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お礼
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「いいよ、贈り物だなんて。わざわざ休んで会いに来てくれたんだから」
言葉はなくても、通じ合っているようだ。
私のような人間には聞こえないだけかもしれないけれど。
「……お二人は、人の姿にはなられない、んですか?」
素朴な疑問を投げかけてみると、牛坐さんの肩に乗った子々子ちゃんが口を開いた。
「……牛坐、今、完全な獣の姿になれるでちか?」
「……いや、もうなり方を忘れたな。リラックスできる格好は干支それぞれということだ」
つまり、竜と蛇のカップルはこの獣百パーセントの姿がしっくりくると。
それなら、猫宮さんはどうなのだろう――。
店主としてではなく、本当を知りたい。全部を知りたい。
そう願った相手は、目の前に伸ばされた竜の頭を穏やかに撫でていた。
言葉はなくても、通じ合っているようだ。
私のような人間には聞こえないだけかもしれないけれど。
「……お二人は、人の姿にはなられない、んですか?」
素朴な疑問を投げかけてみると、牛坐さんの肩に乗った子々子ちゃんが口を開いた。
「……牛坐、今、完全な獣の姿になれるでちか?」
「……いや、もうなり方を忘れたな。リラックスできる格好は干支それぞれということだ」
つまり、竜と蛇のカップルはこの獣百パーセントの姿がしっくりくると。
それなら、猫宮さんはどうなのだろう――。
店主としてではなく、本当を知りたい。全部を知りたい。
そう願った相手は、目の前に伸ばされた竜の頭を穏やかに撫でていた。
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