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第三章、汚れた大人たち
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「私が着る服なのだからほどこしではないと思うのだけれど……まあ、いいわ。そう言うなら今度お返しに、何かお料理でも持って来るわね。たまにお母様の料理教室を手伝っているから多少の自信はあるのよ」
「えっ!? ほんまに? めっちゃ嬉しい!」
「何かリクエストがあれば聞くけれど」
「鮭のおにぎり」
「簡単ね!」
見た目に似合わない素朴な好物に、あゆらは思わず声を出して笑った。
――が、次の瞬間、志鬼がシャツを脱ぎ出したので固まってしまう。
「な、な、何してるのよ!?」
「いや、この制服やと目立つから私服に着替えてから買い物行こかと思って」
冷静に返す志鬼に、あゆらは意識していた自分が急に恥ずかしくなってしまった。
そもそも志鬼は制服のシャツを脱いだだけで黒の長袖インナーは着たままである。
それでもその下にある逞しい肉体を想像すると、あゆらの顔は熱くなった。
「あ、そ、そうなの、そうよね」
恥ずかしそうにしながらもついチラチラと見てしまうあゆら。その視線を感じた志鬼は押し入れに置いた私服選びを中断し、あゆらに振り向いた。
「気になる? 俺の身体」
「え!? あ、い、いえ、そういうわけじゃ」
「見る? ……刺青、嫌やなかったらやけど」
志鬼は、気遣うような優しい目であゆらにそう問いかけた。
「……嫌だなんて、考えてもみなかったわ」
すぐに返ってきた素直な答えに、志鬼は一瞬目を大きくすると、少し照れくさそうに頭を掻いた。
「えっ!? ほんまに? めっちゃ嬉しい!」
「何かリクエストがあれば聞くけれど」
「鮭のおにぎり」
「簡単ね!」
見た目に似合わない素朴な好物に、あゆらは思わず声を出して笑った。
――が、次の瞬間、志鬼がシャツを脱ぎ出したので固まってしまう。
「な、な、何してるのよ!?」
「いや、この制服やと目立つから私服に着替えてから買い物行こかと思って」
冷静に返す志鬼に、あゆらは意識していた自分が急に恥ずかしくなってしまった。
そもそも志鬼は制服のシャツを脱いだだけで黒の長袖インナーは着たままである。
それでもその下にある逞しい肉体を想像すると、あゆらの顔は熱くなった。
「あ、そ、そうなの、そうよね」
恥ずかしそうにしながらもついチラチラと見てしまうあゆら。その視線を感じた志鬼は押し入れに置いた私服選びを中断し、あゆらに振り向いた。
「気になる? 俺の身体」
「え!? あ、い、いえ、そういうわけじゃ」
「見る? ……刺青、嫌やなかったらやけど」
志鬼は、気遣うような優しい目であゆらにそう問いかけた。
「……嫌だなんて、考えてもみなかったわ」
すぐに返ってきた素直な答えに、志鬼は一瞬目を大きくすると、少し照れくさそうに頭を掻いた。
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