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第二章、騎士と王子
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「気強そうで美人なとこ」
「それは褒めているの、それとも貶しているの」
「褒めてるに決まってるやん、初デート記念に受け取って」
「……ま、まあ、せっかくだし、もらってあげてもいいわよ」
白い頬を桃色に染めながら大事そうにぬいぐるみを抱くあゆら。素っ気ないふりをしても嬉しさが滲み出ていた。
「え、何、そんなに嬉しかった? びっくりするくらい可愛い顔してるけど、どうしよ」
「ハ!? そ、そんなこと誰にでも言ってるんじゃないでしょうね」
「言うわけないやん……あ~」
上流階級だというのに自分が獲ったたった数百円のぬいぐるみを喜んでくれたあゆらを見て、志鬼は感激のあまりソワソワし始めた。
「……お手手繋いだらあかん?」
「――えっ!?」
「ええやん、指一本だけで我慢するから、触りたい繋ぎたい!」
駄々っ子のように食い下がりながら両手を合わせてお願いする志鬼に、あゆらはあきれたように微笑しながら右手を出した。
「……いいわよ、それくらい」
「やった! あゆらめっちゃ好き! また一緒に遊んでな!」
あゆらは、暗い背景をもろともしない志鬼の明るさと逞しさに胸を攫われる。
志鬼は、気位の高さと純粋さを併せ持つ友人思いの優しいあゆらを守りたいと誓う。
身分は違えど、強く惹かれる二人の思いは掌とともに重なり合っていた。
「それは褒めているの、それとも貶しているの」
「褒めてるに決まってるやん、初デート記念に受け取って」
「……ま、まあ、せっかくだし、もらってあげてもいいわよ」
白い頬を桃色に染めながら大事そうにぬいぐるみを抱くあゆら。素っ気ないふりをしても嬉しさが滲み出ていた。
「え、何、そんなに嬉しかった? びっくりするくらい可愛い顔してるけど、どうしよ」
「ハ!? そ、そんなこと誰にでも言ってるんじゃないでしょうね」
「言うわけないやん……あ~」
上流階級だというのに自分が獲ったたった数百円のぬいぐるみを喜んでくれたあゆらを見て、志鬼は感激のあまりソワソワし始めた。
「……お手手繋いだらあかん?」
「――えっ!?」
「ええやん、指一本だけで我慢するから、触りたい繋ぎたい!」
駄々っ子のように食い下がりながら両手を合わせてお願いする志鬼に、あゆらはあきれたように微笑しながら右手を出した。
「……いいわよ、それくらい」
「やった! あゆらめっちゃ好き! また一緒に遊んでな!」
あゆらは、暗い背景をもろともしない志鬼の明るさと逞しさに胸を攫われる。
志鬼は、気位の高さと純粋さを併せ持つ友人思いの優しいあゆらを守りたいと誓う。
身分は違えど、強く惹かれる二人の思いは掌とともに重なり合っていた。
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