金色の庭を越えて。

碧野葉菜

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第二章、騎士と王子

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「嫌だ、私ったらつい大きな声を……」
「ええやん、上品にするような場所でもないやろ」
「そ、それもそうね」 
「ほな次は~」
「ねえねえ、志鬼、あれは何? あれは? それはこれは?」
「あれは出てきたワニ叩くやつで、隣のがバスケットボール入れるゲームで」
「私それしてみたいわ! あっちのも面白そう!」

 初めてゲームセンターに来たあゆらにとっては、目に映るものすべてが珍しく、興味深かった。
 庶民の遊び場など居心地が悪いだろうかと少し心配しながら誘った志鬼は、好奇心いっぱいに瞳を輝かせ楽しむあゆらを見て、連れて来てよかったと安堵した。
 名門の制服を着た清楚な少女と、金髪の不良少年が一緒にいる様は奇妙ではあったが、意外にも不似合いではなかった。

「ねえねえ、志鬼、射撃のゲームが気になるわ、自分でするのは怖いけれど、見てみたい」
「なんぼでも見せたるからそれもっとして!!」
「はあ?」

 シャツの袖を遠慮がちに引っ張りながらねだるように名を呼ぶ、あゆらの“ねえねえ攻撃”に一足先に胸を撃ち抜かれた志鬼。
 その後、やけに張りきった志鬼の射撃の腕は超一流で、ゲームセンターに来ていた他の客たちの注目の的となった。

「す、すごいわ志鬼、どうしてそんなに上手なの!?」
「そりゃ本物撃ちまくってるからな」

 それを耳にした周りの客たちは青い顔をして、そそくさと志鬼たちから離れて行った。
 あゆらはと言うと、銃を構える志鬼の姿があまりに様になっていたため、変に納得してしまった。
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