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奇妙な仲間たち

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「……未國さん、お客様がお呼びデス」

 先ほど受付で立っていた、話し方のぎこちない社員だ。
 他に来客があったことを知らせに来たらしい。
 未國さんは「ああ、わかった」と言うと、ツノを消し去りながら私を横切った。
 獣の姿を見られても落ち着き払った様子に、二人の共通点が確かになる。
 未國さんのあとに続いて部屋を出ると、ドアの傍らで手足を揃えて待機している彼女の前に立った。ヒールを履いてちょうど私と同じ目線になる。
 ものは試しだ。
 そう思った私は白鳥さんのまん丸い鳥目を動じず見据えた。

「あの……」
「なんでスカ?」
「せめて……六時にしていただけないでしょうか?」

 数秒、静けさが流れる。
 相変わらず張り付けた笑顔の彼女は、ようやく目元の筋肉を緩めたかと思うとこう答えた。

「じゃあ、真ん中デ」
 
 夜遅くまで資格の勉強や仕事の復習、予習をしている私にとって早朝五時の目覚ましは辛い。
 これで多少、マシになればいいのだけれど。
 仕事内容とは特に関係ないことを考えながら、深々と頭を下げると踵を返す。

「どうか迷える仔羊の、道標となりますよう」

 見送る未國さんの言葉の意図を、この時の私はまだ知る由もなかった。
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