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お礼
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「……猫様は、あまりにみんなに優しいのデ、いろんな人に好かれるのでス」
「そう、でしょうね」
「だから寄ってくる者どもを、威嚇していたら……」
白鳥さんは「うっうっ」と再び涙で目をにじませ、「わっ」と両手で顔を覆った。
「い、いつからか、お店に行けなくなってしまって……!」
脳内に記憶の一部が蘇る。
前に猫宮さんが言っていた。
『来られて困るような人はそもそも招かないし、出禁にすることもできるしね』
あの穏やかな猫宮さんが拒絶するなんて、どんな輩だろうと思ったけれど……まさか十二支の一人だったとは。
「ワタシはこんなにも猫様を想って、猫様のためにしていたのニ……!」
それは完全にストーカー心理ではなかろうか。
恋愛経験ゼロの私でもわかる。
つまり最初は他の十二支たちと同じように店に行けていたのに、他のお客様のご迷惑に当たるので出禁を食らっているということか。
それだけ聞くと、白鳥さんの思い込みの激しさだけが目立つけれど……そもそもどうして、猫宮さんを好きになったのだろう。私はそれが気になった。
「……猫宮さんのどんなとこを好きになったんですか?」
私の質問に顔を上げた白鳥さんは、少し間を置いてから口を開いた。
「……鳥って、仲間はずれなんでス」
彼女の言葉を元に、十二支の動物たちを思い浮かべる。
頭の中で並べた順番に読み上げていくと、次第に白鳥さんが言った意味が見えてきた。
十二支はほとんどが哺乳類だ。巳年の蛇は爬虫類だが、辰年の竜と似ている。
鳥類は完全に酉年の鶏だけなのだ。
「そう、でしょうね」
「だから寄ってくる者どもを、威嚇していたら……」
白鳥さんは「うっうっ」と再び涙で目をにじませ、「わっ」と両手で顔を覆った。
「い、いつからか、お店に行けなくなってしまって……!」
脳内に記憶の一部が蘇る。
前に猫宮さんが言っていた。
『来られて困るような人はそもそも招かないし、出禁にすることもできるしね』
あの穏やかな猫宮さんが拒絶するなんて、どんな輩だろうと思ったけれど……まさか十二支の一人だったとは。
「ワタシはこんなにも猫様を想って、猫様のためにしていたのニ……!」
それは完全にストーカー心理ではなかろうか。
恋愛経験ゼロの私でもわかる。
つまり最初は他の十二支たちと同じように店に行けていたのに、他のお客様のご迷惑に当たるので出禁を食らっているということか。
それだけ聞くと、白鳥さんの思い込みの激しさだけが目立つけれど……そもそもどうして、猫宮さんを好きになったのだろう。私はそれが気になった。
「……猫宮さんのどんなとこを好きになったんですか?」
私の質問に顔を上げた白鳥さんは、少し間を置いてから口を開いた。
「……鳥って、仲間はずれなんでス」
彼女の言葉を元に、十二支の動物たちを思い浮かべる。
頭の中で並べた順番に読み上げていくと、次第に白鳥さんが言った意味が見えてきた。
十二支はほとんどが哺乳類だ。巳年の蛇は爬虫類だが、辰年の竜と似ている。
鳥類は完全に酉年の鶏だけなのだ。
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