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エルとシータ
しおりを挟む宇宙で起きた大爆発の影響で、人類は滅亡の危機を迎えていた。
放射能汚染で死の星と化した地球は、豊かな大地を失い気温上昇や水不足など様々な問題を抱えている。
ここは「エピゾシティ」。核シェルターの技術を用いて設計された特殊な地下施設。
高度な文明を保持することに成功したコミュニティ「エピゾシティ」では、人類存続をかけて懐妊のための治療が日夜行われている。
全大爆発の影響か人々は子孫を残すのが難しくなっていた。
この世界にはΩ、α、βの他に、これまで隠されてきた特殊な属性が存在している。
λとμ。
ラムダ( λ)は「αの生殖能力を高める特殊能力」を持ち、ミュー(μ)は「Ωの生殖能力を高める」特殊能力を持つ。人間と妖精のハーフであり、長寿。自らは生殖機能を持たない。
エピゾシティの秘密機関、懐妊特別対策室。
Ωとαの番を対象に、懐妊のための特別治療を行う施設だ。
「エル様、次の患者さんです。」
幼い顔立ちの小柄な少年は舌足らずな口調でそう言うと、白衣の男に資料を手渡した。
ふわふわとした綿飴のような白髪。どう見ても成人した大人には見えない。
150cmほどしかない小柄な体躯にあどけない表情。
彼の名は「シータ」。μ属性。ミューは元来あまり成長せず、どんなに年齢を重ねても少年のような姿のままだ。
「ありがとう、シータ。」
資料を受け取った長身の男性。褐色の肌に銀色のストレートロングヘア 。耳はエルフのようにピンと尖っている。穏やかな笑みを浮かべる彼は、λ属性の青年だ。ラムダは20~30代の姿でいるものが多い。見た目はあまり歳を取らない。
彼らはペアで懐妊治療にあたっている。
今日もまた、新たな番がこの施設の門を潜ったようだ。
「次の患者さん、中へどうぞ。」
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