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前編*ツアグとサーフィラ*4
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エウデアトは鋭敏(えいびん)な感覚を持ち、感受性に富んでいた。
彼らの精神のアンテナは、様々な事象(じしょう)を捉(とら)え、一つ一つに敏感に反応した。
反応の良さは、彼らの精神世界を豊かにした。エウデアトの美意識は高度に洗練され、彼らの土地は自然の美と、造形の美とで彩(いろど)られた。また、芳醇(ほうじゅん)な文化が花開(はなひら)き、その中で、エウデアトは味わい深い生涯を送った。
しかし敏感さゆえに、エウデアトは非常に繊細で傷つきやすかった。
しかも精神アンテナは、ほぼ全ての事象(じしょう)を、鋭敏(えいびん)に捉(とら)える。そして捉(とら)えたものを、そのまま自分に取り込んでしまう。その流れは、注意しなければ自動的だった。
厄介(やっかい)なのは、エウデアトにとっては、全ての事象(じしょう)が同じ重さを持っていたことだ。彼らは、アンテナが捕らえた事象を常時(じょうじ)意識して取捨(しゅしゃ)選択(せんたく)し、優先順位をつけなければならなかった。そうしなければ彼らは、ばらまかれたたくさんの事象(じしょう)や情報に、なすすべもなく茫然となるからである。
極端な場合、精神がひどく高揚(こうよう)していたり整理されていなかった時には、取り込んだ事象(じしょう)のどれが自分でどれが自分ではないのか、区別がつかないことさえあった。そのためエウデアト達は、意識して精神をガードしなければならなかった。常に自分を確かに持ち、事象(じしょう)に優先順位をつけ、取捨(しゅしゃ)選択(せんたく)する。彼らは幼い頃からその訓練をした。
が、それでも体の不調や感情の揺れはある。その場合ガードが緩(ゆる)み、エウデアトの心は無防備(むぼうび)に、不安定になる。
そういう時に偶然、ガードが緩いエウデアト同士が出会うと、互いの心が絡(から)み合ってしまう。そうなると、精神の衝突が起きるのだ。衝突は当事者(とうじしゃ)の肉体や精神にダメージを与え、時には空間に衝撃が走る。さらに、衝突がすぐに収(おさ)まらず、大きく広がり周囲を巻き込むこともあった。
これらの経験を積み重ね、エウデアトは普段から体調に気を配り、精神を不安定にするような激しい感情を持たないようにした。また常に、他者との心理的な距離を測(はか)った。
彼らの社会はつかず離れずであったが、それは必要から形成されたものだった。
そんな彼らが最も愛したのは、自然である。
作り出された美ではなく、あるがままに奔放(ほんぽう)な自然を、エウデアトは至高(しこう)の美と捉(とら)えた。彼らが自然に対して高い価値を見出(みいだ)したのは、常時(じょうじ)、緊張を強(し)いられる生活を送っていることと無関係ではなかった。敏感であるがゆえに自(みずか)らを抑制(よくせい)しなければならない彼らは、時に優しく穏やかで、時に厳しく激しい自然に魅了され、強い憧(あこが)れを抱(いだ)いたのである。
いつか、自然と一体になりたい。そう夢見るエウデアトは多かった。
エウデアトは鋭敏(えいびん)な感覚を持ち、感受性に富んでいた。
彼らの精神のアンテナは、様々な事象(じしょう)を捉(とら)え、一つ一つに敏感に反応した。
反応の良さは、彼らの精神世界を豊かにした。エウデアトの美意識は高度に洗練され、彼らの土地は自然の美と、造形の美とで彩(いろど)られた。また、芳醇(ほうじゅん)な文化が花開(はなひら)き、その中で、エウデアトは味わい深い生涯を送った。
しかし敏感さゆえに、エウデアトは非常に繊細で傷つきやすかった。
しかも精神アンテナは、ほぼ全ての事象(じしょう)を、鋭敏(えいびん)に捉(とら)える。そして捉(とら)えたものを、そのまま自分に取り込んでしまう。その流れは、注意しなければ自動的だった。
厄介(やっかい)なのは、エウデアトにとっては、全ての事象(じしょう)が同じ重さを持っていたことだ。彼らは、アンテナが捕らえた事象を常時(じょうじ)意識して取捨(しゅしゃ)選択(せんたく)し、優先順位をつけなければならなかった。そうしなければ彼らは、ばらまかれたたくさんの事象(じしょう)や情報に、なすすべもなく茫然となるからである。
極端な場合、精神がひどく高揚(こうよう)していたり整理されていなかった時には、取り込んだ事象(じしょう)のどれが自分でどれが自分ではないのか、区別がつかないことさえあった。そのためエウデアト達は、意識して精神をガードしなければならなかった。常に自分を確かに持ち、事象(じしょう)に優先順位をつけ、取捨(しゅしゃ)選択(せんたく)する。彼らは幼い頃からその訓練をした。
が、それでも体の不調や感情の揺れはある。その場合ガードが緩(ゆる)み、エウデアトの心は無防備(むぼうび)に、不安定になる。
そういう時に偶然、ガードが緩いエウデアト同士が出会うと、互いの心が絡(から)み合ってしまう。そうなると、精神の衝突が起きるのだ。衝突は当事者(とうじしゃ)の肉体や精神にダメージを与え、時には空間に衝撃が走る。さらに、衝突がすぐに収(おさ)まらず、大きく広がり周囲を巻き込むこともあった。
これらの経験を積み重ね、エウデアトは普段から体調に気を配り、精神を不安定にするような激しい感情を持たないようにした。また常に、他者との心理的な距離を測(はか)った。
彼らの社会はつかず離れずであったが、それは必要から形成されたものだった。
そんな彼らが最も愛したのは、自然である。
作り出された美ではなく、あるがままに奔放(ほんぽう)な自然を、エウデアトは至高(しこう)の美と捉(とら)えた。彼らが自然に対して高い価値を見出(みいだ)したのは、常時(じょうじ)、緊張を強(し)いられる生活を送っていることと無関係ではなかった。敏感であるがゆえに自(みずか)らを抑制(よくせい)しなければならない彼らは、時に優しく穏やかで、時に厳しく激しい自然に魅了され、強い憧(あこが)れを抱(いだ)いたのである。
いつか、自然と一体になりたい。そう夢見るエウデアトは多かった。
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