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とこしえの恋路
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――ね……眠れねえぇ――――……!!!
いろりと二人暮らしを始めてから、蛇珀は毎晩この様子である。
神力が残っているため睡眠時間が少なくとも身体に支障をきたすことはないが。
肉体面ではなく、精神面がとにかく厳しかった。竜の寝床での苦行が可愛く思えるほどに。
横を向けばすぐ近くにある子うさぎのような寝顔。それに今に食らいつこうとしている蛇の自分。繋いだ手は細く、力を込めれば容易く折れてしまいそうに感じた。
それでもその可憐な花を手折りたいと、そんな自身の中にある欲望が、落ち着くどころか日に日に蛇珀の中で膨張する。それはもう、破裂しそうなほどに。
長時間経ちようやく眠りに落ちようものなら、必ずいろりを強引に自分のものにする夢を見るため、それがまた蛇珀の睡魔を遠ざけていた。
――ちっと頭冷やしてくるか……。
そう考えた蛇珀は握っていたいろりの掌をそっと外し、気持ちよさそうに夢見る頬に優しく唇を落とした。
「悪りいな、いろり……すぐ戻るからいい子で寝ててくれ」
そう小さく伝えると、蛇珀は部屋を抜け、下駄を履くと外に出た。
そして他の者が侵入できないよう神力で家全体を結界で覆うと、ある場所へ向かった。
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