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第二章
閑話 リゼル提案、兄弟協定〜議題あにゅーれ問題
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弟の天使ルゼルの滑舌が良くなってきている。
嬉しい。でもさみしい。
ルゼルはもうすぐ3歳になる。父上はルゼルの一人称を「ルゼル」から「私」に変えるように言うだろう。私の時もリディラの時も3歳になった日にそれを言われた。
リディラにもルゼルを「ルゼルちゃん」から「ルゼル」と呼ぶように言うに違いない。それは良い。問題はルゼルがしっかり話せるようになったら私が「兄上」と呼ばれること。
さみしいなー。
リディラが「おいーしゃま」から「お兄様」って言えるようになった日、とってもとってもさみしくなっちゃったんだよ。あれはリディラがお嫁に行く日とおんなじ気持ちだと思う。
ルゼルはお嫁に行かないけど「兄上」って言えるようになったら絶対おんなじにさみしくなると思うんだ。嫌なんだ。
ユリアンも「リゼルは良いな。まだアニューレって呼ばれて…リオンはもうほとんど兄上って言えちゃうんだ」って言ってた。二人で「嬉しいけどさみしいね」って分かり合えた。
リディラにも聞いた「アネーレ」って呼ばれなくなったらどう思う?って。涙目で「いやですわ」って言ってた。
妹の涙で気持ちがはっきり決まった!
兄弟会議だ!
「お兄様、お話って何?」
と、リディラが部屋に入ってくるとすぐ後からルゼルが来て言った。
「あにゅーれぇ。あねーれぇ」
私は心の中で「はうっ」って言ってた。可愛すぎるんだよなー。リディラははっきり「はあぁっ」って言ってた。わかる。
「ルゼルちゃんにアネーレって呼ばれると、アネーレは幸せな気持ちになるわ」
そうだろう。わかる。
「でも、3歳になったら言ってもらえなくなるのね…」
…正確には滑舌が良くなったら、なんだけど、そこは置いといて。
「アニューレも同じ気持ちです。そこで、リディラとルゼルに兄弟協定の提案です」
ルゼル、きょとん。リディラもハテナの顔だ。
「お兄様、優しい言葉でお願いいたします」
「うん。あのね、兄弟協定というのは、私たち兄弟の約束っていう意味で、提案ていうのは、こうしたいんだけどどうかなっていうこと」
「兄弟の約束ってなんだかワクワクしますわね」
「わくわくしゅる」
うん、自分でも想像以上にワクワクしてる。
「あのね、二人とも。この頃思ってるんだけど、私はルゼルに兄上じゃなくて、アニューレってずっと呼んでいてほしいんだ」
「はっ。わかりますわ、お兄様!私もアネーレと呼び続けて欲しいのですわ!」
「だろう?私たちもルゼルと話す時は一人称アニューレとアネーレだよね。だけど父上はルゼルが3歳になったら、私たちがルゼルと話す時に使う一人称のアニューレやアネーレを禁止すると思うし、ルゼルにも発音指導が入ると思うんだ」
「私もそう思います。ルゼルちゃんの前で自分を『私』って言うの、なんか寂しいです」
「そこで兄弟協定。私たちだけの時はこれからもルゼルは私たちをアニューレとアネーレって呼んでくれないかな?」
「お兄様!素敵!私は大賛成です!」
リディラがぴょんて跳ねて喜んだ。やっぱりリディラも可愛いよ。天使だよ。しかも、リディラは私の手を取って「お兄様、天才だわ!」って。今ならもう一つのお願いも叶うかな。
「できればリディラには私を「おいーしゃま」って呼んで欲しい」
「…それは…無理ですわ。いつの話ですの」
リディラ…やっぱりダメか。残念。
でも、ルゼルだけでも…ルゼルはどうかな?
「あにゅーれでいいの?あねーれでいいの?」
ルゼルがちょっと照れた顔で言う。可愛いしかない。早く可愛いの上の言葉を知りたい!
「もちろんだよ!その方がアニューレはとっても嬉しいんだよ!」
あ、天使が微笑みました。
こっそりリディラが言った。
「お兄様、ルゼルちゃんは兄上ってちゃんと呼ばれなくてお兄様が嫌なんじゃないかって心配していたんですよ」
何それ!知らなかった。早く言ってリディラ!いらぬ心配させてしまったじゃないか。
見ると、もじもじした天使ルゼルが私たちを見上げて言った。
「あにゅーれとあねーれ、しゅき」
ずきゅーん。はあああ~。リゼル・クインで良かったー。可愛い妹と弟がいる兄で良かったー。
話し合いの結果、普段は貴族の矜持で「兄上、姉上」呼び。兄弟だけの時は兄弟協定で「アニューレ、アネーレ」呼びということになった。
…まぁ、しばらくはルゼルの滑舌の問題で使い分けていることに気づかれないんだろうけどね。
提案して良かった。なんだか妹弟ともっと仲良くなった気になる。兄弟協定良いな。
他にも兄弟協定作りたいな。
今度の兄弟協定にはアロンも参加だ。
アロンは私を何て呼んでくれるのかな?楽しみだなぁ。
色んな協定作るためにはもっと色んな事知らないといけないよね。
秋から初等学園に行くから一生懸命勉強しよう。
でも、私の学園での目標は言葉の博士に新しい言葉を作ってもらうこと。これは外せない。
待っててね。アニューレは頑張るから。
嬉しい。でもさみしい。
ルゼルはもうすぐ3歳になる。父上はルゼルの一人称を「ルゼル」から「私」に変えるように言うだろう。私の時もリディラの時も3歳になった日にそれを言われた。
リディラにもルゼルを「ルゼルちゃん」から「ルゼル」と呼ぶように言うに違いない。それは良い。問題はルゼルがしっかり話せるようになったら私が「兄上」と呼ばれること。
さみしいなー。
リディラが「おいーしゃま」から「お兄様」って言えるようになった日、とってもとってもさみしくなっちゃったんだよ。あれはリディラがお嫁に行く日とおんなじ気持ちだと思う。
ルゼルはお嫁に行かないけど「兄上」って言えるようになったら絶対おんなじにさみしくなると思うんだ。嫌なんだ。
ユリアンも「リゼルは良いな。まだアニューレって呼ばれて…リオンはもうほとんど兄上って言えちゃうんだ」って言ってた。二人で「嬉しいけどさみしいね」って分かり合えた。
リディラにも聞いた「アネーレ」って呼ばれなくなったらどう思う?って。涙目で「いやですわ」って言ってた。
妹の涙で気持ちがはっきり決まった!
兄弟会議だ!
「お兄様、お話って何?」
と、リディラが部屋に入ってくるとすぐ後からルゼルが来て言った。
「あにゅーれぇ。あねーれぇ」
私は心の中で「はうっ」って言ってた。可愛すぎるんだよなー。リディラははっきり「はあぁっ」って言ってた。わかる。
「ルゼルちゃんにアネーレって呼ばれると、アネーレは幸せな気持ちになるわ」
そうだろう。わかる。
「でも、3歳になったら言ってもらえなくなるのね…」
…正確には滑舌が良くなったら、なんだけど、そこは置いといて。
「アニューレも同じ気持ちです。そこで、リディラとルゼルに兄弟協定の提案です」
ルゼル、きょとん。リディラもハテナの顔だ。
「お兄様、優しい言葉でお願いいたします」
「うん。あのね、兄弟協定というのは、私たち兄弟の約束っていう意味で、提案ていうのは、こうしたいんだけどどうかなっていうこと」
「兄弟の約束ってなんだかワクワクしますわね」
「わくわくしゅる」
うん、自分でも想像以上にワクワクしてる。
「あのね、二人とも。この頃思ってるんだけど、私はルゼルに兄上じゃなくて、アニューレってずっと呼んでいてほしいんだ」
「はっ。わかりますわ、お兄様!私もアネーレと呼び続けて欲しいのですわ!」
「だろう?私たちもルゼルと話す時は一人称アニューレとアネーレだよね。だけど父上はルゼルが3歳になったら、私たちがルゼルと話す時に使う一人称のアニューレやアネーレを禁止すると思うし、ルゼルにも発音指導が入ると思うんだ」
「私もそう思います。ルゼルちゃんの前で自分を『私』って言うの、なんか寂しいです」
「そこで兄弟協定。私たちだけの時はこれからもルゼルは私たちをアニューレとアネーレって呼んでくれないかな?」
「お兄様!素敵!私は大賛成です!」
リディラがぴょんて跳ねて喜んだ。やっぱりリディラも可愛いよ。天使だよ。しかも、リディラは私の手を取って「お兄様、天才だわ!」って。今ならもう一つのお願いも叶うかな。
「できればリディラには私を「おいーしゃま」って呼んで欲しい」
「…それは…無理ですわ。いつの話ですの」
リディラ…やっぱりダメか。残念。
でも、ルゼルだけでも…ルゼルはどうかな?
「あにゅーれでいいの?あねーれでいいの?」
ルゼルがちょっと照れた顔で言う。可愛いしかない。早く可愛いの上の言葉を知りたい!
「もちろんだよ!その方がアニューレはとっても嬉しいんだよ!」
あ、天使が微笑みました。
こっそりリディラが言った。
「お兄様、ルゼルちゃんは兄上ってちゃんと呼ばれなくてお兄様が嫌なんじゃないかって心配していたんですよ」
何それ!知らなかった。早く言ってリディラ!いらぬ心配させてしまったじゃないか。
見ると、もじもじした天使ルゼルが私たちを見上げて言った。
「あにゅーれとあねーれ、しゅき」
ずきゅーん。はあああ~。リゼル・クインで良かったー。可愛い妹と弟がいる兄で良かったー。
話し合いの結果、普段は貴族の矜持で「兄上、姉上」呼び。兄弟だけの時は兄弟協定で「アニューレ、アネーレ」呼びということになった。
…まぁ、しばらくはルゼルの滑舌の問題で使い分けていることに気づかれないんだろうけどね。
提案して良かった。なんだか妹弟ともっと仲良くなった気になる。兄弟協定良いな。
他にも兄弟協定作りたいな。
今度の兄弟協定にはアロンも参加だ。
アロンは私を何て呼んでくれるのかな?楽しみだなぁ。
色んな協定作るためにはもっと色んな事知らないといけないよね。
秋から初等学園に行くから一生懸命勉強しよう。
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