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24.皇后クラウディア
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不意打ちに、アリスは為す術なく地面に倒れこむ。
「ウッ・・・・・・」
全身を打ちつけてアリスが呻いた。倒れた拍子に噛んでしまったのか、口の中に血の味が広がる。
「お前、やはり、皇后陛下に危害を加えるつもりだったんだな!」
アリスの両手を掴み、アリスの背中を膝で押さえながらケビンが怒鳴った。
「ちょっと!乱暴な真似はやめて!」
青ざめた顔のナタリーが駆け寄ってケビンを引き剥がそうとするが、男性で騎士のケビンには敵わない。
「この女、一目散に皇后陛下の所へ走って行こうとしたんだぞ!それに、ここに来るまで一度も迷わなかった!事前に調べていたに違いない!」
(ガゼボにいらっしゃったのは皇后陛下だったのね・・・・・・)
どうやら夢が気になり先走ってしまったようだ。
アリスは軽率な行動をした自分を恥じたが、今は誤解を解かねばならない。
「ちが・・・・・・夢で、来たことがある、場所だった、から・・・・・・」
押さえつけられている息苦しさから、途切れ途切れに弁解するものの、こんな状況で信じてもらえるはずもなく。
「何をふざけた事を・・・・・・。この不埒者め!」
ケビンは一層力を強めて尋問をする。
「言え!誰に頼まれた?協力者がいるだろう!」
「だから、違う・・・・・・」
弱々しく答えても、ケビンを苛立たせるだけだった。
「違うものか!言え!さっさと白状しないと・・・・・・ウワッ」
問い詰めようとしたケビンが悲鳴をあげ、ふっとアリスの身体が軽くなった。
「アリス様、大丈夫ですか」
聞き覚えのある声がして、アリスは身体を支え起こされた。
「エリック・・・・・・様?」
顔を上げたアリスは、声の主の名前を呼ぶ。
しかし、その顔を見たエリックはハッと息を止めて辛そうに眉を顰めた。
「アリス様、血が・・・・・・」
アリスの肩を支えたまま、エリックがハンカチを取り出してアリスの口元をそっと拭う。
「どうして、貴方がここに?」
「アリス様っ!大丈夫ですか!」
エリックがこの場にいる疑問を口にした直後、ナタリーが勢いよくアリスに抱きついてきた。
「すぐにお助けできずに申し訳ありません!」
ナタリーが泣きじゃくりながら謝るが、打ちつけたところを抱き締められたアリスは声にならない悲鳴をあげる。
「ナ、ナタリー。痛いわ・・・・・・」
「あっ!申し訳ありません!!」
なんとか声を絞り出すと、ナタリーは慌てて体を離した。
まだ涙の止まらないナタリーを落ち着かせる為か、エリックが頭を撫でながら、先ほどのアリスの疑問に答える。
「皇后陛下とあちらのガゼボでお茶をしていたら、騒々しい声が聞こえてきまして。何かあったのかと思っていたら、ナタリーが泣きながら呼びにきたのです」
そこまで言うと、すうっと目を細めて、騎士達に拘束されているケビンを見る。
その視線の冷たさに、見つめられたケビンは寒気を覚えた。
「『アリス様がケビン・ニールズに暴力を振るわれている。助けてほしい』とね」
******
「なっ!?自分は暴力などしていません!この女が怪しい挙動をしたから取り押さえただけで」
「しかし、現にアリス様は怪我をしている。女性相手に随分と乱暴な取り押さえ方をしたようだな」
エリックがそう指摘すると、ケビンはエリックを睨みつけた。
「皇后陛下に危害を加えようとする者に、女だからと手加減する必要はありません」
「なんだと?」
二人はそのまま睨み合う。そこへ、
「アリス様が私に危害を?どうしてそう思うのです?」
そう言って現れた女性に、その場にいた者が全員跪いた。
エリックと同じ金の髪にエメラルド色の瞳を持つその女性の名はクラウディア・グランディエ。皇帝の正妻である皇后だ。
「こ、皇后陛下」
「ケビン・ニールズ。陛下の質問にお答えなさい」
皇后の登場に呆然とするケビンに、皇后の後ろに控えていた長身の女性が厳しい表情で促す。
ケビンはその女性を見るなり「ヒッ」と小さく悲鳴をあげた。
「お、伯母上・・・・・・」
「さあ、早く」
今度は強めの口調で急かされ、ケビンは俯きながら答えた。
「・・・・・・彼女は初めての場所にも関わらず、ここまでの道を一度も迷わずに来たのです。下調べしていたに違いないのに『夢で来た事がある』などとふざけた事を。怪しいにも程がある」
「夢?どのような夢ですか?」
エリックに尋ねられて、アリスは先日見た夢について説明した。
「夢の中で、この庭に迷い込んだ時に、あちらのガゼボで金の髪に薄紫の瞳を持つ方と出会いました。『また会える』と言っていたのが妙に気になっていて。それで、今日訪れたこの庭が夢でみた庭だと気づき、あの方に会えるかもしれないと思って・・・・・・」
アリスの話を聞いて、ケビンは馬鹿馬鹿しいとでも言いたげに鼻を鳴らした。
他の者も、現実味のない話に戸惑うようにお互い顔を見合わせる。ただ一人、皇后を除いては。
「金の髪に薄紫の瞳・・・・・・」
皇后はそう呟いて考え込んだ後、アリスに尋ねた。
「その方の特徴をもう少し教えて頂けますか?」
「皇后陛下?」
「・・・・・・髪は腰までの長さで、神官のような白い服を着ていました。外見から女性だと思ったのですが、声はあまり女性らしくないというか、中性的な声でした」
「そうですか」
そう言って皇后は笑みを浮かべて頷いた。
「わかりました。貴女の言う事を信じましょう」
「皇后陛下!」
ケビンが叫んだ。
「陛下ともあろうお方が、そんな夢の話を信じるなんて!」
「ケビン、黙っていなさい」
ケビンは勢いよく異を唱えたが、伯母に睨みつけられると再びおとなしくなった。
「貴方の意見もよくわかります。けれど、私はアリス様が夢で出会った方に覚えがあります。彼女が嘘を吐いていないことは私が保証しましょう」
「し、しかし!この女性は皇帝陛下の愛人です!皇帝陛下の寵愛を得る為に皇后陛下を亡き者にせんと」
「まあ!」
ケビンの話に皇后は驚いて声をあげ、ケビンを叱責した。
「アリス様が陛下の愛人ですって?口を慎みなさい、ケビン・ニールズ」
「も、申し訳ありません」
「アリス様は、陛下のご息女ですよ」
「ごそく・・・・・・っ。は、えっ?」
皇后に明かされた事実に驚くあまり、ケビンはうまく言葉を紡ぐ事ができないのか、間抜けに口を開けて、アリスの方を見た。
「それを愛人などと・・・・・・。証拠も無しにそのような憶測をするのは、皇帝陛下への不敬ととられますよ」
「あ、そ、そんなつもりでは・・・・・・」
「陛下の大事な方になんという事を。あなたは家を潰す気ですか」
「いや、それは・・・・・・」
皇后と伯母に責め立てられて、ケビンは冷や汗をかき、狼狽している。そんな彼が気の毒になって、アリスはつい助け舟を出した。
「お待ち下さい。ニールズ殿はいつもの護衛の代わりとして私の護衛に付いたのです。私の事を知らされていない様子なのは気づいていましたが、私もどこまで自分の事を話せば良いかわからず、そのままにしておりました。彼にとって私は十分『怪しい人間』でしょう?」
「アリス様・・・・・・」
「そんな私が、突然皇后陛下に向かって走って行ったのです。皇宮の治安を守る騎士ならば当然の行動かと。だから、どうか彼を責めないで下さい」
体は打撲と擦り傷で痛いし、発言に腹の立つところもあった。しかし、自分も怪しまれる行動をとったのも事実。
皇宮近衛騎士としてのケビンの行いは、間違いだったとは言い難い。
「よろしいのですか?免職にした上にニールズ家から勘当処分にしても良いのですよ?」
ケビンの伯母がとんでもない事を口にする。
「そこまでして頂かなくて結構です!」
そんな事になったら、さすがにケビンが可哀想だし、こちらも後味が悪い。
「そのようなお怪我までされたのに・・・・・・寛大なお心に感謝致します」
アリスの言葉に感銘を受けたが、神妙な面持ちで首を振った。
「しかし、何も咎めが無いというのは、こちらの気が済みません。これは実家に連れ帰り、しばらく謹慎させましょう」
そう言うと、ケビンの伯母は項垂れている彼を立たせると、引きずるようにして連れて帰ってしまった。
「ウッ・・・・・・」
全身を打ちつけてアリスが呻いた。倒れた拍子に噛んでしまったのか、口の中に血の味が広がる。
「お前、やはり、皇后陛下に危害を加えるつもりだったんだな!」
アリスの両手を掴み、アリスの背中を膝で押さえながらケビンが怒鳴った。
「ちょっと!乱暴な真似はやめて!」
青ざめた顔のナタリーが駆け寄ってケビンを引き剥がそうとするが、男性で騎士のケビンには敵わない。
「この女、一目散に皇后陛下の所へ走って行こうとしたんだぞ!それに、ここに来るまで一度も迷わなかった!事前に調べていたに違いない!」
(ガゼボにいらっしゃったのは皇后陛下だったのね・・・・・・)
どうやら夢が気になり先走ってしまったようだ。
アリスは軽率な行動をした自分を恥じたが、今は誤解を解かねばならない。
「ちが・・・・・・夢で、来たことがある、場所だった、から・・・・・・」
押さえつけられている息苦しさから、途切れ途切れに弁解するものの、こんな状況で信じてもらえるはずもなく。
「何をふざけた事を・・・・・・。この不埒者め!」
ケビンは一層力を強めて尋問をする。
「言え!誰に頼まれた?協力者がいるだろう!」
「だから、違う・・・・・・」
弱々しく答えても、ケビンを苛立たせるだけだった。
「違うものか!言え!さっさと白状しないと・・・・・・ウワッ」
問い詰めようとしたケビンが悲鳴をあげ、ふっとアリスの身体が軽くなった。
「アリス様、大丈夫ですか」
聞き覚えのある声がして、アリスは身体を支え起こされた。
「エリック・・・・・・様?」
顔を上げたアリスは、声の主の名前を呼ぶ。
しかし、その顔を見たエリックはハッと息を止めて辛そうに眉を顰めた。
「アリス様、血が・・・・・・」
アリスの肩を支えたまま、エリックがハンカチを取り出してアリスの口元をそっと拭う。
「どうして、貴方がここに?」
「アリス様っ!大丈夫ですか!」
エリックがこの場にいる疑問を口にした直後、ナタリーが勢いよくアリスに抱きついてきた。
「すぐにお助けできずに申し訳ありません!」
ナタリーが泣きじゃくりながら謝るが、打ちつけたところを抱き締められたアリスは声にならない悲鳴をあげる。
「ナ、ナタリー。痛いわ・・・・・・」
「あっ!申し訳ありません!!」
なんとか声を絞り出すと、ナタリーは慌てて体を離した。
まだ涙の止まらないナタリーを落ち着かせる為か、エリックが頭を撫でながら、先ほどのアリスの疑問に答える。
「皇后陛下とあちらのガゼボでお茶をしていたら、騒々しい声が聞こえてきまして。何かあったのかと思っていたら、ナタリーが泣きながら呼びにきたのです」
そこまで言うと、すうっと目を細めて、騎士達に拘束されているケビンを見る。
その視線の冷たさに、見つめられたケビンは寒気を覚えた。
「『アリス様がケビン・ニールズに暴力を振るわれている。助けてほしい』とね」
******
「なっ!?自分は暴力などしていません!この女が怪しい挙動をしたから取り押さえただけで」
「しかし、現にアリス様は怪我をしている。女性相手に随分と乱暴な取り押さえ方をしたようだな」
エリックがそう指摘すると、ケビンはエリックを睨みつけた。
「皇后陛下に危害を加えようとする者に、女だからと手加減する必要はありません」
「なんだと?」
二人はそのまま睨み合う。そこへ、
「アリス様が私に危害を?どうしてそう思うのです?」
そう言って現れた女性に、その場にいた者が全員跪いた。
エリックと同じ金の髪にエメラルド色の瞳を持つその女性の名はクラウディア・グランディエ。皇帝の正妻である皇后だ。
「こ、皇后陛下」
「ケビン・ニールズ。陛下の質問にお答えなさい」
皇后の登場に呆然とするケビンに、皇后の後ろに控えていた長身の女性が厳しい表情で促す。
ケビンはその女性を見るなり「ヒッ」と小さく悲鳴をあげた。
「お、伯母上・・・・・・」
「さあ、早く」
今度は強めの口調で急かされ、ケビンは俯きながら答えた。
「・・・・・・彼女は初めての場所にも関わらず、ここまでの道を一度も迷わずに来たのです。下調べしていたに違いないのに『夢で来た事がある』などとふざけた事を。怪しいにも程がある」
「夢?どのような夢ですか?」
エリックに尋ねられて、アリスは先日見た夢について説明した。
「夢の中で、この庭に迷い込んだ時に、あちらのガゼボで金の髪に薄紫の瞳を持つ方と出会いました。『また会える』と言っていたのが妙に気になっていて。それで、今日訪れたこの庭が夢でみた庭だと気づき、あの方に会えるかもしれないと思って・・・・・・」
アリスの話を聞いて、ケビンは馬鹿馬鹿しいとでも言いたげに鼻を鳴らした。
他の者も、現実味のない話に戸惑うようにお互い顔を見合わせる。ただ一人、皇后を除いては。
「金の髪に薄紫の瞳・・・・・・」
皇后はそう呟いて考え込んだ後、アリスに尋ねた。
「その方の特徴をもう少し教えて頂けますか?」
「皇后陛下?」
「・・・・・・髪は腰までの長さで、神官のような白い服を着ていました。外見から女性だと思ったのですが、声はあまり女性らしくないというか、中性的な声でした」
「そうですか」
そう言って皇后は笑みを浮かべて頷いた。
「わかりました。貴女の言う事を信じましょう」
「皇后陛下!」
ケビンが叫んだ。
「陛下ともあろうお方が、そんな夢の話を信じるなんて!」
「ケビン、黙っていなさい」
ケビンは勢いよく異を唱えたが、伯母に睨みつけられると再びおとなしくなった。
「貴方の意見もよくわかります。けれど、私はアリス様が夢で出会った方に覚えがあります。彼女が嘘を吐いていないことは私が保証しましょう」
「し、しかし!この女性は皇帝陛下の愛人です!皇帝陛下の寵愛を得る為に皇后陛下を亡き者にせんと」
「まあ!」
ケビンの話に皇后は驚いて声をあげ、ケビンを叱責した。
「アリス様が陛下の愛人ですって?口を慎みなさい、ケビン・ニールズ」
「も、申し訳ありません」
「アリス様は、陛下のご息女ですよ」
「ごそく・・・・・・っ。は、えっ?」
皇后に明かされた事実に驚くあまり、ケビンはうまく言葉を紡ぐ事ができないのか、間抜けに口を開けて、アリスの方を見た。
「それを愛人などと・・・・・・。証拠も無しにそのような憶測をするのは、皇帝陛下への不敬ととられますよ」
「あ、そ、そんなつもりでは・・・・・・」
「陛下の大事な方になんという事を。あなたは家を潰す気ですか」
「いや、それは・・・・・・」
皇后と伯母に責め立てられて、ケビンは冷や汗をかき、狼狽している。そんな彼が気の毒になって、アリスはつい助け舟を出した。
「お待ち下さい。ニールズ殿はいつもの護衛の代わりとして私の護衛に付いたのです。私の事を知らされていない様子なのは気づいていましたが、私もどこまで自分の事を話せば良いかわからず、そのままにしておりました。彼にとって私は十分『怪しい人間』でしょう?」
「アリス様・・・・・・」
「そんな私が、突然皇后陛下に向かって走って行ったのです。皇宮の治安を守る騎士ならば当然の行動かと。だから、どうか彼を責めないで下さい」
体は打撲と擦り傷で痛いし、発言に腹の立つところもあった。しかし、自分も怪しまれる行動をとったのも事実。
皇宮近衛騎士としてのケビンの行いは、間違いだったとは言い難い。
「よろしいのですか?免職にした上にニールズ家から勘当処分にしても良いのですよ?」
ケビンの伯母がとんでもない事を口にする。
「そこまでして頂かなくて結構です!」
そんな事になったら、さすがにケビンが可哀想だし、こちらも後味が悪い。
「そのようなお怪我までされたのに・・・・・・寛大なお心に感謝致します」
アリスの言葉に感銘を受けたが、神妙な面持ちで首を振った。
「しかし、何も咎めが無いというのは、こちらの気が済みません。これは実家に連れ帰り、しばらく謹慎させましょう」
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