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アイドルプロデュース
しおりを挟む私はダメリア王国の王女、緋紗子。
天性のアイドルオタクだ。
王女の地位と特権を行使して、自分好みのイケメンアイドルグループをプロデュースするという夢を叶えた。
私は今、アイドルグループ、「ラジェム」のイケメンたちと、衣装合わせの真っ最中。
イケメン相手に、趣味丸出しの着せ替えごっこが出来るこの瞬間は、私にとって最高に幸せな時間だ。
「凪、こっちも着てみてくれる?」
「わかった。」
大きな鏡の前に立つ凪は、薄ピンク色の綺麗な髪を揺らしながら首を縦に振った。
感情表現が乏しくいつも無表情だけれど、時折見せるレアな微笑みがたまらないクール系アイドルだ。
「夕雨は、こっちの衣装着てみて?」
「緋紗ちゃんのためなら、喜んで。」
夕雨は、グループのムードメーカー。
いつも明るく元気いっぱい、人懐っこい笑顔で周りを幸せにしてくれる。
小柄で幼い顔立ちをしている可愛い系男子だが、中身は実に男っぽい。そのギャップにやられてしまう。
ラジェムのイケメンたちは、どんな衣装も完璧に着こなしてしまうので、毎回なかなか決められない。
「どうかなぁ、ねぇ、夏矢君、衣装どっちが良いと思う?」
「いや~これ選べないっすね。みんなマジでイケメンすぎ!」
ラジェムのマネージャー夏矢も、これまた私好みのイケメン。
赤髪のウルフヘア、スタイルの良い彼は、ピッタリとした細身のパンツがとてもよく似合っている。
ラジェムのメンバーと並んでも全く違和感がない、ルックスの持ち主だ。
「なぁ、緋紗子。これ俺のイメージと違くね?」
ワンレンヘアをかっこよくかきあげながら試着室から出てきた央牙は、長身でがっしりとした肉体美と少々強面な顔が魅力的なワイルド系イケメン。
雰囲気から醸し出される悪っぽさが、女心を揺り動かす。
「央牙が王子系の衣装着てるの、新鮮で良いね。緋紗子さん、俺の衣装はどう?」
ラジェムのリーダー紫星は、ウェットな黒髪ゆるウェーブが似合うセクシー担当。
甘ったるいタレ目に見つめられると、どうにもいやらしい気持ちになってしまい、直視できない。泣きぼくろが彼のセクシーさを、さらに際立たせていた。
「紫星さんの衣装、ちょっとセクシー過ぎるかなぁ。」
「緋紗子さんに楽しんでもらうための衣装なんだから、緋紗子さん好みに染めて欲しいな。」
目のやりどころに困っていると、紫星の意味深な微笑みで悩殺される。
さすがアイドル。
彼らの笑顔を守るためなら、私はきっとどんなことだってするだろう。
「緋紗子の推しは、僕でしょう?」
カツン、と靴音を鳴らして颯爽と身を翻した金髪碧眼の王子様に、私の目は一瞬にして奪われた。
「綺羅・・・本物の王子様みたい・・・・♡」
綺羅はまさにプリンスと呼ぶにふさわしい風格を兼ね備えている。
アイドルになるために生まれてきたような男だ。
サラサラの金髪、スラリと伸びた手足、キラキラと輝くようなオーラ。
「僕のフルール。君に最高の夢を見させてあげるよ。」
5人並ぶと、さらに彼らはオーラを増して、眩しいほどに美しい。
純白の衣装がよく似合う彼らの完璧な微笑みに、私は時を忘れて見惚れてしまった。
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