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薔薇の耽血
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しおりを挟む桜色に染まる道を、息を弾ませながら駆けて行く少女。
遠ざかる背中を、懸命に追いかける。
でも、待ってほしいなんて、望まない。
その背中が見えるだけで、彼の存在が、当たり前にあるだけで、彼女は未だに幻想の中にいるような、そんな幸福を感じていた。
愛しい人を道しるべにできる喜びは、穏花に春爛漫の笑顔を与えた。
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