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第一章、発端
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翌朝、あゆらが学校の正門を通り抜けると、何やら校内が異様な空気に包まれているのを感じた。
目についたのは、出入り口付近に停まっているパトカー。そして救急車。
あゆらはひどく胸騒ぎがして、人が集まっていく方向に急いで駆けつけた。
体育館の前でざわつく生徒たちを制するように、教師たちが声がけをしている。
あゆらは全身が心臓になったかのように、嫌な音が脈打つのを感じた。
「あっ、あゆらさん!」
すでに人だかりの中にいたみどりと京子に呼ばれたあゆらは、急ぎ二人の元へ寄った。
「これは一体、なんの、騒ぎ……?」
「生徒が亡くなったようですわ」
「自殺かもしれないって、まだいろんな話が飛び交っていて、何が本当かわかりませんが」
その言葉を聞いたあゆらは、頭で考えるよりも先に身体が反応していた。
みどりと京子が止めるのも聞かず、人並みを掻き分け強引に体育館の中へ入った。
するとそこに、青いビニールシートをかけられた担架を見つけた。
汗が滴る。嫌な予感だけが駆け巡る。
「ちょっと、きみ、入られては困るよ」
「あ、あのっ、誰、誰ですか、それは、私の、私の親友じゃ、ない、ですよね……!?」
前のめりになるあゆらの腕を掴み動きを制していた警官が、彼女の様子を見て他の警官に声をかけた。
「親しい間柄のようです、少しだけ顔を」
「……ショックを受けると思うけど、大丈夫かい?」
警官に促され、あゆらは担架の前に来た。
僅かに捲られたシートから覗いたのは、蝋のように青白くなった美鈴だった。
目についたのは、出入り口付近に停まっているパトカー。そして救急車。
あゆらはひどく胸騒ぎがして、人が集まっていく方向に急いで駆けつけた。
体育館の前でざわつく生徒たちを制するように、教師たちが声がけをしている。
あゆらは全身が心臓になったかのように、嫌な音が脈打つのを感じた。
「あっ、あゆらさん!」
すでに人だかりの中にいたみどりと京子に呼ばれたあゆらは、急ぎ二人の元へ寄った。
「これは一体、なんの、騒ぎ……?」
「生徒が亡くなったようですわ」
「自殺かもしれないって、まだいろんな話が飛び交っていて、何が本当かわかりませんが」
その言葉を聞いたあゆらは、頭で考えるよりも先に身体が反応していた。
みどりと京子が止めるのも聞かず、人並みを掻き分け強引に体育館の中へ入った。
するとそこに、青いビニールシートをかけられた担架を見つけた。
汗が滴る。嫌な予感だけが駆け巡る。
「ちょっと、きみ、入られては困るよ」
「あ、あのっ、誰、誰ですか、それは、私の、私の親友じゃ、ない、ですよね……!?」
前のめりになるあゆらの腕を掴み動きを制していた警官が、彼女の様子を見て他の警官に声をかけた。
「親しい間柄のようです、少しだけ顔を」
「……ショックを受けると思うけど、大丈夫かい?」
警官に促され、あゆらは担架の前に来た。
僅かに捲られたシートから覗いたのは、蝋のように青白くなった美鈴だった。
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