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11.気持ちいいの種類※

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お風呂は昨日初めて体験したけど、好き。

香りのいい石鹸でスッキリさっぱり体を洗って、その後は温かい湯船に浸かるのがじんわり気持ちいい。

だからお風呂は大好き。
でも、毎日ブレアと一緒だなんて聞いてない。
言われたかもしれないけど覚えてない。

ブレアはさも当然のように「その方が準備する方も片付ける方も楽だろう?」と言ってのけたのだ。
意外にも使用人ファーストに驚いた。





「ほら、そんなところに突っ立っていないでおいで。今日はよく動いたから汗を流して温まったら気持ちよく眠れるぞ。」

ブレアが洗い場から僕を呼ぶ。

服も脱いでしまった手前、いつまでも入口に突っ立っている訳には行かないので渋々ブレアのところに行く。

いやまぁ、ブレアと一緒に入るのが嫌なわけじゃないんだよ。
ただ今日は馬車の中で沢山触れられてムズムズドキドキしちゃったのがまだ抜けてなくて、兎に角今の僕はブレアに触れられるとまたムズムズドキドキしちゃうからダメなんだよ。

「さてじゃぁ頭から洗おうか。」

「いい!いい!今日は自分で全部やる!大丈夫!」

昨日みたいにイスに座らせてシャンプーを手にするブレアに必死に抵抗をすると、嬉しそうな顔が一瞬でシュンと沈む。

その表情に心が痛むが、今の僕はブレアに触れられたら何だかとんでもない事になっちゃいそうで、怖くて譲れない。僕の体はブレアの所為で大変なんだから!と心を鬼にして続ける。

「お互いにそれぞれ洗った方が早く済むでしょ?湯船には一緒に浸かるんだから、早く洗って入ろうよ。」

ん?自分で言って気がついたけど、そっかー湯船には一緒に入るしか無いよね?1つの湯船に時間をずらしてそれぞれ入るのはおかしいよね?ということは結局ブレアと触れ合いが発生するって事じゃない!?

態度には極力出さず心の中であわあわと焦っていると、浴室内にブレアの気落ちした声が響いた。

「私には洗わせてくれないのか。」

いつも自信いっぱいで元気な耳と尻尾がシュンと垂れ下がっている姿に心がきゅぅうんと締め付けられる。

な、なんだろうこの気持ち。

「そ、そんな事ないよ!昨日、ブレアに洗ってもらった時は凄い気持ちよかったし、ただ、今日はその、えと、ちょっと体調があんまり良くないかもしれなくて、」

「何っ!?熱でもあるのか!?」

「ちっ、違うの熱は無い!熱とかそういうんじゃなくてっ、っ!!」

なんだか恥ずかしくて正直に伝えられずに誤魔化したら、ブレアに物凄く心配されて途端に焦って言い訳しているうちに、おでこがコツンとブレアのそれと合わさって、一気に顔に熱が集まった。

顔が近いどころじゃない!!

「ふむ、熱は無さそうだ、な?顔がさっきより赤くないか?大丈夫か?」

心配そうに覗き込む顔に更に熱が集まってくる気がする。

体調は悪くないのに、僕の誤魔化そうと咄嗟に言った言葉に、とても心配されて心が痛む。

「ゔ、大丈夫。そういうのじゃなくて、えっと、その、ば、ばば、馬車でのそれが、その、」

心配しなくて大丈夫と伝えたくて、でも本当の事は恥ずかしくて言えなくて、ついどもってしまう。

けれどブレアは僕の発言に合点がいったみたいで、顔はにやにやしながらも目の奥は獲物を捉えたような、鋭い光が宿った感じに僕はただただ見惚れてしまった。

「そうかそうか。まだ私に触れられ慣れてないって事なんだな。」

そう言って、拒否る暇もなく座らされた僕にシャンプーをし始めたブレア。

目を瞑っただけなのに、何故か触れられた部分の感覚が、尾を引くというか耳や背中にピリッとした刺激が届くような不思議な感じがする。
特に耳の付け根を洗われた時なんかは、変な声が出てしまいそうで必死に耐えた。

決して嫌な感じでは無いんだ、ただそのちょっとブレアにだけ触れられると違うって言うか、過敏になっちゃうみたいな、その感じが気持ちいい様な違うような感じで不安な気持ちもちょっとあるんだ。

「じゃあ次は体だな。」

「うひゃっ、」

手にいっぱいの泡を乗せた両手が背中にピトッとくっつけられた瞬間、背中にぞわぞわっと何かが走った。何これ何これ僕こんなの知らない。

「体洗うの気持ちいいな?キーリー。」

「んっ、ぅん、気持ちいい。」

ブレアの大きな手が僕の背中を撫でながら聞いてくるのに、変な声が出そうになりながらも答える。

気持ちいい?気持ちいいけど、ゾワゾワってするのが、気持ちいいのかもしれなくなってきた、かも知れない。

背中を洗い終わった手が、今度はお腹の方に回って、胸の辺りを撫で回す。

「んにゃぁあっ!」

「ほら、ここも綺麗に洗わないとな?」

ブレアの指先が胸の突起に触れた瞬間体にビリビリっと電気が走って思わず声が出てしまう。

何今の!!!

「まま、待って、そこは大丈夫だから!」

必死に訴えても「そうかそうか、ここも触らないと慣れないからな」なんて言って一向に触るのを止めてくれない。

そのうちなんだか変な気分になって来て、僕の僕が違和感を覚え始めて見てみると、僕の僕は主張し始めていた。

待ってなんでどうして!?僕の僕が壊れちゃった??

「そうか、そうか、気持ちいいもんな?」

「ちっ、待っ、違っ!!」

ブレアが僕の僕に気づいて更に手の動きが加速する。

「ところで1つ確認したいのだが、精通はしてるよな?」

………はぁ!?
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