19 / 39
前編*ツアグとサーフィラ*18
しおりを挟む
<35>
一瞬より短い合間(あいま)に、ラントラファスはサーフィラの登場を
(なんというタイミングだ。素晴らしい。)
と思った。計画が、ここまでミス一つなく来たことに、我ながら驚いた。
目の前の状況を見たサーフィラは、瞬時に何が起きているのか知った。サーフィラの動きは、驚くほど素早かった。
ツアグは驚き、力を止めようとした。だが間に合わなかった。力は、ラントラファスをかばったサーフィラを直撃し、彼女を吹き飛ばした。
同時に、どこかで何かが割れた。音はしなかったが、世界の何かが割れたのが感じられた。
ツアグは、サーフィラの側(そば)に駆け寄った。
「サーフィラ!」
ツアグに抱(かか)えられ、サーフィラはうっすら目を開けた。そして虫の息の中、消えゆくような声で囁(ささや)いた。
「ごめんなさい…。私、彼を選んでしまいました…。いけなかったのでしょう…?」
「気にしなくていい。何も言わなくていい。」
「本当に…、あなたは…優しいのね…。温(あたた)かで…側(そば)に…いてくれて…。…ありがとう…ござい…ました…。」
「やめろ、サーフィラ。すぐに園(その)で手当てしてやるから、何もしゃべるな。」
サーフィラは力なく微笑み、小さく首を振った。力は、サーフィラの体内を無残(むざん)に破壊していた。サーフィラの時間は、既(すで)に残されていなかった。サーフィラから血の気が引いていく。命の火が消えようとしていた。
「…ごめん…なさい…。…私…あの子の所へ…行きます…。」
サーフィラは、最後に何か呟(つぶや)いた。別れの挨拶(あいさつ)だったのだろうか。ツアグには聞き取れなかった。サーフィラの体から力が抜け、彼女は逝(い)ってしまった。ツアグはサーフィラを抱きしめた。
確かに、周囲に決められた結婚だった。それにサーフィラは、ラントラファスに恋していた。だがそれでも、ツアグとサーフィラは心を寄せ合っていたのだ。
ツアグはラントラファスを見た。ラントラファスは、すでに異様な興奮状態から抜け出ていた。感情を失(な)くしたような顔で、こちらを見ている。ツアグは怒りを堪(こら)えて聞いた。
「そなたは成功したのか?何かが壊れていただろう?」
これに対し、ラントラファスは静かに答えた。それはエウデアトにとって残酷な答えだった。ラントラファスはその答えを、無表情な冷静さで告げた。
「ええ、計画通りに。完璧と言ってよいでしょう。ツアグ様が放ったお力でサーフィラ様が砕(くだ)かれた瞬間、サーフィラ様のお力が解放されました。そしてそのお力は、エウデアトの根幹の一部分(いちぶぶん)を砕(くだ)きました。まだ小さくひびが入っただけですが、時間が経てば確実にエウデアトを崩(くず)します。私は今回の計画をこの瞬間のために立て、長い年月をかけてまいりました。ツアグ様もサーフィラ様も、世界を揺るがせるほど傑出(けっしゅつ)した力をお持ちでしたから、お陰様で計画がうまく運びました、しかし私は、お二人の生涯を利用したことになります。それについては、深くお詫(わ)び申し上げます。」
ツアグが爆発した。
「ぬけぬけと何を言っている。何がお二人の生涯を利用した、だ。何がお詫び、だ。エウデアトを滅亡させるために、いとも容易(たやす)く私たちを利用したではないか。エウデアト全てが滅亡するのに、私とサーフィラだけが詫びられて喜ぶと思うか。」
ツアグは、ラントラファスから目を背(そむ)けて言った。
「ここから出ていけ。二度とその顔を見せるな。」
ラントラファスは一礼(いちれい)し、祭殿から出て行った。
ツアグはサーフィラの死に顔に目をやり、彼女の生涯を想った。また、エウデアトの過去と未来を想った。どうしようもなく涙がこみあげ、嗚咽(おえつ)が漏(も)れた。今なら誰にも見られない。ツアグは、腕の中のサーフィラの遺骸(いがい)に顔を埋(うず)め、泣いた。
その後、ツアグはサーフィラを花に変える儀式を行なった。他の花々と同様、サーフィラは可憐な花となり、川べりで柔らかな風に揺れた。
<36>
ラントラファスは、園(その)を歩きながら考えていた。
(あの時、ツアグは混沌と一体になっていた。ツアグは知らなかったかもしれないが、混沌の力を自在に操っていた。混沌はそれをお許しになった。混沌はツアグがお気に召したのだろうか?わからない。ツアグには、混沌の力をも自在に操れる能力がある。ツアグは自分の能力を、思う存分発揮していた。だがそれが、結果的にサーフィラを殺してしまった。)
皮肉だな、と思いかけて、ラントラファスは自嘲(じちょう)した。
(ツアグとサーフィラの力を利用したのは私だ。計画し実行したのは、私だ。
エウデアトの世界の根幹(こんかん)を砕(くだ)くこと。それが今回の計画だった。一度に全ては無理だが、一部でも砕ければ良かった。サーフィラの力なら、それができると思った。
サーフィラの力の多くは表に出ていなかったから、精神を世界に半分溶けた状態に持っていけば、サーフィラは力を発揮できるだろうと、私は踏(ふ)んだ。だから、私はサーフィラを世界に溶けさせるように、道筋を考えたのだ。ツアグとの結婚、私への恋、死産、全てがそのためのお膳立(ぜんだ)てだ。
ツアグも計画の一部だった。彼の衝撃波が私の命を危機にさらす時、サーフィラの力は最大限に発揮できると私は予想した。結局、私のお膳立て通りに事(こと)は進み、大成功だった。
もう一つ、ツアグが貢献してくれたことがある。ツアグが、サーフィラの精神のバランスを絶妙に保たせていたことだ。だからサーフィラの力は、最高のタイミングで、最大限に発揮できた。私はそれを、ツアグに期待してはいたが、絶対的にあてにしていたわけではなかった。だが、彼は何も知らずにやってのけてくれた。
全て、計画通りだった。うまく行き過ぎるほどだった。尤(もっと)も私は、王と王妃に、自分たちの世界を砕かせてしまったがな。)
ラントラファスは長い息をつき、目を閉じた。
(疲れた。設計者と時のご命令で色々な仕事をこなしてきたが、こんなに疲れたのは初めてだ。)
時系列(じけいれつ)(物事が起きた順番に、並べられた列)に支配されないラントラファスは、いつでも過去のエウデアトに戻り、何かしらの行動ができる。だが、二度とエウデアトの過去に戻る気になれなかった。
ラントラファスに、今まで経験したことのない感情が降(お)りてきた。エウデアトの全てが懐かしく悲しく、胸が乱された。彼は、エウデアトでの仕事は辛かったのだと気付いた。
(唯一(ゆいいつ)の救いは、ツアグがサーフィラを深く慈(いつく)しみ、サーフィラがツアグを心から信頼していたことだな。)
不意に体が重くなり、ラントラファスは動けなくなった。体が鉛(なまり)のようで、手足が自由に動かせなかった。一つの動作に懸命な努力が必要で、息切れがした。ラントラファスは、疲労が限界を超えていることを自覚した。
どうにも立っていられなくなり、ラントラファスはその場にくずおれた。意識を失う直前、彼の体は瞬間移動した。ラントラファスが実際に倒れたのは、馴染(なじ)み深い乳白色の世界だった。
<37>
ラントラファスはエウデアトの世界から消えた。正確に言うなら、ツアグの存在する時代から完全に姿を消した。
一瞬より短い合間(あいま)に、ラントラファスはサーフィラの登場を
(なんというタイミングだ。素晴らしい。)
と思った。計画が、ここまでミス一つなく来たことに、我ながら驚いた。
目の前の状況を見たサーフィラは、瞬時に何が起きているのか知った。サーフィラの動きは、驚くほど素早かった。
ツアグは驚き、力を止めようとした。だが間に合わなかった。力は、ラントラファスをかばったサーフィラを直撃し、彼女を吹き飛ばした。
同時に、どこかで何かが割れた。音はしなかったが、世界の何かが割れたのが感じられた。
ツアグは、サーフィラの側(そば)に駆け寄った。
「サーフィラ!」
ツアグに抱(かか)えられ、サーフィラはうっすら目を開けた。そして虫の息の中、消えゆくような声で囁(ささや)いた。
「ごめんなさい…。私、彼を選んでしまいました…。いけなかったのでしょう…?」
「気にしなくていい。何も言わなくていい。」
「本当に…、あなたは…優しいのね…。温(あたた)かで…側(そば)に…いてくれて…。…ありがとう…ござい…ました…。」
「やめろ、サーフィラ。すぐに園(その)で手当てしてやるから、何もしゃべるな。」
サーフィラは力なく微笑み、小さく首を振った。力は、サーフィラの体内を無残(むざん)に破壊していた。サーフィラの時間は、既(すで)に残されていなかった。サーフィラから血の気が引いていく。命の火が消えようとしていた。
「…ごめん…なさい…。…私…あの子の所へ…行きます…。」
サーフィラは、最後に何か呟(つぶや)いた。別れの挨拶(あいさつ)だったのだろうか。ツアグには聞き取れなかった。サーフィラの体から力が抜け、彼女は逝(い)ってしまった。ツアグはサーフィラを抱きしめた。
確かに、周囲に決められた結婚だった。それにサーフィラは、ラントラファスに恋していた。だがそれでも、ツアグとサーフィラは心を寄せ合っていたのだ。
ツアグはラントラファスを見た。ラントラファスは、すでに異様な興奮状態から抜け出ていた。感情を失(な)くしたような顔で、こちらを見ている。ツアグは怒りを堪(こら)えて聞いた。
「そなたは成功したのか?何かが壊れていただろう?」
これに対し、ラントラファスは静かに答えた。それはエウデアトにとって残酷な答えだった。ラントラファスはその答えを、無表情な冷静さで告げた。
「ええ、計画通りに。完璧と言ってよいでしょう。ツアグ様が放ったお力でサーフィラ様が砕(くだ)かれた瞬間、サーフィラ様のお力が解放されました。そしてそのお力は、エウデアトの根幹の一部分(いちぶぶん)を砕(くだ)きました。まだ小さくひびが入っただけですが、時間が経てば確実にエウデアトを崩(くず)します。私は今回の計画をこの瞬間のために立て、長い年月をかけてまいりました。ツアグ様もサーフィラ様も、世界を揺るがせるほど傑出(けっしゅつ)した力をお持ちでしたから、お陰様で計画がうまく運びました、しかし私は、お二人の生涯を利用したことになります。それについては、深くお詫(わ)び申し上げます。」
ツアグが爆発した。
「ぬけぬけと何を言っている。何がお二人の生涯を利用した、だ。何がお詫び、だ。エウデアトを滅亡させるために、いとも容易(たやす)く私たちを利用したではないか。エウデアト全てが滅亡するのに、私とサーフィラだけが詫びられて喜ぶと思うか。」
ツアグは、ラントラファスから目を背(そむ)けて言った。
「ここから出ていけ。二度とその顔を見せるな。」
ラントラファスは一礼(いちれい)し、祭殿から出て行った。
ツアグはサーフィラの死に顔に目をやり、彼女の生涯を想った。また、エウデアトの過去と未来を想った。どうしようもなく涙がこみあげ、嗚咽(おえつ)が漏(も)れた。今なら誰にも見られない。ツアグは、腕の中のサーフィラの遺骸(いがい)に顔を埋(うず)め、泣いた。
その後、ツアグはサーフィラを花に変える儀式を行なった。他の花々と同様、サーフィラは可憐な花となり、川べりで柔らかな風に揺れた。
<36>
ラントラファスは、園(その)を歩きながら考えていた。
(あの時、ツアグは混沌と一体になっていた。ツアグは知らなかったかもしれないが、混沌の力を自在に操っていた。混沌はそれをお許しになった。混沌はツアグがお気に召したのだろうか?わからない。ツアグには、混沌の力をも自在に操れる能力がある。ツアグは自分の能力を、思う存分発揮していた。だがそれが、結果的にサーフィラを殺してしまった。)
皮肉だな、と思いかけて、ラントラファスは自嘲(じちょう)した。
(ツアグとサーフィラの力を利用したのは私だ。計画し実行したのは、私だ。
エウデアトの世界の根幹(こんかん)を砕(くだ)くこと。それが今回の計画だった。一度に全ては無理だが、一部でも砕ければ良かった。サーフィラの力なら、それができると思った。
サーフィラの力の多くは表に出ていなかったから、精神を世界に半分溶けた状態に持っていけば、サーフィラは力を発揮できるだろうと、私は踏(ふ)んだ。だから、私はサーフィラを世界に溶けさせるように、道筋を考えたのだ。ツアグとの結婚、私への恋、死産、全てがそのためのお膳立(ぜんだ)てだ。
ツアグも計画の一部だった。彼の衝撃波が私の命を危機にさらす時、サーフィラの力は最大限に発揮できると私は予想した。結局、私のお膳立て通りに事(こと)は進み、大成功だった。
もう一つ、ツアグが貢献してくれたことがある。ツアグが、サーフィラの精神のバランスを絶妙に保たせていたことだ。だからサーフィラの力は、最高のタイミングで、最大限に発揮できた。私はそれを、ツアグに期待してはいたが、絶対的にあてにしていたわけではなかった。だが、彼は何も知らずにやってのけてくれた。
全て、計画通りだった。うまく行き過ぎるほどだった。尤(もっと)も私は、王と王妃に、自分たちの世界を砕かせてしまったがな。)
ラントラファスは長い息をつき、目を閉じた。
(疲れた。設計者と時のご命令で色々な仕事をこなしてきたが、こんなに疲れたのは初めてだ。)
時系列(じけいれつ)(物事が起きた順番に、並べられた列)に支配されないラントラファスは、いつでも過去のエウデアトに戻り、何かしらの行動ができる。だが、二度とエウデアトの過去に戻る気になれなかった。
ラントラファスに、今まで経験したことのない感情が降(お)りてきた。エウデアトの全てが懐かしく悲しく、胸が乱された。彼は、エウデアトでの仕事は辛かったのだと気付いた。
(唯一(ゆいいつ)の救いは、ツアグがサーフィラを深く慈(いつく)しみ、サーフィラがツアグを心から信頼していたことだな。)
不意に体が重くなり、ラントラファスは動けなくなった。体が鉛(なまり)のようで、手足が自由に動かせなかった。一つの動作に懸命な努力が必要で、息切れがした。ラントラファスは、疲労が限界を超えていることを自覚した。
どうにも立っていられなくなり、ラントラファスはその場にくずおれた。意識を失う直前、彼の体は瞬間移動した。ラントラファスが実際に倒れたのは、馴染(なじ)み深い乳白色の世界だった。
<37>
ラントラファスはエウデアトの世界から消えた。正確に言うなら、ツアグの存在する時代から完全に姿を消した。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
暁にもう一度
伊簑木サイ
ファンタジー
成り上がり貧乏辺境領主の後継者ソランは、金策のため、「第二王子を王太子になるよう説得できた者に望みの褒美をとらす」という王の頼みごとを引き受けた。
ところが、王子は女嫌いということで、女とばれないよう、性別を隠して仕えることになる。
ソランと、国のために死に場所を探している王子の、「死なせない」と「巻き込みたくない」から始まった主従愛は、いつしか絶対に失いたくない相手へと変わっていく。
けれど、絆を深めるほどに、古に世界に掛けられた呪いに、前世の二人が関わっていたと判明していき……。
『暁に、もう一度、あなたと』。数千年を越えて果たされる、愛と祈りの物語。
ミネルヴァ大陸戦記
一条 千種
ファンタジー
遠き異世界、ミネルヴァ大陸の歴史に忽然と現れた偉大なる術者の一族。
その力は自然の摂理をも凌駕するほどに強力で、世界の安定と均衡を保つため、決して邪心を持つ人間に授けてはならないものとされていた。
しかし、術者の心の素直さにつけこんだ一人の野心家の手で、その能力は拡散してしまう。
世界は術者の力を恐れ、次第に彼らは自らの異能を隠し、術者の存在はおとぎ話として語られるのみとなった。
時代は移り、大陸西南に位置するロンバルディア教国。
美しき王女・エスメラルダが戴冠を迎えようとする日に、術者の末裔は再び世界に現れる。
ほぼ同時期、別の国では邪悪な術者が大国の支配権を手に入れようとしていた。
術者の再臨とともに大きく波乱へと動き出す世界の歴史を、主要な人物にスポットを当て群像劇として描いていく。
※作中に一部差別用語を用いていますが、あくまで文学的意図での使用であり、当事者を差別する意図は一切ありません
※作中の舞台は、科学的には史実世界と同等の進行速度ですが、文化的あるいは政治思想的には架空の設定を用いています。そのため近代民主主義国家と封建制国家が同じ科学レベルで共存している等の設定があります
※表現は控えめを意識していますが、一部残酷描写や性的描写があります
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を
逢生ありす
ファンタジー
女性向け異世界ファンタジー(逆ハーレム)です。ヤンデレ、ツンデレ、溺愛、嫉妬etc……。乙女ゲームのような恋物語をテーマに偉大な"五大国の王"や"人型聖獣"、"謎の美青年"たちと織り成す極甘長編ストーリー。ラストに待ち受ける物語の真実と彼女が選ぶ道は――?
――すべての女性に捧げる乙女ゲームのような恋物語――
『狂気の王と永遠の愛(接吻)を』
五大国から成る異世界の王と
たった一人の少女の織り成す恋愛ファンタジー
――この世界は強大な五大国と、各国に君臨する絶対的な『王』が存在している。彼らにはそれぞれを象徴する<力>と<神具>が授けられており、その生命も人間を遥かに凌駕するほど長いものだった。
この物語は悠久の王・キュリオの前に現れた幼い少女が主人公である。
――世界が"何か"を望んだ時、必ずその力を持った人物が生み出され……すべてが大きく変わるだろう。そして……
その"世界"自体が一個人の"誰か"かもしれない――
出会うはずのない者たちが出揃うとき……その先に待ち受けるものは?
最後に待つのは幸せか、残酷な運命か――
そして次第に明らかになる彼女の正体とは……?
蛮族女王の娘 第2部【共和国編】
枕崎 純之助
ファンタジー
女戦士ばかりの蛮族ダニア。
その女王ブリジットの娘として生まれたプリシラ。
外出先の街で彼女がほんのイタズラ心で弟のエミルを連れ出したことが全ての始まりだった。
2人は悪漢にさらわれ、紆余曲折を経て追われる身となったのだ。
追ってくるのは若干16歳にして王国軍の将軍となったチェルシー。
同じダニアの女王の系譜であるチェルシーとの激しい戦いの結果、プリシラは弟のエミルを連れ去られてしまう。
女王である母と合流した失意のプリシラは、エミル奪還作戦の捜索隊に参加するべく名乗りを上げるのだった。
蛮族女王の娘が繰り広げる次世代の物語。
大河ファンタジー第二幕。
若さゆえの未熟さに苦しみながらも、多くの人との出会いを経て成長していく少女と少年の行く末やいかに……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる