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20.真っ直ぐになるのはいつ頃じゃのぅ?
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むぅ、次男の嫁、キーリー君に嫌われてしもうた。
ちょっとおふざけに力を入れすぎたかの。
まさかあそこまで尻尾を丸められるとは思わなんだ。
声をかけるのもちと憚られたので、飯でも食ったら落ち着くかの、と思ったらそうでも無かったしの。
キーリー君、あまりのビビり様にご飯半分位しか食べれてなかったのぅ。すまないことをしてしもうた。
昼食の後には2人に怒られるし、あー、参った参った。
オリヴィアさんには「センシティブな耳の事を持ち出すなんて非常識ですわ!」なんて言われてしもうたし、いや儂も耳の事は口にした途端に失敗したと思ったのだよ。後の祭りではあるがな。
いやいやでもなぁ、公表せずブレアとずっと領内に閉じこもってる訳にもいかんしな、貴族界では当たり前のように言われると思うしなぁ、早めに慣れさせておくべきだとも思うんじゃよ。
そしたら長男のウィリアムにも「やり方があるだろうが」と苦言を呈されてしもうた。
ブレアに至っては何も言わずただ睨まれたの。こいつが一番怖いのぅ。
キーリー君はその後も食事には出て来てくれるが儂にビビっているのがもろ分かりじゃ。自分でしでかしたことじゃが不憫でならないのぅ。食事量もガッツリ減ってしまったようじゃし、儂、そんなに怖かったかの?
3日目ともなると料理長からも苦言が呈された。
なんと。キーリー君は体力を付ける為に食事量を増やしていたところじゃったとは。確かにキーリー君は細いからのぅ。もっと肉を付けた方が良いと儂も思うぞ。
ああ、儂の所為で食べられなくなったから料理長から苦言を呈されたんじゃった。
これは一刻も早くキーリー君に謝らなくてはのぅ。
しかし、食事時以外は一向にキーリー君に会えない。避けられているの~とは思ったがそれが徹底的すぎての。キーリー君の姿を見かけて追いかけては見たものの会えず、出入口が1箇所しかない絶対に鉢合わせするじゃろう庭園に入ったのを見かけて後を追うても会えんかった。
庭師のヒルズにも「徹底的に避けられてますね。ここまで逃げられるのも凄いですよね。」と言われてしもうたしのぅ。
流石にここまで避けられると爺は悲しいのぅ。
いや大変なのはご飯が食べられなくなったキーリー君の方じゃな。
あれからオリヴィアさんにも毎食後に苦言を呈されるしの。ウィリアムの嫁はしっかりしとるの。うむ、良い事じゃ。
2人には儂の所為でキーリー君とまともにお話出来ないとも言われてしもぅたし、なんとかせねばとは常々思っているのだよ。ブレアとは最低限の会話しか出来なくなってしまったしのう。
ただのぅ、ここまで邸内で会えないとなるとのぅ。
もう腹を括って皆の前で食事時を狙って謝るしか無さそうだの。
ウィリアムとオリヴィアさんには「やっと素直に謝る気になったのか」と「遅すぎますわ」と言われてしもぅた。儂もちょっと時間が経ってしまったと反省はしておる。
さてどの様に謝るかの。あれは冗談じゃてへぺろ☆なんてやったらブレアに殺されかねんなぁ。
最近ではウィリアムもオリヴィアさんも儂への態度が冷たいし、ブレアはもう氷山の如し、というような対応しかされてないからの。
ここは誠実に謝るしか無いのぅ。
キーリー君がブレアと一緒に食堂に入ってきて直ぐ、儂は床に手をついて謝った。
「キーリー君すまない!本当に申し訳なく思っている!」
そう、心を込めて誠実に謝ったんじゃが、キーリー君は尻尾を丸めてブレアに飛び付いてしまった。
え、儂謝っただけじゃよ?
どうしたら謝っただけでそんなにビビるんじゃ?
「で?」
ブレア?「で?」ってどういう事じゃ?
儂のポカンとした顔を見てブレアは眉間に皺を寄せてキーリー君の頭を撫でた。「キーリー、許さなくていいぞ」と言いながら。
え?何で?儂きちんと謝ったじゃないか。
ブレアの視線がめちゃくちゃ痛い、うむ。
「キーリー君、あれは、その、ちょっとしたおふざけと言うかの、キーリー君とは仲良くしたいと思っていてのぅ。あー、あんなに怖がられるとは思っていなくて、そのぅ、許しては頂けんかの?」
ちらっとキーリー君を伺うとビクッと肩が上がった。
儂めちゃくちゃビビられてるの。
「そのぅ、キーリー君とは仲良くしたいと思っているのじゃが~。」
「あっはい。」
あっはいって何じゃ?まだ尻尾は丸まってブレアにしがみついとるのぅ。
「じゃあ食事の後に一緒にお茶でもどうかのぅ?」
「えっ、」
許して貰えた訳では無いらしいのぅ。
「俺たちはまだ仕事が残ってる。昼食後も仕事だ。」
「なんと!キーリー君はブレアの仕事を手伝っておるのか!凄いのぅ、偉いのぅ!そういえば計算が得意だと聞いていたのぅ。」
「あっはい。」
むぅ、また、あっはいじゃ。
「あ、ああのっ、お仕事、15時には終わる予定なので、そそ、その後なら、大丈夫、です。」
めっちゃ目が泳いでるし、吃っておるし、尻尾は丸まったままじゃがのぅ、キーリー君から誘ってくれたんじゃ。断る訳にはいかないのぅ。
「そうか!ではその頃呼びに行くわい!」
「私も同席する。」
ブレア、君はキーリー君の保護者かの?
「私も宜しいかしら?」
「オリヴィアさんも是非にじゃ。」
オリヴィアさんが居れば失態を犯してもフォローして貰えるからの。
「よ、よろしくお願いします。」
オリヴィアさんのお陰かキーリー君の尻尾の丸まりが少し治まったかの。
ちょっとおふざけに力を入れすぎたかの。
まさかあそこまで尻尾を丸められるとは思わなんだ。
声をかけるのもちと憚られたので、飯でも食ったら落ち着くかの、と思ったらそうでも無かったしの。
キーリー君、あまりのビビり様にご飯半分位しか食べれてなかったのぅ。すまないことをしてしもうた。
昼食の後には2人に怒られるし、あー、参った参った。
オリヴィアさんには「センシティブな耳の事を持ち出すなんて非常識ですわ!」なんて言われてしもうたし、いや儂も耳の事は口にした途端に失敗したと思ったのだよ。後の祭りではあるがな。
いやいやでもなぁ、公表せずブレアとずっと領内に閉じこもってる訳にもいかんしな、貴族界では当たり前のように言われると思うしなぁ、早めに慣れさせておくべきだとも思うんじゃよ。
そしたら長男のウィリアムにも「やり方があるだろうが」と苦言を呈されてしもうた。
ブレアに至っては何も言わずただ睨まれたの。こいつが一番怖いのぅ。
キーリー君はその後も食事には出て来てくれるが儂にビビっているのがもろ分かりじゃ。自分でしでかしたことじゃが不憫でならないのぅ。食事量もガッツリ減ってしまったようじゃし、儂、そんなに怖かったかの?
3日目ともなると料理長からも苦言が呈された。
なんと。キーリー君は体力を付ける為に食事量を増やしていたところじゃったとは。確かにキーリー君は細いからのぅ。もっと肉を付けた方が良いと儂も思うぞ。
ああ、儂の所為で食べられなくなったから料理長から苦言を呈されたんじゃった。
これは一刻も早くキーリー君に謝らなくてはのぅ。
しかし、食事時以外は一向にキーリー君に会えない。避けられているの~とは思ったがそれが徹底的すぎての。キーリー君の姿を見かけて追いかけては見たものの会えず、出入口が1箇所しかない絶対に鉢合わせするじゃろう庭園に入ったのを見かけて後を追うても会えんかった。
庭師のヒルズにも「徹底的に避けられてますね。ここまで逃げられるのも凄いですよね。」と言われてしもうたしのぅ。
流石にここまで避けられると爺は悲しいのぅ。
いや大変なのはご飯が食べられなくなったキーリー君の方じゃな。
あれからオリヴィアさんにも毎食後に苦言を呈されるしの。ウィリアムの嫁はしっかりしとるの。うむ、良い事じゃ。
2人には儂の所為でキーリー君とまともにお話出来ないとも言われてしもぅたし、なんとかせねばとは常々思っているのだよ。ブレアとは最低限の会話しか出来なくなってしまったしのう。
ただのぅ、ここまで邸内で会えないとなるとのぅ。
もう腹を括って皆の前で食事時を狙って謝るしか無さそうだの。
ウィリアムとオリヴィアさんには「やっと素直に謝る気になったのか」と「遅すぎますわ」と言われてしもぅた。儂もちょっと時間が経ってしまったと反省はしておる。
さてどの様に謝るかの。あれは冗談じゃてへぺろ☆なんてやったらブレアに殺されかねんなぁ。
最近ではウィリアムもオリヴィアさんも儂への態度が冷たいし、ブレアはもう氷山の如し、というような対応しかされてないからの。
ここは誠実に謝るしか無いのぅ。
キーリー君がブレアと一緒に食堂に入ってきて直ぐ、儂は床に手をついて謝った。
「キーリー君すまない!本当に申し訳なく思っている!」
そう、心を込めて誠実に謝ったんじゃが、キーリー君は尻尾を丸めてブレアに飛び付いてしまった。
え、儂謝っただけじゃよ?
どうしたら謝っただけでそんなにビビるんじゃ?
「で?」
ブレア?「で?」ってどういう事じゃ?
儂のポカンとした顔を見てブレアは眉間に皺を寄せてキーリー君の頭を撫でた。「キーリー、許さなくていいぞ」と言いながら。
え?何で?儂きちんと謝ったじゃないか。
ブレアの視線がめちゃくちゃ痛い、うむ。
「キーリー君、あれは、その、ちょっとしたおふざけと言うかの、キーリー君とは仲良くしたいと思っていてのぅ。あー、あんなに怖がられるとは思っていなくて、そのぅ、許しては頂けんかの?」
ちらっとキーリー君を伺うとビクッと肩が上がった。
儂めちゃくちゃビビられてるの。
「そのぅ、キーリー君とは仲良くしたいと思っているのじゃが~。」
「あっはい。」
あっはいって何じゃ?まだ尻尾は丸まってブレアにしがみついとるのぅ。
「じゃあ食事の後に一緒にお茶でもどうかのぅ?」
「えっ、」
許して貰えた訳では無いらしいのぅ。
「俺たちはまだ仕事が残ってる。昼食後も仕事だ。」
「なんと!キーリー君はブレアの仕事を手伝っておるのか!凄いのぅ、偉いのぅ!そういえば計算が得意だと聞いていたのぅ。」
「あっはい。」
むぅ、また、あっはいじゃ。
「あ、ああのっ、お仕事、15時には終わる予定なので、そそ、その後なら、大丈夫、です。」
めっちゃ目が泳いでるし、吃っておるし、尻尾は丸まったままじゃがのぅ、キーリー君から誘ってくれたんじゃ。断る訳にはいかないのぅ。
「そうか!ではその頃呼びに行くわい!」
「私も同席する。」
ブレア、君はキーリー君の保護者かの?
「私も宜しいかしら?」
「オリヴィアさんも是非にじゃ。」
オリヴィアさんが居れば失態を犯してもフォローして貰えるからの。
「よ、よろしくお願いします。」
オリヴィアさんのお陰かキーリー君の尻尾の丸まりが少し治まったかの。
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