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6.朝のコーヒーは間違いない
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チュンチュン
朝、外でスズメが数匹でさえずっている。
俺はリクのベッドでリクの腕にホールドされたまま目が覚めた。
昨夜、俺はリクに大事な所を食いちぎられることは無かったが、初めてのフェラチオの体験が、居候先の、高校時代の同級生で、しかも男。
・・・男。
いや、普通に気持ちよかったですけれども。
初めはツンツンと舌先で先端をノックされたり、裏スジ舐めあげられたり、まとわりつく感じも力加減が丁度良くて、口全体で吸い上げられた時は俺も呆気なくイッちゃったし、そう、リクの口の中に。
リクもリクで口の中のそれを見せつけるし、ゴックンするし、しかもその後「おいし。」とか言っちゃうのがなんかエロくてヤバかったけど、相手は男だ、高校の時の同級生でしかも酔っ払い!しっかりしろ!俺!
って言うか、リクはなんか慣れてるっぽかったけど、リクはもしかして男が好き?
彼女の話は聞かないし、こっちから降っても「女は面倒」っていつも言ってた。
・・・そうか、やっぱりそっちの道だったのかも。
そうだよな、そもそもこんなハイスペックで俺より高給取りで笑顔が爽やかなリクに彼女が出来ないわけが無いんだ、でも彼女が居ないってことは元々女に興味がなかった訳で、俺がずっと居候してるから恋人が居なくて、お酒飲んでムラムラして普段なら見向きもしない俺で発散したと。
そういう訳だったんだな。
そっか、リクが全然嫌な顔しないから正直新居探しても居なかったけど、リクの健全な恋人ライフのために早く新居探さないとな。
俺のハジメテだったけど、俺がずっと居座っちゃったのが原因だからな、きちんと水に流してやるぜ。
偏見もしないぜ、一定数居るもんな、たまたま好きになる相手が同性ってだけだもんな。
「ん、んぅ。」
リクの声が聞こえて、俺の腹に回ってる腕がぎゅうっと引き寄せるように力が入る。
ケモ耳も尻尾も伸びをするみたいにピーンとしている。
リク、起きたのかな?
「ん゙~、頭゙痛゙ぇ゙。」
朝一番の声はおじさんだな。
しょうがない俺らももう巷で流行りのアラサーだ。
「二日酔いだ。お水持ってきてやっからちょっと腕外せ。」
ペシペシとリクの腕を叩くと拘束が緩まったので、ササッとベッドから降りて冷蔵庫からペットボトルの水を取り出す。
自分用にコーヒーもちゃっかり準備する。
「ほらよっ。」
左手に持ったペットボトルを投げて渡す。
「サンキュ、ごくごく、ぷはぁー。」
水を飲んで、声が幾分かマシになったな。
それにしても相変わらず酒弱いなぁ。何でも出来るリクの弱点だよな。
「えーと、なんでルカは一緒に寝てた?」
良かった、昨夜の記憶は無いようだ。
じゃぁ俺も無かったことにするし、それが1番平和だ。
心做しか、リクのケモ耳も尻尾もソワソワして落ち着かない気がする。
「あ?お前が酔って俺の事離さなかったんだろ。」
嘘は言ってない。
昨日あの後、リクは俺の事を離さなかったんだ。湯船も結局一緒に入って、風呂出た後も「一緒に寝る」って聞かなくて結局一緒に寝た。
コーヒーを一口飲む。
うん、落ち着く良い香り。
俺は墓穴を掘らないように、気を引き締めてリクに応対する。
「そうだっけか?」
「そお前が俺を恋人かなにかと勘違いして”一緒に寝る”って聞かないから、だから一緒に寝た。」
「え、俺恋人居ないよ?」
「そうなの?」
じゃぁ、昨夜のあれはただの欲求不満なんだな。
恋人居ないなら新居探しは急がなくてもいいか。
「え?で、ルカは俺と一緒に寝てくれたの?」
「そうだけど?お前酔ってんのに力強ぇんだよ。全然解けなくてよ。」
「え?え?本当に?」
「あー、コーヒーうま。」
俺はあえて話題を逸らす。
「待ってよ、それでルカはさぁ、」
「ん~?」
なんだかリクのケモ耳がしゅんと下を向いている、尻尾もベッドにペチョンと垂れている。
「あのさ、俺の事嫌いになった?」
ケモ耳もしっぽもペシャンと力が無くなって、ベッドに腰掛けたまま俺を上目遣いで見遣るリクはどことなく可愛い。
違う、ケモ耳と尻尾が俺を惑わしてるだけ。
俺は敢えて平静を装って答えた。
「え、なんで?」
ただ、そう答えただけなのに、何故かリクのケモ耳と尻尾が『嬉しいです!』と表現するようにピーンと立ち上がった。
え、なんで?
「ルカっ!」
「ちょわっ、コーヒー零れる!!」
突然リクが抱き着いてきた。
コップの半分程まで飲んでたコーヒーが危うく零れるところだった。
「はぁー、セーフ。」
「ごめんごめん、つい。」
ついってなんだよ、ついって。
尻尾、激振りじゃねぇか。
何がそんなにテンション上がったんだ?
んーと、会話の流れから考えるに、恋人の男が好きなルカが、俺、男と一緒に寝てたから久しぶりの出来事にテンション上がったと。
んで、俺はノンケだけど、別にルカの事が嫌いになってないと。
あれ、そういえば俺勝手にリクが男好きって結論出してるけど、本人に確認するべきが一番じゃない?
俺はコップに残ってたコーヒーを一気に煽ってリクに尋ねる。
「あー、コーヒーうま。ところでりくさんや。」
「ん?」
尻尾激振りなのはクゥみたいに可愛くて良いんだが、お前ちゃっかりスリスリ匂いつけしてね?
「リクって女じゃなくて男が好きなの?」
一瞬俺の顔を見て固まったリクは尻尾を左右にゆっくり振り、振り、してから意を決したように口を開いた。
「男というより、ルカが好き。俺が好きなのは、ルカ、お前。」
「へぇ?」
リクが控えめに尻尾を振り振りしている。
うーん、可愛いな。
そっか、リクが好きなのは男で間違ってないんだけど、その中でも俺が好きなのかぁ、へぇ。
「・・・うん?」
朝、外でスズメが数匹でさえずっている。
俺はリクのベッドでリクの腕にホールドされたまま目が覚めた。
昨夜、俺はリクに大事な所を食いちぎられることは無かったが、初めてのフェラチオの体験が、居候先の、高校時代の同級生で、しかも男。
・・・男。
いや、普通に気持ちよかったですけれども。
初めはツンツンと舌先で先端をノックされたり、裏スジ舐めあげられたり、まとわりつく感じも力加減が丁度良くて、口全体で吸い上げられた時は俺も呆気なくイッちゃったし、そう、リクの口の中に。
リクもリクで口の中のそれを見せつけるし、ゴックンするし、しかもその後「おいし。」とか言っちゃうのがなんかエロくてヤバかったけど、相手は男だ、高校の時の同級生でしかも酔っ払い!しっかりしろ!俺!
って言うか、リクはなんか慣れてるっぽかったけど、リクはもしかして男が好き?
彼女の話は聞かないし、こっちから降っても「女は面倒」っていつも言ってた。
・・・そうか、やっぱりそっちの道だったのかも。
そうだよな、そもそもこんなハイスペックで俺より高給取りで笑顔が爽やかなリクに彼女が出来ないわけが無いんだ、でも彼女が居ないってことは元々女に興味がなかった訳で、俺がずっと居候してるから恋人が居なくて、お酒飲んでムラムラして普段なら見向きもしない俺で発散したと。
そういう訳だったんだな。
そっか、リクが全然嫌な顔しないから正直新居探しても居なかったけど、リクの健全な恋人ライフのために早く新居探さないとな。
俺のハジメテだったけど、俺がずっと居座っちゃったのが原因だからな、きちんと水に流してやるぜ。
偏見もしないぜ、一定数居るもんな、たまたま好きになる相手が同性ってだけだもんな。
「ん、んぅ。」
リクの声が聞こえて、俺の腹に回ってる腕がぎゅうっと引き寄せるように力が入る。
ケモ耳も尻尾も伸びをするみたいにピーンとしている。
リク、起きたのかな?
「ん゙~、頭゙痛゙ぇ゙。」
朝一番の声はおじさんだな。
しょうがない俺らももう巷で流行りのアラサーだ。
「二日酔いだ。お水持ってきてやっからちょっと腕外せ。」
ペシペシとリクの腕を叩くと拘束が緩まったので、ササッとベッドから降りて冷蔵庫からペットボトルの水を取り出す。
自分用にコーヒーもちゃっかり準備する。
「ほらよっ。」
左手に持ったペットボトルを投げて渡す。
「サンキュ、ごくごく、ぷはぁー。」
水を飲んで、声が幾分かマシになったな。
それにしても相変わらず酒弱いなぁ。何でも出来るリクの弱点だよな。
「えーと、なんでルカは一緒に寝てた?」
良かった、昨夜の記憶は無いようだ。
じゃぁ俺も無かったことにするし、それが1番平和だ。
心做しか、リクのケモ耳も尻尾もソワソワして落ち着かない気がする。
「あ?お前が酔って俺の事離さなかったんだろ。」
嘘は言ってない。
昨日あの後、リクは俺の事を離さなかったんだ。湯船も結局一緒に入って、風呂出た後も「一緒に寝る」って聞かなくて結局一緒に寝た。
コーヒーを一口飲む。
うん、落ち着く良い香り。
俺は墓穴を掘らないように、気を引き締めてリクに応対する。
「そうだっけか?」
「そお前が俺を恋人かなにかと勘違いして”一緒に寝る”って聞かないから、だから一緒に寝た。」
「え、俺恋人居ないよ?」
「そうなの?」
じゃぁ、昨夜のあれはただの欲求不満なんだな。
恋人居ないなら新居探しは急がなくてもいいか。
「え?で、ルカは俺と一緒に寝てくれたの?」
「そうだけど?お前酔ってんのに力強ぇんだよ。全然解けなくてよ。」
「え?え?本当に?」
「あー、コーヒーうま。」
俺はあえて話題を逸らす。
「待ってよ、それでルカはさぁ、」
「ん~?」
なんだかリクのケモ耳がしゅんと下を向いている、尻尾もベッドにペチョンと垂れている。
「あのさ、俺の事嫌いになった?」
ケモ耳もしっぽもペシャンと力が無くなって、ベッドに腰掛けたまま俺を上目遣いで見遣るリクはどことなく可愛い。
違う、ケモ耳と尻尾が俺を惑わしてるだけ。
俺は敢えて平静を装って答えた。
「え、なんで?」
ただ、そう答えただけなのに、何故かリクのケモ耳と尻尾が『嬉しいです!』と表現するようにピーンと立ち上がった。
え、なんで?
「ルカっ!」
「ちょわっ、コーヒー零れる!!」
突然リクが抱き着いてきた。
コップの半分程まで飲んでたコーヒーが危うく零れるところだった。
「はぁー、セーフ。」
「ごめんごめん、つい。」
ついってなんだよ、ついって。
尻尾、激振りじゃねぇか。
何がそんなにテンション上がったんだ?
んーと、会話の流れから考えるに、恋人の男が好きなルカが、俺、男と一緒に寝てたから久しぶりの出来事にテンション上がったと。
んで、俺はノンケだけど、別にルカの事が嫌いになってないと。
あれ、そういえば俺勝手にリクが男好きって結論出してるけど、本人に確認するべきが一番じゃない?
俺はコップに残ってたコーヒーを一気に煽ってリクに尋ねる。
「あー、コーヒーうま。ところでりくさんや。」
「ん?」
尻尾激振りなのはクゥみたいに可愛くて良いんだが、お前ちゃっかりスリスリ匂いつけしてね?
「リクって女じゃなくて男が好きなの?」
一瞬俺の顔を見て固まったリクは尻尾を左右にゆっくり振り、振り、してから意を決したように口を開いた。
「男というより、ルカが好き。俺が好きなのは、ルカ、お前。」
「へぇ?」
リクが控えめに尻尾を振り振りしている。
うーん、可愛いな。
そっか、リクが好きなのは男で間違ってないんだけど、その中でも俺が好きなのかぁ、へぇ。
「・・・うん?」
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