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26.謝罪とお誘い
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その日の午後、アリスは早速エリックが送ってくれた本を読んでいた。
その時、扉がノックされたのでナタリーが応対に出る。
ナタリーは戻ってくると、神妙な顔をしてアリスに告げた。
「ランスロット伯爵夫人が、アリス様にお会いしたいとの事です」
「ランスロット伯爵夫人?」
「・・・・・・ケビン・ニールズ殿の伯母君です」
『ケビン・ニールズ』の名に、紅茶を入れていたシェリルの手が止まる。
昨日、部屋に戻ってから大体の出来事を説明したが、ケビンの所に殴り込みそうな勢いで怒っていたので、ナタリーと止めるのに苦労した。
「どうなさいますか?」
用件は大体察しがつくが、会わない訳にもいかない。
「お通しして」
「畏まりました」
「シェリルは新しいお茶を入れて」
「承知致しました」
すぐに準備に取り掛かるシェリルの背に、不安になって声をかけた。
「・・・・・・盛らないでよ?」
「盛りません!!」
応接室に入ると、昨日出会った女性が優雅に礼をした。
「突然の訪問の無礼をお許し頂き、感謝致します。ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私、皇后陛下付き女官のグレース・ランスロットと申します。夫は近衛騎士団総団長のガイル・ランスロット伯爵です」
挨拶を受け、アリスは彼女が周りの侍女達と服装が違う理由を理解した。
侍女は黒いお仕着せを着ているが、女官は控えめな色のドレスを着るようだ。
昨日はその理由がわからなかったので、皇后の客人かと思っていた。
「アリス・ハミルトンです。ようこそおいで下さいましたランスロット伯爵夫人。・・・・・・それで、ご用件というのは?」
「はい。我が甥ケビン・ニールズの無礼について改めてお詫びに参りました」
アリスが予想した通りの用件だった。
「あの後、実家のニールズ子爵家に甥を連れ帰り、私の父も混えて小一時間説教をしました。父にはアリス様の事は『陛下の客人』だと伝えましたが、大変な怒り様で」
「伯爵夫人の父君はニールズ子爵なのですか?」
「いいえ。ケビンの父親ーー私の弟に爵位を譲ったので、私の父は前子爵ですわ」
ケビンの父親である現ニールズ子爵は、辺境騎士団副団長を任され西の国境地帯におり、妻とケビンの弟妹達は任務地に近いニールズ子爵領に住んでいるという。
「あの子は半年前に騎士学校を卒業し、皇都での勤務を希望してこちらに。夫の推薦のお陰で皇宮近衛騎士団に所属できたというのに、あの子は・・・・・・」
そう言いながら、伯爵夫人の目がみるみる吊り上がっていく。
「『皇后陛下付きの近衛が良かった。伯母上から口添えしてほしい』などと・・・・・・。私も騎士時代は六年目でようやく皇后陛下付きになったというのに」
「近衛騎士だったのですか!?」
まさかの経歴にアリスは叫んだ。伯爵夫人は少し顔を赤らめて話す。
「ええ。私は特別男勝りだったもので、父は女騎士にした方が良いと考えて騎士学校に入れてくれました。私も性に合っていたので家庭に入るまで続けておりました」
ニールズ子爵家は女性といえども武に長けた者が多く、女騎士や護衛も兼ねた侍女を輩出しているらしい。
「ですから、皇族付きの近衛騎士が、そうなるまでにどれだけの研鑽を重ねてきたのかは身をもって知っています。それを、あの子は縁故なんか使おうとして!」
「は、伯爵夫人、落ち着いて下さい」
怒りのあまり、声を荒げてわなわなと震え出した伯爵夫人。
その迫力に圧倒されたアリスが宥めると、
「あら、私ったら」
と、伯爵夫人は我に返り、優雅な仕草でカップの紅茶を口にする。
「取り乱して失礼致しました。きっと、昨日の一件も、手柄を取れば、皇后陛下付きに取り立ててもらえると思ったのでしょう。それで、鼻からアリス様の事を疑って掛かっていたのです」
馬鹿な子、と呟いて溜め息をつく。
「それにしても、何故ニールズ殿は皇后陛下をそこまでお慕いするのでしょう。騎士として模範的だとは思いますが、周りが見えてなさ過ぎるというか・・・・・・すいません」
さすがに言い過ぎたと思って謝罪すると、伯爵夫人は「いいえ」と笑いながら首を振る。
「騎士学校に陛下が視察にいらっしゃった事がありまして。行われた模擬試合の成績が良くお言葉を賜ったのです」
「ああ、成程」
騎士学校に通うのは騎士を志す十二歳から十五歳までの貴族子弟だ。
そんな年頃の少年が、国で一番高貴な女性に頑張りを認めてもらい、優しい言葉をかけられれば、『この方に一生お仕えする!』と思うのではないだろうか。
ケビンの場合、その一途さに思い込みの強さが加わって今回の事件を引き起こしたのだろう。
「皇后陛下への思いが強かろうと、今回のケビンの行動は行き過ぎています。ケビンを預かる身として、アリス様には心よりお詫び申し上げますわ」
伯爵夫人は真剣な表情で再び謝罪を口にする。
「昨日も申し上げましたが、誤解を招くような行動をした私にも責任があります。それに、ニールズ殿はまだお若い。あまり叱り過ぎないで下さい」
半年前に騎士学校を出たのなら、まだ十五か十六ではないか。
「アリス様はお優しくていらっしゃる。ケビンをしっかり反省させ、二度とこのような事がないように致しますわ。それでは、失礼を」
そう言ってランスロット伯爵夫人は退室し、アリスは安堵の息を吐いた。これでケビンの件は終わったと。
******
しかし、翌日はケビンの上司である皇宮近衛騎士団長、騎士団総団長に謝罪を受けた。
「この度はうちの部下が申し訳ありませんでした」
別室に設けられた謝罪の場で、冷や汗をかき青ざめた皇宮近衛騎士団長と、真剣な表情の騎士団総団長がアリスに謝罪をした。
そして何故かアリス側として同席しているギルバートは、二人を鋭い眼光で睨みつけている。
本人が言うには、当面の間アリスの後見人を任されているらしい。
「今回はアリス嬢が罰を望まなかったから大目に見るが、次はないと思え」
「はっ!」
ギルバートの言葉に二人はピンと背筋を伸ばして敬礼した。
「・・・・・・ランスロット伯爵夫人から、既に謝罪して頂いていますのに」
二人が退室した後にぼやくアリスに、
「何言ってるんだ。伯爵夫人は身内としての謝罪だろう?勤務中にしでかした事だから、上司が謝罪しない訳にはいかない。そうしないと、今後の評価に関わるしな」
ギルバートがそう言って溜め息をつく。
「そう言えば、クラウディア皇后と話したって?どうだった?」
おそらくエリックから聞いたのであろう。興味津々といった表情で尋ねられてアリスは困惑する。
「どう・・・・・・と言われましても・・・・・・優しい方でした。私の怪我を気遣って下さったし、私を皇帝陛下の娘だと認めて動いてくれようとしたり。何故そこまでして下さるのかわからなくて」
皇后にとって自分は『夫が愛人に生ませた子』だ。それをどうして、あんなに思い遣ってくれるのだろう。
「さあな。それは、本人に聞いてみたらどうだ?」
そう言ってギルバートがアリスに渡したのは真っ白な封筒。
宛名には自分の名が、差出人には『クラウディア・グランディエ』と記されていた。
「皇后陛下に渡すよう頼まれた。茶会の招待状だ」
アリスは驚きで封筒を落としそうになった。
その時、扉がノックされたのでナタリーが応対に出る。
ナタリーは戻ってくると、神妙な顔をしてアリスに告げた。
「ランスロット伯爵夫人が、アリス様にお会いしたいとの事です」
「ランスロット伯爵夫人?」
「・・・・・・ケビン・ニールズ殿の伯母君です」
『ケビン・ニールズ』の名に、紅茶を入れていたシェリルの手が止まる。
昨日、部屋に戻ってから大体の出来事を説明したが、ケビンの所に殴り込みそうな勢いで怒っていたので、ナタリーと止めるのに苦労した。
「どうなさいますか?」
用件は大体察しがつくが、会わない訳にもいかない。
「お通しして」
「畏まりました」
「シェリルは新しいお茶を入れて」
「承知致しました」
すぐに準備に取り掛かるシェリルの背に、不安になって声をかけた。
「・・・・・・盛らないでよ?」
「盛りません!!」
応接室に入ると、昨日出会った女性が優雅に礼をした。
「突然の訪問の無礼をお許し頂き、感謝致します。ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私、皇后陛下付き女官のグレース・ランスロットと申します。夫は近衛騎士団総団長のガイル・ランスロット伯爵です」
挨拶を受け、アリスは彼女が周りの侍女達と服装が違う理由を理解した。
侍女は黒いお仕着せを着ているが、女官は控えめな色のドレスを着るようだ。
昨日はその理由がわからなかったので、皇后の客人かと思っていた。
「アリス・ハミルトンです。ようこそおいで下さいましたランスロット伯爵夫人。・・・・・・それで、ご用件というのは?」
「はい。我が甥ケビン・ニールズの無礼について改めてお詫びに参りました」
アリスが予想した通りの用件だった。
「あの後、実家のニールズ子爵家に甥を連れ帰り、私の父も混えて小一時間説教をしました。父にはアリス様の事は『陛下の客人』だと伝えましたが、大変な怒り様で」
「伯爵夫人の父君はニールズ子爵なのですか?」
「いいえ。ケビンの父親ーー私の弟に爵位を譲ったので、私の父は前子爵ですわ」
ケビンの父親である現ニールズ子爵は、辺境騎士団副団長を任され西の国境地帯におり、妻とケビンの弟妹達は任務地に近いニールズ子爵領に住んでいるという。
「あの子は半年前に騎士学校を卒業し、皇都での勤務を希望してこちらに。夫の推薦のお陰で皇宮近衛騎士団に所属できたというのに、あの子は・・・・・・」
そう言いながら、伯爵夫人の目がみるみる吊り上がっていく。
「『皇后陛下付きの近衛が良かった。伯母上から口添えしてほしい』などと・・・・・・。私も騎士時代は六年目でようやく皇后陛下付きになったというのに」
「近衛騎士だったのですか!?」
まさかの経歴にアリスは叫んだ。伯爵夫人は少し顔を赤らめて話す。
「ええ。私は特別男勝りだったもので、父は女騎士にした方が良いと考えて騎士学校に入れてくれました。私も性に合っていたので家庭に入るまで続けておりました」
ニールズ子爵家は女性といえども武に長けた者が多く、女騎士や護衛も兼ねた侍女を輩出しているらしい。
「ですから、皇族付きの近衛騎士が、そうなるまでにどれだけの研鑽を重ねてきたのかは身をもって知っています。それを、あの子は縁故なんか使おうとして!」
「は、伯爵夫人、落ち着いて下さい」
怒りのあまり、声を荒げてわなわなと震え出した伯爵夫人。
その迫力に圧倒されたアリスが宥めると、
「あら、私ったら」
と、伯爵夫人は我に返り、優雅な仕草でカップの紅茶を口にする。
「取り乱して失礼致しました。きっと、昨日の一件も、手柄を取れば、皇后陛下付きに取り立ててもらえると思ったのでしょう。それで、鼻からアリス様の事を疑って掛かっていたのです」
馬鹿な子、と呟いて溜め息をつく。
「それにしても、何故ニールズ殿は皇后陛下をそこまでお慕いするのでしょう。騎士として模範的だとは思いますが、周りが見えてなさ過ぎるというか・・・・・・すいません」
さすがに言い過ぎたと思って謝罪すると、伯爵夫人は「いいえ」と笑いながら首を振る。
「騎士学校に陛下が視察にいらっしゃった事がありまして。行われた模擬試合の成績が良くお言葉を賜ったのです」
「ああ、成程」
騎士学校に通うのは騎士を志す十二歳から十五歳までの貴族子弟だ。
そんな年頃の少年が、国で一番高貴な女性に頑張りを認めてもらい、優しい言葉をかけられれば、『この方に一生お仕えする!』と思うのではないだろうか。
ケビンの場合、その一途さに思い込みの強さが加わって今回の事件を引き起こしたのだろう。
「皇后陛下への思いが強かろうと、今回のケビンの行動は行き過ぎています。ケビンを預かる身として、アリス様には心よりお詫び申し上げますわ」
伯爵夫人は真剣な表情で再び謝罪を口にする。
「昨日も申し上げましたが、誤解を招くような行動をした私にも責任があります。それに、ニールズ殿はまだお若い。あまり叱り過ぎないで下さい」
半年前に騎士学校を出たのなら、まだ十五か十六ではないか。
「アリス様はお優しくていらっしゃる。ケビンをしっかり反省させ、二度とこのような事がないように致しますわ。それでは、失礼を」
そう言ってランスロット伯爵夫人は退室し、アリスは安堵の息を吐いた。これでケビンの件は終わったと。
******
しかし、翌日はケビンの上司である皇宮近衛騎士団長、騎士団総団長に謝罪を受けた。
「この度はうちの部下が申し訳ありませんでした」
別室に設けられた謝罪の場で、冷や汗をかき青ざめた皇宮近衛騎士団長と、真剣な表情の騎士団総団長がアリスに謝罪をした。
そして何故かアリス側として同席しているギルバートは、二人を鋭い眼光で睨みつけている。
本人が言うには、当面の間アリスの後見人を任されているらしい。
「今回はアリス嬢が罰を望まなかったから大目に見るが、次はないと思え」
「はっ!」
ギルバートの言葉に二人はピンと背筋を伸ばして敬礼した。
「・・・・・・ランスロット伯爵夫人から、既に謝罪して頂いていますのに」
二人が退室した後にぼやくアリスに、
「何言ってるんだ。伯爵夫人は身内としての謝罪だろう?勤務中にしでかした事だから、上司が謝罪しない訳にはいかない。そうしないと、今後の評価に関わるしな」
ギルバートがそう言って溜め息をつく。
「そう言えば、クラウディア皇后と話したって?どうだった?」
おそらくエリックから聞いたのであろう。興味津々といった表情で尋ねられてアリスは困惑する。
「どう・・・・・・と言われましても・・・・・・優しい方でした。私の怪我を気遣って下さったし、私を皇帝陛下の娘だと認めて動いてくれようとしたり。何故そこまでして下さるのかわからなくて」
皇后にとって自分は『夫が愛人に生ませた子』だ。それをどうして、あんなに思い遣ってくれるのだろう。
「さあな。それは、本人に聞いてみたらどうだ?」
そう言ってギルバートがアリスに渡したのは真っ白な封筒。
宛名には自分の名が、差出人には『クラウディア・グランディエ』と記されていた。
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