74 / 157
第三章 冒険者修行編
第三十八話 専用伏魔殿の討伐開始
しおりを挟む
「では、その様な手筈でお願いします」
「準備はしておく。ボス討伐日が決まったら必ず連絡をするのだぞ」
「わかりました。それでは、失礼します」
予定どおり、俺はメルケル男爵である伯父を訪ね、『悲願』とまでは言わないが、目標の一つである伏魔殿の平定許可を願い出たのだ。
専用伏魔殿の平定について、当初は若干渋られもしたが、結果的に許可は貰えた。
伯父も『冗談で伏魔殿の平定をして良いと言ったが、本当にやろうとするとは思っていなかった』と苦笑いだったが、ボス討伐後の残党刈りで多くの冒険者が獲物を仕留めて冒険者ギルドで素材を換金するのは、素材の流通量が増えるので経済が活性化され、領主としては有り難い話であり税収が増えるという実利もある。
ただ、それを俺とエルフィの二人でできるのかを伯父は気にすると思っていたが、そんなことはなかった。なぜなら、伯父は領主の特権で冒険者ギルドから俺の活動の報告を受けていたようで、俺が魔物の換金をかなり行っている事実を把握していたようだ。
王国の機関であるギルドの情報を領主が得ようとするのは越権行為のようだが、実は全く問題が無い。
というのも、ギルドはある意味フランチャイズのような作りだからだ。
王国が企業主で領主にギルドの看板を貸しているような感じであり、領主はギルドで得た利益を王国に税金という名目で看板代を支払っている。そのため、各地にあるギルドはそれぞれ領主が経営者なので、情報を得ることになんら問題が無いのだ。
余談だが、フランチャイズの看板代である税金はかなり高いらしい。だが、王国に納める税金は固定税率なので、利益が出過ぎることを懸念する必要もない。むしろ、大きな利益が出せれば王国から助成金が多く出たり、素材の物流も増えるので、領主からすると冒険者ギルドの活性化は願ったり叶ったりなのだ。
そんなわけで、伯父は自分の甥である冒険者『盗賊狩りの坊っちゃん』の俺と、姪である『銀の聖女』エルフィを高く評価している。若干身内贔屓で評価を高くしているのだろうが、それは許可を得る後押しになったので良しとした。
しかし、俺が『盗賊狩りの坊っちゃん』などと呼ばれていたことを初めて知り、物凄く恥ずかしかったので、その呼び名が定着しないように全力で神に祈った。
メルケル男爵邸を後にした俺はシュヴァーンの四人と会い、別行動を取ることを低姿勢で謝りながら認めてもらった。その条件として、旨い物を食べさせろというので、俺が大盤振る舞いをしたのは言うまでもない。
これは皆の優しさでもある。俺に飯を奢らせることで、自分達は対価を貰ったので文句は言わない、という彼らのメッセージなのだ。これは素直にありがたいと思う。
その後、俺が帰宅するとエルフィは既に帰宅していた。
「どうだったの?」
「伯父さんには了解を貰って、残党刈りの手配もしてくれるって。シュヴァーンの方も納得して貰えたよ。そっちは?」
「良かったわね。こっちも、やるならしっかり結果を残せと言われて、無期限で休暇を貰えたわ。ただ、年明けには王都に向かわなくてはならないから、それまでにどうにかしろですって」
「それは俺も考慮しているから、そんなに時間をかけないようにするよ」
メルケルムルデの司祭ヨーンは、自分の功名心で何かを言うような人ではない。これは、エルフィに箔を付けさせようとしているのだろう。
王都にある神殿本部は、従軍神官として出兵することもある。その際に『聖なる癒やし』の使い手は派兵対象になることが多く、どうせ出兵するなら冒険者として名を挙げておけばエルフィが粗雑に扱われない、とか考えたのだろと思う。
「それで、具体的な日程だったり作戦とかは?」
「ボスを目指して即討伐ってなると残党刈りの人員が集まらないし、残党の数も多いでしょ? だから、序盤はできるだけ魔物の数を減らすのが目標だね」
情報の伝達に時間のかかるこの世界で、『明日集まって』『りょ~か~い』みたいなことはない。なので、告知と口コミで情報が広まるのを待つ時間が必要になる。
流石に、軍を動かすような大事であれば早馬や鳩を飛ばしたりと、可能な限り早い伝達手段を使うが、今回は軍の力は使わない。
「それはわかったわ。で、ボス討伐はいつ頃になる予定?」
「一ヶ月後の十一月の末だね」
今は十月の末なので、約一ヶ月後にボス討伐を行う予定だ。
「十二月一杯に終わらせれば良いのでしょ? 何を焦っているのよ」
「だって、あの伏魔殿は寒いから、あまり長期間入りっぱなしはちょっと……。それに、十二月になると雪が降り始めるでしょ」
そうなのだ、メルケル領は温暖な地域であるため、秋であるこの時期でもかなり暖かく、冬でも雪とは無縁の土地だ。しかし、専用伏魔殿の中は気候が違うので、既に肌寒くなっており、十二月になると雪が降ってくるのだ。それは去年確認している。
「そうね。確かにあの寒い中で動くのはキツイわよね」
「動くのもそうだけど、雪の降る中テントで寝るんだよ。それがキツいと思うんだ」
「あ~、それは嫌ね」
十二月に寒冷地で行動するのが嫌だという意見が一致したところで、十一月の末にボス討伐をすることが俺とエルフィの二人の中で決定した。
「う~、早くお湯を出してよ」
「いやいや、家に着くまで散々歩いたんだから、いくら凍えたといえ身体もすっかり温まったでしょ?」
「身体の芯から冷えたのは簡単に温まらないわよ。いいから早くお湯を出して」
「自分で出せばいいのに」
「出せるなら出しているわよ! なんなの? 嫌味?!」
「悪かったよ……。はい」
「最初から素直に出しなさいよ。まったく! ――あぁ~、生き返るぅ~」
俺とエルフィは予定どおり専用伏魔殿に入り、日々魔物を駆逐して回っていた。
当初は何も問題など無かったのだが、今日は予想外の事態が起こった。それは、予想より早い初雪が降ったことだ。しかし、予想の根拠は去年の初雪が十二月の序盤であったことだけなので、驚く程早かったわけではない。ただ、最悪の想定として十一月中の初雪は覚悟していたのだが、実際に降られると気分はダダ下がりだ。
そんな俺達は、冒険者ギルドに立ち寄ることもなく直帰して、水場で身体を温めている。とはいえ、湯船があるわけではないので、俺が魔法で生んだお湯を大きめの盥の中で胡座をかいているエルフィにかけ流している。
「姉ちゃん、俺もそろそろお湯を被りたいんだけど」
「あんたの身体は温まっているのでしょ? あたしはやっと温まり始めたところなの」
「いや、水場で裸になっていれば、温まった身体も冷えてくるって」
さすがの寒さに、俺の小さな相棒は更に縮こまって皮の中に引き籠もってしまった。……いや、引き篭もりはいつものことだ。
「仕方ないわね。ここに座ってお湯を掛けなさい」
エルフィは胡座をかいていた足を解いて膝を抱えるように座り直すと、盥の後方に隙間を作り、俺にそこへ座れと言う。
これって、姉ちゃんの背後から抱き着くような体勢になるんだよな。以前なら問題なかったけど、今だと身体が反応しちゃうし。……困ったな。
「ほら、早くしなさい」
エルフィが振り返ると俺の腕を掴み引っ張る。俺は体勢を崩して意図せずエルフィの背後から覆い被さることとなった。
仕方ないので、俺は意を決してエルフィの背後に腰を下ろした。
「ほら、早くお湯を出しなさい」
体勢を崩したことで止まったお湯を早く出せと催促するエルフィに、俺は大人しく従うしかなかった。
あ~、この体勢だと当然だけど当たるよね。姉ちゃんが何も言わないからいいけど、何か気不味いし、腕の置き場も困るな。
「もっとくっつかないとあんたにお湯がかからないでしょ」
エルフィはそう言いながら手持ち無沙汰だった俺の腕を取り、自分の腰の辺りに導いた。
あっ、これは拙い。
エルフィを背後から抱き抱える格好になり、すべすべな肌に触れた俺は、咄嗟に拙いことになると確信した。
「ん? あたしのお尻の下にあったモノが固くなったわよ? 何かしら?」
「姉ちゃん、申し訳ないけど気にしないで貰えるかな……」
姉ちゃんはわかっていて言ってるのか俺には判断できないけど、できれば気付かない体でいて貰えると助かるんだけどな。
縮こまっていた引き篭もりの相棒が、お湯を浴びて暖かくなり血流が良くなったのだろう、少しだけ元気になった。
俺は自分に念を押す。他の何でもない、お湯のお陰なのだ、と。
「何か、そこも温かいわね」
「いや、そう言うのいいから……」
なにこの人? 天然なの? マジ勘弁して欲しいな。
心がざわつく水浴びだったが、すっかり身体が温まったエルフィは満足した様子で部屋に戻った。
その夜、俺がエルフィをオカズに賢者となったのは言うまでも無いだろう。
「準備はしておく。ボス討伐日が決まったら必ず連絡をするのだぞ」
「わかりました。それでは、失礼します」
予定どおり、俺はメルケル男爵である伯父を訪ね、『悲願』とまでは言わないが、目標の一つである伏魔殿の平定許可を願い出たのだ。
専用伏魔殿の平定について、当初は若干渋られもしたが、結果的に許可は貰えた。
伯父も『冗談で伏魔殿の平定をして良いと言ったが、本当にやろうとするとは思っていなかった』と苦笑いだったが、ボス討伐後の残党刈りで多くの冒険者が獲物を仕留めて冒険者ギルドで素材を換金するのは、素材の流通量が増えるので経済が活性化され、領主としては有り難い話であり税収が増えるという実利もある。
ただ、それを俺とエルフィの二人でできるのかを伯父は気にすると思っていたが、そんなことはなかった。なぜなら、伯父は領主の特権で冒険者ギルドから俺の活動の報告を受けていたようで、俺が魔物の換金をかなり行っている事実を把握していたようだ。
王国の機関であるギルドの情報を領主が得ようとするのは越権行為のようだが、実は全く問題が無い。
というのも、ギルドはある意味フランチャイズのような作りだからだ。
王国が企業主で領主にギルドの看板を貸しているような感じであり、領主はギルドで得た利益を王国に税金という名目で看板代を支払っている。そのため、各地にあるギルドはそれぞれ領主が経営者なので、情報を得ることになんら問題が無いのだ。
余談だが、フランチャイズの看板代である税金はかなり高いらしい。だが、王国に納める税金は固定税率なので、利益が出過ぎることを懸念する必要もない。むしろ、大きな利益が出せれば王国から助成金が多く出たり、素材の物流も増えるので、領主からすると冒険者ギルドの活性化は願ったり叶ったりなのだ。
そんなわけで、伯父は自分の甥である冒険者『盗賊狩りの坊っちゃん』の俺と、姪である『銀の聖女』エルフィを高く評価している。若干身内贔屓で評価を高くしているのだろうが、それは許可を得る後押しになったので良しとした。
しかし、俺が『盗賊狩りの坊っちゃん』などと呼ばれていたことを初めて知り、物凄く恥ずかしかったので、その呼び名が定着しないように全力で神に祈った。
メルケル男爵邸を後にした俺はシュヴァーンの四人と会い、別行動を取ることを低姿勢で謝りながら認めてもらった。その条件として、旨い物を食べさせろというので、俺が大盤振る舞いをしたのは言うまでもない。
これは皆の優しさでもある。俺に飯を奢らせることで、自分達は対価を貰ったので文句は言わない、という彼らのメッセージなのだ。これは素直にありがたいと思う。
その後、俺が帰宅するとエルフィは既に帰宅していた。
「どうだったの?」
「伯父さんには了解を貰って、残党刈りの手配もしてくれるって。シュヴァーンの方も納得して貰えたよ。そっちは?」
「良かったわね。こっちも、やるならしっかり結果を残せと言われて、無期限で休暇を貰えたわ。ただ、年明けには王都に向かわなくてはならないから、それまでにどうにかしろですって」
「それは俺も考慮しているから、そんなに時間をかけないようにするよ」
メルケルムルデの司祭ヨーンは、自分の功名心で何かを言うような人ではない。これは、エルフィに箔を付けさせようとしているのだろう。
王都にある神殿本部は、従軍神官として出兵することもある。その際に『聖なる癒やし』の使い手は派兵対象になることが多く、どうせ出兵するなら冒険者として名を挙げておけばエルフィが粗雑に扱われない、とか考えたのだろと思う。
「それで、具体的な日程だったり作戦とかは?」
「ボスを目指して即討伐ってなると残党刈りの人員が集まらないし、残党の数も多いでしょ? だから、序盤はできるだけ魔物の数を減らすのが目標だね」
情報の伝達に時間のかかるこの世界で、『明日集まって』『りょ~か~い』みたいなことはない。なので、告知と口コミで情報が広まるのを待つ時間が必要になる。
流石に、軍を動かすような大事であれば早馬や鳩を飛ばしたりと、可能な限り早い伝達手段を使うが、今回は軍の力は使わない。
「それはわかったわ。で、ボス討伐はいつ頃になる予定?」
「一ヶ月後の十一月の末だね」
今は十月の末なので、約一ヶ月後にボス討伐を行う予定だ。
「十二月一杯に終わらせれば良いのでしょ? 何を焦っているのよ」
「だって、あの伏魔殿は寒いから、あまり長期間入りっぱなしはちょっと……。それに、十二月になると雪が降り始めるでしょ」
そうなのだ、メルケル領は温暖な地域であるため、秋であるこの時期でもかなり暖かく、冬でも雪とは無縁の土地だ。しかし、専用伏魔殿の中は気候が違うので、既に肌寒くなっており、十二月になると雪が降ってくるのだ。それは去年確認している。
「そうね。確かにあの寒い中で動くのはキツイわよね」
「動くのもそうだけど、雪の降る中テントで寝るんだよ。それがキツいと思うんだ」
「あ~、それは嫌ね」
十二月に寒冷地で行動するのが嫌だという意見が一致したところで、十一月の末にボス討伐をすることが俺とエルフィの二人の中で決定した。
「う~、早くお湯を出してよ」
「いやいや、家に着くまで散々歩いたんだから、いくら凍えたといえ身体もすっかり温まったでしょ?」
「身体の芯から冷えたのは簡単に温まらないわよ。いいから早くお湯を出して」
「自分で出せばいいのに」
「出せるなら出しているわよ! なんなの? 嫌味?!」
「悪かったよ……。はい」
「最初から素直に出しなさいよ。まったく! ――あぁ~、生き返るぅ~」
俺とエルフィは予定どおり専用伏魔殿に入り、日々魔物を駆逐して回っていた。
当初は何も問題など無かったのだが、今日は予想外の事態が起こった。それは、予想より早い初雪が降ったことだ。しかし、予想の根拠は去年の初雪が十二月の序盤であったことだけなので、驚く程早かったわけではない。ただ、最悪の想定として十一月中の初雪は覚悟していたのだが、実際に降られると気分はダダ下がりだ。
そんな俺達は、冒険者ギルドに立ち寄ることもなく直帰して、水場で身体を温めている。とはいえ、湯船があるわけではないので、俺が魔法で生んだお湯を大きめの盥の中で胡座をかいているエルフィにかけ流している。
「姉ちゃん、俺もそろそろお湯を被りたいんだけど」
「あんたの身体は温まっているのでしょ? あたしはやっと温まり始めたところなの」
「いや、水場で裸になっていれば、温まった身体も冷えてくるって」
さすがの寒さに、俺の小さな相棒は更に縮こまって皮の中に引き籠もってしまった。……いや、引き篭もりはいつものことだ。
「仕方ないわね。ここに座ってお湯を掛けなさい」
エルフィは胡座をかいていた足を解いて膝を抱えるように座り直すと、盥の後方に隙間を作り、俺にそこへ座れと言う。
これって、姉ちゃんの背後から抱き着くような体勢になるんだよな。以前なら問題なかったけど、今だと身体が反応しちゃうし。……困ったな。
「ほら、早くしなさい」
エルフィが振り返ると俺の腕を掴み引っ張る。俺は体勢を崩して意図せずエルフィの背後から覆い被さることとなった。
仕方ないので、俺は意を決してエルフィの背後に腰を下ろした。
「ほら、早くお湯を出しなさい」
体勢を崩したことで止まったお湯を早く出せと催促するエルフィに、俺は大人しく従うしかなかった。
あ~、この体勢だと当然だけど当たるよね。姉ちゃんが何も言わないからいいけど、何か気不味いし、腕の置き場も困るな。
「もっとくっつかないとあんたにお湯がかからないでしょ」
エルフィはそう言いながら手持ち無沙汰だった俺の腕を取り、自分の腰の辺りに導いた。
あっ、これは拙い。
エルフィを背後から抱き抱える格好になり、すべすべな肌に触れた俺は、咄嗟に拙いことになると確信した。
「ん? あたしのお尻の下にあったモノが固くなったわよ? 何かしら?」
「姉ちゃん、申し訳ないけど気にしないで貰えるかな……」
姉ちゃんはわかっていて言ってるのか俺には判断できないけど、できれば気付かない体でいて貰えると助かるんだけどな。
縮こまっていた引き篭もりの相棒が、お湯を浴びて暖かくなり血流が良くなったのだろう、少しだけ元気になった。
俺は自分に念を押す。他の何でもない、お湯のお陰なのだ、と。
「何か、そこも温かいわね」
「いや、そう言うのいいから……」
なにこの人? 天然なの? マジ勘弁して欲しいな。
心がざわつく水浴びだったが、すっかり身体が温まったエルフィは満足した様子で部屋に戻った。
その夜、俺がエルフィをオカズに賢者となったのは言うまでも無いだろう。
0
お気に入りに追加
744
あなたにおすすめの小説
錬金術師カレンはもう妥協しません
山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」
前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。
病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。
自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。
それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。
依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。
王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。
前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。
ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。
仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。
錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。
※小説家になろうにも投稿中。
女神様の赤い糸
ハチ助
恋愛
※こちらは本編14話+番外編4話になります。
【あらすじ】15歳のアデレード家の子爵令嬢シャーロットは、久しぶりにお気に入りの絵本を手に取った際、自分の左手の小指に赤い糸が結ばれている事に驚く。その糸は何故か自分にしか見えず、その先もどこに繋がっているのか分からない。そんなシャーロットには、二つ年上の自慢の姉セルフィーユがいる。シャーロットは物心付いた頃から優しく美しいその姉が大好きで、いつも後ろをくっ付いていた。しかし二人にある伯爵家からの縁談の話が舞い込む。先方からは政略的な意味合いで、姉か妹のどちらかに次男を婿養子にどうかという内容だった。父親からは姉とその次男の仲を取り持つように指示された妹のシャーロット。しかし二人で伯爵家を訪れると、何故かシャーロットの赤い糸が、その次男の左手の小指に結ばれていて……。
婚約破棄は決定事項です
Na20
恋愛
リリアナ・ルーシェントはルーシェント公爵家の娘だ。
八歳の時に王太子であるシェザート殿下との婚約が結ばれたが、この婚約は娘を王妃にしたい父と、国一番の富豪である公爵家からの持参金を目当てにした国王の利害が一致した政略結婚であった。王妃になどなりたくなかったが、貴族の娘に生まれたからには仕方ないと婚約を受け入れたが、シェザート殿下は勝手に決められた婚約に納得していないようで、私のことを婚約者と認めようとはしなかった。
その後もエスコートも贈り物も一切なし、婚約者と認めないと言いながらも婚約者だからと仕事を押し付けられ、しまいには浮気をしていた。
このままでは間違いなく未来は真っ暗だと気づいた私は、なんとかして婚約破棄する方法を探すもなかなか見つからない。
時間が刻一刻と迫るなか、悩んでいた私の元に一枚のチラシが舞い込んできて―――?
※設定ゆるふわ、ご都合主義です
※恋愛要素は薄めです
記憶喪失の私はとある理由で異世界へやってきました。
雪乃
ファンタジー
――――とある理由で気がつくとそこは知らない世界。
そこは勿論電車やバスも飛行機さえもない、そして馬の代わりにドラゴンが大空を飛んでいる。
何故私……朝倉 愛美(17)がここにいるのだろう。
日本人でごく普通の高校生で両親に姉1人は覚えているけど、そこから先がわからない。
気がつけばそこはお花畑……もとい竜舎の中で、然もドラゴン達のてんこ盛りに盛られたご飯の上で気を失っていた。
そんな私を見つけたのはその竜舎持ち主であるというエクスティーダ公爵。
何も分からない私をエクスティーダ公爵は面倒を見てくれたのはいいけれど、殆ど姿を見せないし屋敷内は自由だけれども外へは出るなと告げられる。
おまけに私が発見された場所……そこにいたドラゴンさんと私は会話が出来た事に思わず吃驚。
メルヘンだぁ~と喜んでいればどうやらドラゴンさん達と会話できるのは私だけ!?
そんなこんなで1ヶ月――――色々この状態に離れた頃、もしかしてこれは拉致監禁でないかと疑問を持った私は、これから脱走を試みます。
兎に角早くお家に帰ってまともな生活へ戻りたいです。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
笑ってはいけない悪役令嬢
三川コタ
ファンタジー
長い間第一線から退いていた円城寺博士は、視力を失った左目に高機能人工眼球の適合が成功すると、量子物理学の領域に学習型AIによるフィードバック制御を確立し、人工知能の有用性を示して返り咲き、量子コンピュータオンライン研究機構センター長に迄上り詰めた。そして量子コンピュータのオンライン利用が開始される直前、博士は6基の制御AIへ、6尊の菩薩の魂入れ儀式を行うのであった。
フラーグ学院一年生=ファウスト・オウラ7世(シーコック国王太子)。イコリス・プラントリー(宰相の娘)。サイナス・プラントリー(イコリスの義弟)。アイ・レットエクセル(魔力を持つ平民)。(五大貴族頭首の嫡子達)トゥラン・キュリテグロース、ジェネラス・ケーナイン、チェリン・サウザンド、ラビネ・リヴェール、フラリス・ブリストン。アッシュ・エイマール(平民)。二年生=シャンス・グランドル(平民)。三年生=フェリクス・ストライト(平民)。異世界からSFファンタジーへ急転しますが、転生が詳らかになると収束します・・・頑張ります。寛大な気持ちでお読みいただければ幸いです。よろしくお願いします。
小説家になろう/カクヨム/ノベルアップにも掲載しています。
強制力が無茶するせいで乙女ゲームから退場できない。こうなったら好きに生きて国外追放エンドを狙おう!処刑エンドだけは、ホント勘弁して下さい
リコピン
ファンタジー
某乙女ゲームの悪役令嬢に転生したナディア。子どもの頃に思い出した前世知識を生かして悪役令嬢回避を狙うが、強制力が無茶するせいで上手くいかない。ナディアの専属執事であるジェイクは、そんなナディアの奇行に振り回されることになる。
※短編(10万字はいかない)予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる