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第六章、金色の庭を越えて。
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清志郎の逮捕から四ヶ月が過ぎ、季節は秋の終わりに近づいていた。
あゆらは変わらず、望星高校に通っている。
幸蔵と杏奈は離婚し、当然杏奈に引き取られたあゆらは、鈴子の近所に引っ越した。
杏奈は料理の資格を活かし、鈴子のお菓子屋で働いている。
裕福ではないが、穏やかな暮らしが訪れた。
学校でのあゆらに対する反応は様々だった。
悪を裁いた正義の人と取る者もいれば、身内を捨てた冷たい人と取る者もいた。
だがそんなこと、あゆらにはどうでもよかった。
志鬼が側にいるだけで、どこまでも強くなれた。
そんな二人は今、小高い丘に位置にする、美鈴の墓に来ていた。
「会いに来るのが遅くなってごめんなさいね、美鈴」
あゆらは墓前に花を供え、線香をつけると屈んで手を合わせた。
気づけば隣に立っていた志鬼も手を合わせており、あゆらはその姿に胸を打たれた。
志鬼にとっては会ったこともない相手なのに、自分の気持ちを共有してくれるようで、あゆらは嬉しかったのだ。
この戦いは自分たちだけのものではなかったと、二人は思っていた。
美鈴、あるいは清志郎も――
幾人もの犠牲の上に、ようやく勝ち取った結果だった。
「私もいつか、優介くんに会いに行きたいわ」
「……そう、やなあ、だいぶ先になるとは思うけど」
「なぜ? 別に私はすぐにでも」
「……あー、しょんべん漏れそうやから便所行くわ」
「ちょっと、言い方を考えなさいよ」
ふざけるように股を押さえながら小走りする志鬼を、あゆらはあきれたように言いながら見送ると、もう一度美鈴の墓前に向き直った。
あゆらは変わらず、望星高校に通っている。
幸蔵と杏奈は離婚し、当然杏奈に引き取られたあゆらは、鈴子の近所に引っ越した。
杏奈は料理の資格を活かし、鈴子のお菓子屋で働いている。
裕福ではないが、穏やかな暮らしが訪れた。
学校でのあゆらに対する反応は様々だった。
悪を裁いた正義の人と取る者もいれば、身内を捨てた冷たい人と取る者もいた。
だがそんなこと、あゆらにはどうでもよかった。
志鬼が側にいるだけで、どこまでも強くなれた。
そんな二人は今、小高い丘に位置にする、美鈴の墓に来ていた。
「会いに来るのが遅くなってごめんなさいね、美鈴」
あゆらは墓前に花を供え、線香をつけると屈んで手を合わせた。
気づけば隣に立っていた志鬼も手を合わせており、あゆらはその姿に胸を打たれた。
志鬼にとっては会ったこともない相手なのに、自分の気持ちを共有してくれるようで、あゆらは嬉しかったのだ。
この戦いは自分たちだけのものではなかったと、二人は思っていた。
美鈴、あるいは清志郎も――
幾人もの犠牲の上に、ようやく勝ち取った結果だった。
「私もいつか、優介くんに会いに行きたいわ」
「……そう、やなあ、だいぶ先になるとは思うけど」
「なぜ? 別に私はすぐにでも」
「……あー、しょんべん漏れそうやから便所行くわ」
「ちょっと、言い方を考えなさいよ」
ふざけるように股を押さえながら小走りする志鬼を、あゆらはあきれたように言いながら見送ると、もう一度美鈴の墓前に向き直った。
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