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白昼の衝撃

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「どうぞ、いくらでも。ちづちゃんがいる間は他の奴らは入らせないから」
「もしかして、牛坐さんたちがいなくなったのって」
「僕が外の世界に帰したんだよ。まあ、追い払った、とも言うね」

 悪びれるでもなくあっさりと答える猫宮さん。
 なんていいタイミングで消えたのかと思えば、猫宮さんの仕業だったようだ。
 そのおかげで私は存分に泣けた。たぶん、他の人たちがいたらこれほど素直に話もできていなかっただろう。
 それを見越した上での、猫宮さんの配慮だったわけだ。牛坐さんたちには悪い気もするけれど。

「すごいですね、それも猫宮さんの力ですか?」
「そうだよ。来られて困るような人はそもそも招かないし、出禁にすることもできるしね」

 ここに来るのは心の迷い子。
 でも、それだけではないらしい。
 猫宮さんなりの基準を設けた人選もあるようだ。
 こんな穏やかな空間で、出禁なんて、どんな迷惑行為をすればそんなことになるのか。私には想像もつかなかった。

「……自分の気持ちで、こんな素敵な世界が作れるなんて、本当すごい」
「……そうかなぁ? 僕は箱の中身を作っただけだから大したことないんだけど」

 猫宮さんは人差し指で頬を掻いて、少し照れくさそうだった。
 さっき牛坐さんから聞いた事実を述べても、当然のように受け答えをする。ここが猫宮さんの領域である証だ。仮に十二支たちが内緒話をしても、すべて丸わかりなのだろう。
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