってきた。
「お?」
少し驚くヨハンたちの前で二人は止まった。後ろ手に花を隠しているつもりのようだ。すべて観ていたから隠している意味はないのだが、可愛いから不問。
「はい!」
と、さも驚かせるかのように二人が花を前に差し出した。
「きし様、しゃがんでください」
言われた通りにしゃがむと、二人は騎士の耳の上に摘んだ花を差し入れた。
「ぱってだした、おはな。びっくりしましたか?」
「てじなです」
ビックリはしなかったが、可愛すぎる様子にはビックリしている。だから「はい、驚きました」と答えると二人は大喜びだ。
「あのねあのね、らうる様におはな、ぱってしてもらったの」
「そしたらね、おはなきれいでうれしかったの。だから、きし様たちにもって」
天使か!天使だった!やっぱり天使だ!
その日、三人の騎士たちはそのままずっと花を差し入れたまま警備を続けた。その後それを聞かれて仲間たちに理由を話すときの優越感といったら!二天使が自分たちを嬉しがらせようとしたなんて「一生の思い出です」とか、あの真面目なキーツが言うものだから皆羨ましがった。
そして騎士たちはハタと気づいた。「これ、病院の余暇に良いのでは?」「いつもは病室の花は誰かが生けていたけど、自分で選んでみるのもいいのでは?」「一緒に選ぶの、良いのでは?」
もちろん、その案はすぐに受け入れられた。病院の余暇に自分で花を選ぶ。花を探して病院の敷地を歩く。新鮮な空気、目から入る色の刺激、何の花にしようか考える思考、リフレッシュに最適。
花選びはその後患者たちの楽しみの時間として定着していった。選べるよう沢山の種類の花を用意するため、造園業も力を入れ出した。
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