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2.手を伸ばせば壊れてしまう。
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なるべく目立ちたくない私にとっては校則違反だけでも大冒険なのに、まさかのそれを注意された時の反逆大冒険を聞いてしまった。
「先生、怖くない? 周りの反応とか」
「え、全然怖くねえよ? 本気で怒らせたら一番怖いのは父ちゃんかな。小さい時悪さしてたら漁船で無人島に連れてかれて置いて行かれたから」
「む、むじん……」
「あ、さすがにすぐ戻って来たけどな? でも案外面白くて馴染んでたから、これじゃお仕置きにならねえってそれ以来はされてねえな」
海斗の野生児ぶりは、すでに父親の思惑を凌駕しているようだった。
「う、嘘みたいな本当の話で、びっくりした……無人島、そんな近くにあるの?」
「うん、漁船で何分かだし、綺麗だから興味あるならひなも一緒に行こ」
あまりに海斗が自然に誘うものだから、流れのまま頷いてしまいそうになる。
「あ、別に今すぐにじゃなくて、もっと仲良くなってからとか……ダメ?」
返事に困っていると、海斗は少し自信がなさそうに言葉をつけ足した。
ダメなはずがない。
それが許される身なら、今からだって一緒に行ってしまいたいくらいだ。
この身体のことは話せない。
病を知ったら、きっと海斗は離れて行ってしまうから。
「……ううん、ダメじゃないよ」
「ホント? やった」
海斗の笑顔が眩しくて、少しだけ、痛い。
「海斗ってやっぱり、泳ぐの上手なの?」
「おう、すんげえ上手いぞ、素潜りもけっこう深いとこまで行けるし」
「そっかぁ、すごい、いいなあ」
尊敬と羨望を込めた目で、海斗を眺めた。
「先生、怖くない? 周りの反応とか」
「え、全然怖くねえよ? 本気で怒らせたら一番怖いのは父ちゃんかな。小さい時悪さしてたら漁船で無人島に連れてかれて置いて行かれたから」
「む、むじん……」
「あ、さすがにすぐ戻って来たけどな? でも案外面白くて馴染んでたから、これじゃお仕置きにならねえってそれ以来はされてねえな」
海斗の野生児ぶりは、すでに父親の思惑を凌駕しているようだった。
「う、嘘みたいな本当の話で、びっくりした……無人島、そんな近くにあるの?」
「うん、漁船で何分かだし、綺麗だから興味あるならひなも一緒に行こ」
あまりに海斗が自然に誘うものだから、流れのまま頷いてしまいそうになる。
「あ、別に今すぐにじゃなくて、もっと仲良くなってからとか……ダメ?」
返事に困っていると、海斗は少し自信がなさそうに言葉をつけ足した。
ダメなはずがない。
それが許される身なら、今からだって一緒に行ってしまいたいくらいだ。
この身体のことは話せない。
病を知ったら、きっと海斗は離れて行ってしまうから。
「……ううん、ダメじゃないよ」
「ホント? やった」
海斗の笑顔が眩しくて、少しだけ、痛い。
「海斗ってやっぱり、泳ぐの上手なの?」
「おう、すんげえ上手いぞ、素潜りもけっこう深いとこまで行けるし」
「そっかぁ、すごい、いいなあ」
尊敬と羨望を込めた目で、海斗を眺めた。
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