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なんだかんだ、仲良くなります。
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愛妻弁当ならぬ、愛兄弁当を革の手提げカバンに詰め込むと、急いでねずみ色の鳥居をくぐる。
一時間に一本しかバスの来ない田舎道では、一分家を出るのが遅れても大変だ。
乗り遅れたからといって次のを待っていては大遅刻、かといって走っていけるような距離でもない。
廃線にならないのが不思議なくらいのバス停は、いつもがらんとしている。待ち人がいなければ停車せずに通過してしまうのもバスの困ったところだ。
夢穂は額に汗をにじませながら、息を弾ませ坂道を下る。
寺社と繋がった石階段から、澄んだ川の流れる渓谷、森林や山を背景に、吊り橋を抜けようやく開けた道路に出る。
するとすでにバスが停まっているのが見え、焦ってさらに猛ダッシュした。
「乗ります!」と張り上げた声が聞こえたかはわからないが、とりあえず間に合った夢穂はなんとかバスに乗ることができた。
乗車客はまだ一人もいない。
「おはよう、夢穂ちゃん」
運転席から顔を覗かせ声をかけてきた小太りの中年男性に、夢穂はほっとしたような笑顔を見せた。
「ありがとう、おじさん」
「どういたしまして、大事なお客さんだからねぇ」
夢穂はここに来てから、学校に行く時も遊びに出かける時もずっとこのバスを使っている。
特に平日の通学時間に、このバス停を使うのは夢穂しかいないので、バスの運転手とすっかり顔馴染みになった。
そのおかげで待ち人がいなくても、夢穂のために少しの時間停車してくれていたらしい。
「この間もらったあれ、すごくよかったよ、おかげで寝つきがよくてね」
運転手はアクセルを踏むと、機嫌よさそうに話した。
「本当ですか? それは何よりです」
一番前の席に座った夢穂は、ゆっくりと進むバスに揺られながら答えた。
「いやぁ、さすが眠りの巫女さんだねぇ」
癒枕寺神社は別名、眠り寺神社とも呼ばれている。そこで唯一の常駐巫女である夢穂は、眠りの巫女として周りに知られていた。
一時間に一本しかバスの来ない田舎道では、一分家を出るのが遅れても大変だ。
乗り遅れたからといって次のを待っていては大遅刻、かといって走っていけるような距離でもない。
廃線にならないのが不思議なくらいのバス停は、いつもがらんとしている。待ち人がいなければ停車せずに通過してしまうのもバスの困ったところだ。
夢穂は額に汗をにじませながら、息を弾ませ坂道を下る。
寺社と繋がった石階段から、澄んだ川の流れる渓谷、森林や山を背景に、吊り橋を抜けようやく開けた道路に出る。
するとすでにバスが停まっているのが見え、焦ってさらに猛ダッシュした。
「乗ります!」と張り上げた声が聞こえたかはわからないが、とりあえず間に合った夢穂はなんとかバスに乗ることができた。
乗車客はまだ一人もいない。
「おはよう、夢穂ちゃん」
運転席から顔を覗かせ声をかけてきた小太りの中年男性に、夢穂はほっとしたような笑顔を見せた。
「ありがとう、おじさん」
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特に平日の通学時間に、このバス停を使うのは夢穂しかいないので、バスの運転手とすっかり顔馴染みになった。
そのおかげで待ち人がいなくても、夢穂のために少しの時間停車してくれていたらしい。
「この間もらったあれ、すごくよかったよ、おかげで寝つきがよくてね」
運転手はアクセルを踏むと、機嫌よさそうに話した。
「本当ですか? それは何よりです」
一番前の席に座った夢穂は、ゆっくりと進むバスに揺られながら答えた。
「いやぁ、さすが眠りの巫女さんだねぇ」
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