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紆余曲折2
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「ふふふ~ん、掃除は簡単デスネ。綺麗になれば正解デース」
クロエ・シンクレアの陽気な鼻歌は、サビリ公国のものでしょうか?
あまり聴いたことがないリズムで、独特のものがありますね。
テーブルを拭き終わったと思えば、今度は窓枠の掃除ですか……。
順番がバラバラですね。
綺麗になれば正解というのは、正しいようで正しくないのですが。
本当にメイド歴一年あるのか甚だ疑問です。
「これはミスターバーン、巡回ご苦労デース」
「元気があっていいですね」
「わたくしは元気だけが取り柄なのデース!」
元気なのは結構ですが、それを活かせばもっと多岐にわたって仕事ができると思うのですが。
彼女ほど積極的ならば、他に仕事を覚えればメイド長も可能でしょう。
「ミスターバーン、そこの脚立を持ってきてくだサーイ!」
壁際に置かれた木製のアレですね。
ここには高窓があるわけでもありませんし、何に使うというのでしょう。
「それは構いませんが、これをどうするのです?」
「シャンデリアの掃除デスヨー。見てくだサイ。明かりにムラがありますネー」
言われてみれば感じる程度で、掃除する必要はまだないように思うのですが。
「言い忘れていたのですが、掃除は高所から順番にするものですよ。シャンデリアを掃除するのなら一番最初にしなくてはいけません。宙に舞ったホコリがせっかく掃除した窓やテーブルに落ちますから」
「次からはそうするネ! 今は窓を開けておくからダイジョウブヨ!」
そういう問題ではないのですが……って言うことを聞き入れそうにないですね。
もう脚立に足をかけ始めてますし。
「ミスターバーン、脚立を支えておいてほしいデース」
「――まあそれくらいならいいですが」
「ありがとーございマース!」
彼女が一歩登るたびにミシミシ軋む脚立は、相当年季が入っているらしい。
これは買い替えたほうがいいかもしれません。
「椅子にハタキを忘れたのデース! 取ってくださると助かりマス!」
「これですね、あまり手間を……」
私の顔のステップに彼女の足がある、ということは――――。
彼女は十八歳とありましたが、少々過激で高価な下着を着けていますね。
人間ではない私は何も感じませんが、これは無防備すぎな部分を直してもらわないと。
「クロエ・シンクレア、私も男なのですよ。あまりそういう姿勢で見せられても困るのですよ」
顔が赤くなったということは、わざと見せたわけではなさそうですね。
痴女でなかったことは僥倖と言わざるを得ません。
メイドに痴女がいたとなれば、新たな問題に発展するところでしたから。
「ミスターバーンはスケベェなのデース! でも許してあげマスネ」
しっかりスカートを押さえてガードするところは褒めてあげましょう。
開き直られたら叱るところでしたが、問題はないようでホッとしました。
脚立は常に支えておかなくてはいけないほど不安定ではないようですし、私は少し離れたところから見学しておくほうが無難ですね。
頭にホコリを被らなくて済みそうですし。
パンパンと小気味よくはたき始めましたが、少し雑ではありますね。
手慣れているとは言い難く、どこかで覚えたものを見様見真似でやっているようにしか見えません。
あんなに加減なくはたいてしまえば、繊細なシャンデリアが――――。
――――――――ガッシャーーーンッ――――――――――
「オゥーノー……失敗してしまいましたネ。これではクビになってしまいマース……」
ここまで見事に予想通りにするとは、ある意味凄い。
ガラスのシャンデリアが床で粉々になり、見るも無惨な姿になってしまいました……。
おそらく彼女の給金一年分でどうにかなるか、といったところでしょうか。
しかしながら、これを彼女一人のせいにするのは酷というもの。
私も見ていて続行させたわけですから、少なからず私にも責任が生ずるでしょう。
「この結果は注意を促さなかった私の責任でもあります。クビになんてさせませんよ」
「本当なのデスカ! でもシャリアさまに見つかれば、ミスターバーンが責任を負わされるのデス!」
「私も無策というわけではありませんよ。物置に同じものを見かけましたから、今から交換すれば大丈夫でしょう。あなたにはその間、この部屋に誰も入れさせないようにお願いします」
「オー、それはよかったデース! 二人だけの秘密……一蓮托生というものですネ?」
「変わった言葉を知っているのですね」
「エマに教えてもらったデスネ! もう親友デスネ」
「仲が良いのはいいことです。それでは後片付けは私がしておくので、部屋を出ていっていただけますか?」
これ以上彼女にここにいられては、直せるものも直せない。
普通に考えれば、このレベルのシャンデリアの予備を保管しておくことなどあるわけがありません。
どうみても特注で一点ものなのですから。
それがただの世間知らずなのか、所謂天然という人種によるものなのか。
「了解なのデース! シャンデリアはミスターバーンにお願いしマース」
部屋から出ていく時も騒々しいですね。
あれも個性でしょうし、私は尊重しておきますが。
「では、早速修復しましょうか。――時限逆戻魔法!」
粉々に割れたガラスが青い光を帯び、ゆっくり元の形に戻ってゆく光景は実いつ見ても神秘以外に言葉が見つかりません。
瞬時に戻すことも可能ですが、その場合異音が発生することがあるのが玉に瑕ですね。
時間に余裕がある今は、その危険を犯す必要はないでしょう。
「あとは元に戻ったシャンデリアを再設置すればいいだけですね」
こうして体を動かして仕事をすることは、人間の物真似でしかないかもしれません。
遅く、不効率極まりない仕事。
だからこそ、これこそが人間という生き物を理解するうえで必要なものなのだと実感できます。
「ロイド・バーン、何をしているの?」
シャリア・ブラックストンですか。
雇われたばかりのメイドの力では、彼女を止めることはできなかったということでしょう。
まあこれも計算になかったわけではありません。
次からはしっかり止めてもらえればいいのですから。
「これはシャリア様、些細なことですのでお気になさらず。シャンデリアが曇っていましたので、取り外して清掃していたに過ぎません。気付いたのはクロエ・シンクレアですが、彼女では取り外すことも難しいようでしたの、私が引き受けていたのです」
「そこまで細かいところまでしなくていいのに。一年に一度で十分よ」
「今回は初めてということで、彼女の提言を尊重させたまでですので、次からはそうさせましょう。」
「彼女は見かけによらず気が利くのね。頼もしいわ」
それだけ言うと、シャリア・ブラックストンは車椅子を器用に回転させて出ていきましたか。
一体何の用事でここへやってきたのやら。
もしかすると、私も仕事ぶりを監視されているのかもしれませんね。
採用されたとはいえ、彼女が私を警戒しているのはひしひしと感じますから。
以前の執事の裏切りというものが、彼女を相当警戒させているようです。
「人間とは面倒臭いものなのですね……」
執事として信用されるためには、彼女のわだかまりを解消させるよう努めるべきなのでしょうが、私は執事を通して得られる感情があるのか、それにしか興味はありませんし。
「放置一択ですね」
私の仕事はメイドが信用できるかどうか確認したうえ、仕事ができる人物に育てあげること。
そして、シャリア・ブラックストンの命を守り抜くというもの。
関係性の改善は含まれてはいないのですから。
「オー! もう戻っているデスカー! ミスターバーンは優秀なのデース!」
「戻ってくるのが早いですよ。できればシャリア様を引き止めていてくれたほうがありがたかったんですがね」
全て魔法で終わらせなくて正解でしたね。
これで本当に交換したという事実が発生したでしょう。
「それは無理でしたネー! シャリアさまには一切口出しできまセンヨ。メイドは雇い主の娘には意見を言うことはダメデース!」
どこでそんな知識を入れたのやら。
雇い主の娘であろうとメイドは毅然とした態度で接するもの、それが私が知っているメイドの基本行動なのですが。
それは執事である私も同じであって、意見してはいけないなどということを受け入れるつもりはありません。
奴隷ではないのですから……。
もしや、そういう劣悪な環境で働いていたのでしょうか?
掃除の基本も教わっていなかったと思えるほどでしたし、これは少し探る必要があるようですね。
もし彼女が経験があるなどと嘘をついていたとすれば、ここへ何をしにやってきたのか、そちらも問題になるでしょうし。
「何も問題がないことを祈って探るしかありませんね」
魔法で操って喋らせる方法もなくはないですが、強い意志があれば抗えてしまえるうえ、その場合低確率で精神崩壊を起こしてしまい使い物にならなくなってしまいますから。 それ以前に、家族になるかもしれない者に対し、そういう魔法を使うのは私の主義から外れますしね。
「あとはシャーロット・エインズワースですね。彼女は明日にしましょう」
クロエ・シンクレアの陽気な鼻歌は、サビリ公国のものでしょうか?
あまり聴いたことがないリズムで、独特のものがありますね。
テーブルを拭き終わったと思えば、今度は窓枠の掃除ですか……。
順番がバラバラですね。
綺麗になれば正解というのは、正しいようで正しくないのですが。
本当にメイド歴一年あるのか甚だ疑問です。
「これはミスターバーン、巡回ご苦労デース」
「元気があっていいですね」
「わたくしは元気だけが取り柄なのデース!」
元気なのは結構ですが、それを活かせばもっと多岐にわたって仕事ができると思うのですが。
彼女ほど積極的ならば、他に仕事を覚えればメイド長も可能でしょう。
「ミスターバーン、そこの脚立を持ってきてくだサーイ!」
壁際に置かれた木製のアレですね。
ここには高窓があるわけでもありませんし、何に使うというのでしょう。
「それは構いませんが、これをどうするのです?」
「シャンデリアの掃除デスヨー。見てくだサイ。明かりにムラがありますネー」
言われてみれば感じる程度で、掃除する必要はまだないように思うのですが。
「言い忘れていたのですが、掃除は高所から順番にするものですよ。シャンデリアを掃除するのなら一番最初にしなくてはいけません。宙に舞ったホコリがせっかく掃除した窓やテーブルに落ちますから」
「次からはそうするネ! 今は窓を開けておくからダイジョウブヨ!」
そういう問題ではないのですが……って言うことを聞き入れそうにないですね。
もう脚立に足をかけ始めてますし。
「ミスターバーン、脚立を支えておいてほしいデース」
「――まあそれくらいならいいですが」
「ありがとーございマース!」
彼女が一歩登るたびにミシミシ軋む脚立は、相当年季が入っているらしい。
これは買い替えたほうがいいかもしれません。
「椅子にハタキを忘れたのデース! 取ってくださると助かりマス!」
「これですね、あまり手間を……」
私の顔のステップに彼女の足がある、ということは――――。
彼女は十八歳とありましたが、少々過激で高価な下着を着けていますね。
人間ではない私は何も感じませんが、これは無防備すぎな部分を直してもらわないと。
「クロエ・シンクレア、私も男なのですよ。あまりそういう姿勢で見せられても困るのですよ」
顔が赤くなったということは、わざと見せたわけではなさそうですね。
痴女でなかったことは僥倖と言わざるを得ません。
メイドに痴女がいたとなれば、新たな問題に発展するところでしたから。
「ミスターバーンはスケベェなのデース! でも許してあげマスネ」
しっかりスカートを押さえてガードするところは褒めてあげましょう。
開き直られたら叱るところでしたが、問題はないようでホッとしました。
脚立は常に支えておかなくてはいけないほど不安定ではないようですし、私は少し離れたところから見学しておくほうが無難ですね。
頭にホコリを被らなくて済みそうですし。
パンパンと小気味よくはたき始めましたが、少し雑ではありますね。
手慣れているとは言い難く、どこかで覚えたものを見様見真似でやっているようにしか見えません。
あんなに加減なくはたいてしまえば、繊細なシャンデリアが――――。
――――――――ガッシャーーーンッ――――――――――
「オゥーノー……失敗してしまいましたネ。これではクビになってしまいマース……」
ここまで見事に予想通りにするとは、ある意味凄い。
ガラスのシャンデリアが床で粉々になり、見るも無惨な姿になってしまいました……。
おそらく彼女の給金一年分でどうにかなるか、といったところでしょうか。
しかしながら、これを彼女一人のせいにするのは酷というもの。
私も見ていて続行させたわけですから、少なからず私にも責任が生ずるでしょう。
「この結果は注意を促さなかった私の責任でもあります。クビになんてさせませんよ」
「本当なのデスカ! でもシャリアさまに見つかれば、ミスターバーンが責任を負わされるのデス!」
「私も無策というわけではありませんよ。物置に同じものを見かけましたから、今から交換すれば大丈夫でしょう。あなたにはその間、この部屋に誰も入れさせないようにお願いします」
「オー、それはよかったデース! 二人だけの秘密……一蓮托生というものですネ?」
「変わった言葉を知っているのですね」
「エマに教えてもらったデスネ! もう親友デスネ」
「仲が良いのはいいことです。それでは後片付けは私がしておくので、部屋を出ていっていただけますか?」
これ以上彼女にここにいられては、直せるものも直せない。
普通に考えれば、このレベルのシャンデリアの予備を保管しておくことなどあるわけがありません。
どうみても特注で一点ものなのですから。
それがただの世間知らずなのか、所謂天然という人種によるものなのか。
「了解なのデース! シャンデリアはミスターバーンにお願いしマース」
部屋から出ていく時も騒々しいですね。
あれも個性でしょうし、私は尊重しておきますが。
「では、早速修復しましょうか。――時限逆戻魔法!」
粉々に割れたガラスが青い光を帯び、ゆっくり元の形に戻ってゆく光景は実いつ見ても神秘以外に言葉が見つかりません。
瞬時に戻すことも可能ですが、その場合異音が発生することがあるのが玉に瑕ですね。
時間に余裕がある今は、その危険を犯す必要はないでしょう。
「あとは元に戻ったシャンデリアを再設置すればいいだけですね」
こうして体を動かして仕事をすることは、人間の物真似でしかないかもしれません。
遅く、不効率極まりない仕事。
だからこそ、これこそが人間という生き物を理解するうえで必要なものなのだと実感できます。
「ロイド・バーン、何をしているの?」
シャリア・ブラックストンですか。
雇われたばかりのメイドの力では、彼女を止めることはできなかったということでしょう。
まあこれも計算になかったわけではありません。
次からはしっかり止めてもらえればいいのですから。
「これはシャリア様、些細なことですのでお気になさらず。シャンデリアが曇っていましたので、取り外して清掃していたに過ぎません。気付いたのはクロエ・シンクレアですが、彼女では取り外すことも難しいようでしたの、私が引き受けていたのです」
「そこまで細かいところまでしなくていいのに。一年に一度で十分よ」
「今回は初めてということで、彼女の提言を尊重させたまでですので、次からはそうさせましょう。」
「彼女は見かけによらず気が利くのね。頼もしいわ」
それだけ言うと、シャリア・ブラックストンは車椅子を器用に回転させて出ていきましたか。
一体何の用事でここへやってきたのやら。
もしかすると、私も仕事ぶりを監視されているのかもしれませんね。
採用されたとはいえ、彼女が私を警戒しているのはひしひしと感じますから。
以前の執事の裏切りというものが、彼女を相当警戒させているようです。
「人間とは面倒臭いものなのですね……」
執事として信用されるためには、彼女のわだかまりを解消させるよう努めるべきなのでしょうが、私は執事を通して得られる感情があるのか、それにしか興味はありませんし。
「放置一択ですね」
私の仕事はメイドが信用できるかどうか確認したうえ、仕事ができる人物に育てあげること。
そして、シャリア・ブラックストンの命を守り抜くというもの。
関係性の改善は含まれてはいないのですから。
「オー! もう戻っているデスカー! ミスターバーンは優秀なのデース!」
「戻ってくるのが早いですよ。できればシャリア様を引き止めていてくれたほうがありがたかったんですがね」
全て魔法で終わらせなくて正解でしたね。
これで本当に交換したという事実が発生したでしょう。
「それは無理でしたネー! シャリアさまには一切口出しできまセンヨ。メイドは雇い主の娘には意見を言うことはダメデース!」
どこでそんな知識を入れたのやら。
雇い主の娘であろうとメイドは毅然とした態度で接するもの、それが私が知っているメイドの基本行動なのですが。
それは執事である私も同じであって、意見してはいけないなどということを受け入れるつもりはありません。
奴隷ではないのですから……。
もしや、そういう劣悪な環境で働いていたのでしょうか?
掃除の基本も教わっていなかったと思えるほどでしたし、これは少し探る必要があるようですね。
もし彼女が経験があるなどと嘘をついていたとすれば、ここへ何をしにやってきたのか、そちらも問題になるでしょうし。
「何も問題がないことを祈って探るしかありませんね」
魔法で操って喋らせる方法もなくはないですが、強い意志があれば抗えてしまえるうえ、その場合低確率で精神崩壊を起こしてしまい使い物にならなくなってしまいますから。 それ以前に、家族になるかもしれない者に対し、そういう魔法を使うのは私の主義から外れますしね。
「あとはシャーロット・エインズワースですね。彼女は明日にしましょう」
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