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秘密
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「やっぱり、黒川君は吸血鬼」
「みっちゃん!!」
穏花は焦り立ち上がると同時に、みちるの口からついて出た言葉を自身の声で被せるようにしてかき消した。
みちるはひどくショックを受けたような表情で穏花を見ていた。
「……どうして、黒川君を庇うの?」
最初は親友であるみちるを庇うための秘密だったはずだが……今は、別の理由が穏花を突き動かしていた。
なぜか、美汪が吸血族であることを、自分以外の他の誰かに知られたくない。そう思ったのである。
「穏花がそんなのだから付け込まれるのよ!? 私は穏花のために言ってるのに! 私が一番穏花をわかってるんだから!」
みちるは、こういうところがある。
『あなたのために』
その文字は、穏花に重くのしかかった。
自分がよいと思っていることが、必ずしもその相手にとってよいとは限らない。
普段大人びたみちるは、興奮すると周りが見えなくなる一面を持っており、そっと見守るという優しさを知らなかった。
穏花は耳を塞ぎたいような、そんな気持ちに駆られたが、ここで引くべきではないと思った。
大事な友人であるみちるに嫌われるのは怖い。だが、脳裏に浮かぶ美汪の媚びない姿勢が、穏花に力を貸した。
「……美汪は、悪い人じゃないと、思う」
穏花は息を整え、目の前に立つみちるを見据えた。
「みっちゃん!!」
穏花は焦り立ち上がると同時に、みちるの口からついて出た言葉を自身の声で被せるようにしてかき消した。
みちるはひどくショックを受けたような表情で穏花を見ていた。
「……どうして、黒川君を庇うの?」
最初は親友であるみちるを庇うための秘密だったはずだが……今は、別の理由が穏花を突き動かしていた。
なぜか、美汪が吸血族であることを、自分以外の他の誰かに知られたくない。そう思ったのである。
「穏花がそんなのだから付け込まれるのよ!? 私は穏花のために言ってるのに! 私が一番穏花をわかってるんだから!」
みちるは、こういうところがある。
『あなたのために』
その文字は、穏花に重くのしかかった。
自分がよいと思っていることが、必ずしもその相手にとってよいとは限らない。
普段大人びたみちるは、興奮すると周りが見えなくなる一面を持っており、そっと見守るという優しさを知らなかった。
穏花は耳を塞ぎたいような、そんな気持ちに駆られたが、ここで引くべきではないと思った。
大事な友人であるみちるに嫌われるのは怖い。だが、脳裏に浮かぶ美汪の媚びない姿勢が、穏花に力を貸した。
「……美汪は、悪い人じゃないと、思う」
穏花は息を整え、目の前に立つみちるを見据えた。
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