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2/22 ネコの日SS『俺だってケモ耳と尻尾が欲しい』

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ある日、目が覚めたら体に違和感があった。

んぅぅ?何?頭の上とお尻の上の方がなんか変。
痒い?のとは違うなぁ、ん?

俺は頭に手を伸ばしたらなんかふわっとした変なのに触れた。

「え?え?嘘っ!?」

顔の横に両手を当てる。
いつものヒト耳が無い!
頭に両手を乗せる。
ケモ耳だ!ちゃんと触られてる感覚がある!!

ワクワクしてお尻を見る。

!!!!!尻尾ぉぉぉおおおお!!
うっわ、何これ何これ、神様からのプレゼント!?神様なんて信じてなかったけどこれからは機会があればお祈りします!ありがとうございます!!

俺のお尻の上からは黒いしっぽがひょろぉっと生えていた。猫みたいな短毛の犬に比べて細いやつ。右に曲げてみようと頑張ってみる。ん、んんん、ぉ、何となく分かってきたぞ。次は左に、上げて、下げて、、、うん。自由に動かせるぞ!

ベッドから飛び降りて、洗面所兼脱衣所にある姿見に自分の姿を写す。

頭に上には黒い三角のケモ耳。お尻からは黒い尻尾。

嘘みたい!本当に獣人になってる!

俺は騎士団の執務室に急いだ。

「レスト副団長!見て下さいっ!俺にケモ耳と尻尾が!!」
「おや、そうですか。ふむ、これはネコですね。良かったですね。」

やっぱりネコなんだ!どおりで体が軽いと思ったんだ!
その後も、リックにエディ、ミッキィ、ジェントルドを回って自慢していった。
みんなに「良かったですね」「おめでとうございます」と言われて俺のテンションは急上昇!

ルンルンで王宮に向かった。

「王子殿下!俺にもケモ耳と尻尾が生えました!!」

バァン!と扉を開けると同時に叫ぶ。
部屋には王子殿下とマシュー義兄様が居た。

「ほぅ、良かったな、ネコだな?」

そう言って俺の最高のケモ耳に手を伸ばして来た王子殿下をひょいっと避ける。

「誰が触らせてあげるか!い゙~っだ!」
「な゙っ!?」

王子殿下がピクピクとこめかみを震わせていたが気にしない!

「私には撫でさせて貰えるかい?」
「勿論ですとも!マシュー義兄様!」

俺はゴロゴロと喉を鳴らしてマシュー義兄様に飛びついて、たくさん頭を撫でてもらった。時折王子殿下にあっかんべーをしてやった。

それからお義父様とエイデン義兄様の職場へ行って、たくさん可愛い可愛い言ってもらった。

顎の下をこしょこしょされると気持ち良すぎて喉のゴロゴロが止められなくてやばかった!

城内警備をしていたクーグゥ義兄様にも自慢して、良かったなって言って貰えて、俺は家路に着く。

「イルっ!イルっ!見て見て!俺にもケモ耳と尻尾が生えたんだよ!」

俺は玄関扉を開けてキッチンに立っているイルに飛び付いた。

「あ、本当だ。おめでとう、ガイ。ずっと欲しがってたもんね?お揃いだね?」
「お揃い!?俺、ネコだけどイルとお揃い!?」
「ほら、三角だし、生えてる場所も同じだし、フサフサだし、おそろいでしょ?」
「本当だ!お揃いだ!イルすごい、大好き、大好き!」

俺は喉を目一杯ゴロゴロ鳴らしながら、抑えきれずにイルの胸元に頭をスリスリスリスリと擦り付けた。

「ふふふ、ガイに匂い付けされちゃった。幸せだなぁ。可愛い可愛い。ちゅっちゅ。」

そんな俺にイルはキスを降らせてくる。
イルの手が俺の耳をモミモミして、尻尾を撫でてから根元を揉んでくる。

俺は腰にじわじわと快感が生まれてきて、下半身をイルに押し付けた。

「イル、好き好きっ。大好きっ。えちえちしよ?いっぱいキスして、いっぱい俺の中に出して?」

んーっと背伸びしてイルの唇に俺の唇を重ねようとしたら、イルの手で俺の唇に待ったがかけられた。

「・・・?」

イルが俺の顔をじっと見つめて、口を開いた。

「ごめんねガイ。ネコとイヌじゃ魔力の相性が悪すぎるから、キスもえっちも出来ないんだよ。」

・・・え?

「だからごめんね。我慢できなくなったら手でやってあげるから、ね?」

・・・キスもえっちもこれから一生出来ないの?目の前に居るのに?大好きな人が目の前で手でしてくれるだけ?何で?

気がつけば俺の目からは涙がポロポロ流れていた。

「なんっ、イルが目の前に、いるのに?何で?何で?」

俺は悲しくてイルの胸で泣き付いてるのに、イルはただただ困った顔で俺の事を見るばかりで。

その時、頭の中にイルの声が響いた。

(ーガイ、・きて。なん・・いてるの?ほら、起きー。)

え?イルは目の前に居るよ?何今の?

その時突然肩が揺さぶられて、俺は目を覚ました。

「ガイ、良かった。ニコニコ笑って寝てたのに、突然俺の名前を呼んで泣き出すから心配したよ。」

あ、今の、夢?


俺はそっと頭に手を置いて、続いてお尻を確認した。

無い。ケモ耳も尻尾もない。ネコになってない!!

「イル!俺、獣人なら絶対イヌになる!イル、イル!イルと一緒のイヌ!イヌでお揃い!絶対!」

俺はイルに飛びついて胸元に頭を擦り付けて訴えた。
困惑気味のイルの声が返ってくる。

「?うん?そうだね、ガイも一緒のイヌ族になってくれると凄く嬉しいよ?」
「イルっ、好き、大好き!キスしよったくさん!明日休みだしいっぱいイチャイチャしてえちえちしよ?」

突然の俺からの誘いに困惑してたイルは「その次はお仕事だから響かない程度にね」と言いつつも、俺はたっぷりと大好きなイルに愛してもらって幸せな気持ちに浸った1日だった。
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