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九、任務遂行
十九
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美雨が息絶えたのを確認すると、翠玉は窓を開け、部屋についた露台に出た。
そして窓を閉めると、膝を曲げて地面を蹴る。
高く舞い上がった翠玉は、身を翻して城の頂に着地した。
左右の先端を銅色の龍が飾る、その中央から夜空を見上げた。
快晴なのに、月がない。暗殺に相応しい、朔の日だった。
果てしなく続く夜闇は、どこか澄んで見える。
――私たちにお似合いの夜だわ……ねぇ、凛玲?
翠玉は心の中で凛玲に語りかけると、指先を揃えて両手を掲げた。
しならせた身体を回転させ、時に宙を舞い、夜空に手を伸ばす。
暗闇に溶け込む衣装で、翠玉は凛玲を悼む演舞を披露した。
助けてあげられなかった、後悔と謝罪を込めて。
やがて動きを止めた翠玉は、夜空の向こうに凛玲の笑顔を見て思う。
子供の頃、泣き虫だった凛玲、いつも私にくっついてきた凛玲、朗らかさで癒してくれた凛玲。
大好きよ、だから……さよならは言わない。
「凛玲、待っていてね、私もいずれ、地獄に行くから――」
だからそれまでもう少しだけ、夢を見させて。
翠玉は愛を知ったことを懺悔し、遠き友に許しを乞うと、一筋の涙を流した。
そして窓を閉めると、膝を曲げて地面を蹴る。
高く舞い上がった翠玉は、身を翻して城の頂に着地した。
左右の先端を銅色の龍が飾る、その中央から夜空を見上げた。
快晴なのに、月がない。暗殺に相応しい、朔の日だった。
果てしなく続く夜闇は、どこか澄んで見える。
――私たちにお似合いの夜だわ……ねぇ、凛玲?
翠玉は心の中で凛玲に語りかけると、指先を揃えて両手を掲げた。
しならせた身体を回転させ、時に宙を舞い、夜空に手を伸ばす。
暗闇に溶け込む衣装で、翠玉は凛玲を悼む演舞を披露した。
助けてあげられなかった、後悔と謝罪を込めて。
やがて動きを止めた翠玉は、夜空の向こうに凛玲の笑顔を見て思う。
子供の頃、泣き虫だった凛玲、いつも私にくっついてきた凛玲、朗らかさで癒してくれた凛玲。
大好きよ、だから……さよならは言わない。
「凛玲、待っていてね、私もいずれ、地獄に行くから――」
だからそれまでもう少しだけ、夢を見させて。
翠玉は愛を知ったことを懺悔し、遠き友に許しを乞うと、一筋の涙を流した。
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