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第1章 不幸な片想い
雪side
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「雨なんて聞いてないよ……」
天気予報では晴れだったので傘を持たず買い物に出ていた。しかし帰り道の途中で突然雨が降りだしたのだ。とりあえず、重たい荷物を両手に家へと向けて走り出した。
……
「やっと着いた…」
家に着いたのはそれから5分後だった。普段は遠いと感じない距離なのだが、この雨のせいか遠く感じた。
スーパーからもそう遠くないこのアパートは少し古いが所々、リフォームや改造がされていて元の古さを感じさせていなかった。駅からも遠くはない。
アパートの階段を登り部屋に入ろうと思ったら、自分の部屋の前に何かがある。
近くに行ってみると、知らない人だった。
「大丈夫ですか?」
そう声をかけても返事がない。息はしてるので死んではいない事は確かだ。どうしようかと悩んでいると、その人が震えていたので額に手をあてるととても熱かった。
「っげ!スゴイ熱!大丈夫ですか?」
問いかけても「っ…」としか返って来なかったので、とりあえず部屋に入った。
……
部屋に入ってからは、買ってきた物をしまってから部屋着に着替えて、熱を出した人を布団に寝かした。
……よく見るとこの人、イケメンなんだよな…。
髪は黒く艶やかで肌も白く、その真っ赤な唇を引き立てている。多分二重なんだろう目は睫毛が長くまるでフランス人形みたい。
「羨ましいなぁ…」
俺が唯一出来るのは家事位だ。料理は元々好きだし、洗濯や掃除も嫌いじゃない。
(夕食の準備しようっと)
彼の寝てる自分の部屋から離れてキッチンで夕食を作る事にした。今日の夕食のは野菜炒めと炒飯と中華スープで基本的にすぐに出来る。時計を見ると8時だったので、急いで作った。一応彼の分も作っといてあげよう。
……
その後夕食を食べて、お風呂に入ってから、風呂上がりで暑い体を冷ますかのようにビールを煽った。
「くーーーっ!うっまい!」
やっぱり風呂上がりのビールは最高に美味しい。俺はこれでも一応成人はしているし、むしろそろそろ三十路近くになってきた。この身長と母譲りの童顔のせいでよく未成年に間違われる。
「……あのう…」
ハッとして声の方を見てみると、彼が立っていた。ビールに翻弄されすぎて気づかなかった。
「あの、熱は大丈夫ですか?」
「…はい。もう、大丈夫です…」
「ご飯少しでいいので食べますか?」
「……いただきます……」
俺は彼の分のご飯を温め直した。
「おいしいですか?」
恐る恐る聞いてみると
「…………」
無視されてしまった。という事は、美味しくなかったと
いう事なのか…。結構、炒飯とか自信あったんだけど
彼の口には合わなかったみたい…と落ち込んでいると
「…おいしいです」
彼が遅れて答えてくれた。
(なんか不思議な人だなぁ…)
その一言だけなのに、なぜがとても嬉しかった。
彼の顔を見ると、とても優しい笑顔をしていた。
(……っ)
胸がドキッと高鳴った。
(待て彼は男だぞ…)
「あ、ありがとうございます」
それからは無言でひたすら食べてくれた。
だか、気になる事が沢山ある。
名前、歳、どこの人なのか……。
聞けずにただ、彼の顔を見ていると
「なに?」と、声をかけられた。
「えっ?あ、いや…。名前とか歳とか分かんないなぁって思いまして」
「……」
「いや、無理しなくていいです!すいません」
天気予報では晴れだったので傘を持たず買い物に出ていた。しかし帰り道の途中で突然雨が降りだしたのだ。とりあえず、重たい荷物を両手に家へと向けて走り出した。
……
「やっと着いた…」
家に着いたのはそれから5分後だった。普段は遠いと感じない距離なのだが、この雨のせいか遠く感じた。
スーパーからもそう遠くないこのアパートは少し古いが所々、リフォームや改造がされていて元の古さを感じさせていなかった。駅からも遠くはない。
アパートの階段を登り部屋に入ろうと思ったら、自分の部屋の前に何かがある。
近くに行ってみると、知らない人だった。
「大丈夫ですか?」
そう声をかけても返事がない。息はしてるので死んではいない事は確かだ。どうしようかと悩んでいると、その人が震えていたので額に手をあてるととても熱かった。
「っげ!スゴイ熱!大丈夫ですか?」
問いかけても「っ…」としか返って来なかったので、とりあえず部屋に入った。
……
部屋に入ってからは、買ってきた物をしまってから部屋着に着替えて、熱を出した人を布団に寝かした。
……よく見るとこの人、イケメンなんだよな…。
髪は黒く艶やかで肌も白く、その真っ赤な唇を引き立てている。多分二重なんだろう目は睫毛が長くまるでフランス人形みたい。
「羨ましいなぁ…」
俺が唯一出来るのは家事位だ。料理は元々好きだし、洗濯や掃除も嫌いじゃない。
(夕食の準備しようっと)
彼の寝てる自分の部屋から離れてキッチンで夕食を作る事にした。今日の夕食のは野菜炒めと炒飯と中華スープで基本的にすぐに出来る。時計を見ると8時だったので、急いで作った。一応彼の分も作っといてあげよう。
……
その後夕食を食べて、お風呂に入ってから、風呂上がりで暑い体を冷ますかのようにビールを煽った。
「くーーーっ!うっまい!」
やっぱり風呂上がりのビールは最高に美味しい。俺はこれでも一応成人はしているし、むしろそろそろ三十路近くになってきた。この身長と母譲りの童顔のせいでよく未成年に間違われる。
「……あのう…」
ハッとして声の方を見てみると、彼が立っていた。ビールに翻弄されすぎて気づかなかった。
「あの、熱は大丈夫ですか?」
「…はい。もう、大丈夫です…」
「ご飯少しでいいので食べますか?」
「……いただきます……」
俺は彼の分のご飯を温め直した。
「おいしいですか?」
恐る恐る聞いてみると
「…………」
無視されてしまった。という事は、美味しくなかったと
いう事なのか…。結構、炒飯とか自信あったんだけど
彼の口には合わなかったみたい…と落ち込んでいると
「…おいしいです」
彼が遅れて答えてくれた。
(なんか不思議な人だなぁ…)
その一言だけなのに、なぜがとても嬉しかった。
彼の顔を見ると、とても優しい笑顔をしていた。
(……っ)
胸がドキッと高鳴った。
(待て彼は男だぞ…)
「あ、ありがとうございます」
それからは無言でひたすら食べてくれた。
だか、気になる事が沢山ある。
名前、歳、どこの人なのか……。
聞けずにただ、彼の顔を見ていると
「なに?」と、声をかけられた。
「えっ?あ、いや…。名前とか歳とか分かんないなぁって思いまして」
「……」
「いや、無理しなくていいです!すいません」
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