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やってみなくちゃ始まりません。
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しばし無言で微動だにしないまま、時が過ぎてゆく。
次第に息を詰めるように「うう、うむ」と、苦しげな声を漏らしながら青い顔をして額に汗をにじませる夢穂。
「なんだ、便所か?」
「違うわよ!」
一気に現実に引き戻された夢穂は、隣にいる影雪に食いかかる勢いで怒った。
それから全身の力を抜くように、俯いて長いため息を吐いた。
「やっぱり無理だった」
「何がだ?」
「ご祈祷をしようと思ったんだけど……影雪は見たことあるでしょ、私のご祈祷するところ」
夢穂は額に浮かぶ汗を、手の甲で拭った。
たった数分でも、これだけ精神力を使う。
「ああ、あの術のような」
「そう、眠りを司ってる場所であれができたら、一気に解決できると思ったんだけど……ダメだった」
業華が危惧していた通り、夢穂の眠りの巫女の能力はあくまで人間の世界の話で、こちらでは発動できないようだ。
とはいえ、そんなことでへこたれる夢穂ではない。
そもそもそんなに簡単に行かないことは、最初から織り込み済みだ。
ご祈祷がダメだった場合のことは、すでに考えて来ていた。
「よーし、こうなればあれをするしかないわ」
「よくそんなに次から次へと案が浮かぶものだな」
影雪は未だ希望に満ち溢れた夢穂を、感心するように眺めていた。
「どこかに薬草って生えてないかな? 別に色や形はなんでもいいんだけど」
それを聞いた影雪は、次の夢穂の計画を汲み取った。
「匂い袋を作る気か?」
「そうよ」
眠りを根底から回復させるような大きな技は使えなくても、香りで応急処置は可能かもしれない、と夢穂は考えていた。
「だがそれも、ちゃんと作用するかわからないぞ?」
「できないかもしれないけど、できるかもしれないじゃない、迷ってる暇があるならチャレンジしなきゃ」
握り拳を掲げてみせる夢穂に圧倒され、影雪もわかった、と頷いた。
次第に息を詰めるように「うう、うむ」と、苦しげな声を漏らしながら青い顔をして額に汗をにじませる夢穂。
「なんだ、便所か?」
「違うわよ!」
一気に現実に引き戻された夢穂は、隣にいる影雪に食いかかる勢いで怒った。
それから全身の力を抜くように、俯いて長いため息を吐いた。
「やっぱり無理だった」
「何がだ?」
「ご祈祷をしようと思ったんだけど……影雪は見たことあるでしょ、私のご祈祷するところ」
夢穂は額に浮かぶ汗を、手の甲で拭った。
たった数分でも、これだけ精神力を使う。
「ああ、あの術のような」
「そう、眠りを司ってる場所であれができたら、一気に解決できると思ったんだけど……ダメだった」
業華が危惧していた通り、夢穂の眠りの巫女の能力はあくまで人間の世界の話で、こちらでは発動できないようだ。
とはいえ、そんなことでへこたれる夢穂ではない。
そもそもそんなに簡単に行かないことは、最初から織り込み済みだ。
ご祈祷がダメだった場合のことは、すでに考えて来ていた。
「よーし、こうなればあれをするしかないわ」
「よくそんなに次から次へと案が浮かぶものだな」
影雪は未だ希望に満ち溢れた夢穂を、感心するように眺めていた。
「どこかに薬草って生えてないかな? 別に色や形はなんでもいいんだけど」
それを聞いた影雪は、次の夢穂の計画を汲み取った。
「匂い袋を作る気か?」
「そうよ」
眠りを根底から回復させるような大きな技は使えなくても、香りで応急処置は可能かもしれない、と夢穂は考えていた。
「だがそれも、ちゃんと作用するかわからないぞ?」
「できないかもしれないけど、できるかもしれないじゃない、迷ってる暇があるならチャレンジしなきゃ」
握り拳を掲げてみせる夢穂に圧倒され、影雪もわかった、と頷いた。
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