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薔薇の耽血
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「……君は不思議だね、何一つわかっていないようでいて、すべてを理解しているようだ」
「今のは褒められたのかなぁ?」
「さあね」
「私、どれくらい眠ってたの?」
「……昨日の夕方からだから、丸一日以上だね」
「そ、そんなに!?」
「……もう、目覚めないかと思った」
そう言った寂しげな美汪の顔が近づいてくると、穏花は反射的に目を閉じて、その唇を受け止めた。
やっぱり、あの出来事は夢ではなかったのだと知った穏花は、拙いながらも精一杯美汪のキスに応えた。
「……痛くしてもいい?」
「――エッ!?」
「僕の嗜好をわかった上で好きだと言ったんでしょ?」
「はわっ!? そ、そそそそれはそ、う、で……」
顔を真っ赤にして半分泣きながら動揺する穏花を前に、美汪は微かな笑みを浮かべた。
「君は無意識に僕を悦ばせるのがうまいね」
「えっ? は、ぅ――……」
美汪は逃げられないよう、穏花の顔を両手で掴み、息する間も与えない口づけをした。
わざと牙を当て、舌を甘く噛めば、穏花の全身が波を打ち熱い吐息が漏れる。
ようやく唇を解放したかと思うと、美汪はそのままベッドに座っている穏花の足へ頭を移していく。
圭太から逃げようとして公園で転び、擦りむいた膝から滲み出た血液。もうとっくに乾いていたそれに、美汪は舌を這わせた。
「あ、い、たい」
「……どう見ても痛いという顔じゃないね」
「う、嘘じゃないの、でも……美汪に触れられたところから熱くて、もっと、してほしいって、思っちゃう……」
「ッ……そういうこと言わないでくれる。おかしくなりそうだ」
「美汪になら、おかしく、され、たい」
「今のは褒められたのかなぁ?」
「さあね」
「私、どれくらい眠ってたの?」
「……昨日の夕方からだから、丸一日以上だね」
「そ、そんなに!?」
「……もう、目覚めないかと思った」
そう言った寂しげな美汪の顔が近づいてくると、穏花は反射的に目を閉じて、その唇を受け止めた。
やっぱり、あの出来事は夢ではなかったのだと知った穏花は、拙いながらも精一杯美汪のキスに応えた。
「……痛くしてもいい?」
「――エッ!?」
「僕の嗜好をわかった上で好きだと言ったんでしょ?」
「はわっ!? そ、そそそそれはそ、う、で……」
顔を真っ赤にして半分泣きながら動揺する穏花を前に、美汪は微かな笑みを浮かべた。
「君は無意識に僕を悦ばせるのがうまいね」
「えっ? は、ぅ――……」
美汪は逃げられないよう、穏花の顔を両手で掴み、息する間も与えない口づけをした。
わざと牙を当て、舌を甘く噛めば、穏花の全身が波を打ち熱い吐息が漏れる。
ようやく唇を解放したかと思うと、美汪はそのままベッドに座っている穏花の足へ頭を移していく。
圭太から逃げようとして公園で転び、擦りむいた膝から滲み出た血液。もうとっくに乾いていたそれに、美汪は舌を這わせた。
「あ、い、たい」
「……どう見ても痛いという顔じゃないね」
「う、嘘じゃないの、でも……美汪に触れられたところから熱くて、もっと、してほしいって、思っちゃう……」
「ッ……そういうこと言わないでくれる。おかしくなりそうだ」
「美汪になら、おかしく、され、たい」
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