今日の僕と明日の僕は、違う男をアイシテル

aika

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♤『寸止め』 ※R-18

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執事の紫庵に送ってもらったおかげで、


流華は授業開始前に、教室に着くことができた。




遅刻ギリギリに到着したおかげで、自分の席がどこかわかる。





空いている席に座ると、


隣の席に突っ伏して眠っていた少年がむくりと起き上がった。




こちらをじっと見ている。




「咲羅、おはよう。」




抑揚の無い声。


覇気が全く感じられない。



緑色のマッシュルームヘア。


目がほとんど隠れているような、長く重たい前髪。





そんなんでちゃんと見えてんのかよ・・・





自分が怪訝な顔になっていることに気付き、


慌てて笑顔を作る。




「おはよう。・・・李念君・・・?」




紫庵から、咲羅の交友関係を色々と聞き出しておいた。



こいつは恐らく、李念 浅葱。



咲羅が同じクラスで一番仲良くしている人物のはずだ。


わかりやすい容姿で助かった。




「・・・・今日の咲羅、なんか違う。」




物静かで、ぼんやりした奴と聞いていたが、


意外と勘のイイ奴らしい。




「そうかな?」



「咲羅が遅刻なんて珍しい。」



「遅刻じゃないよ、ギリギリ間に合ったから。」




ニッコリと、咲羅スマイルを無理に作る。




「・・・ふうん。」




どうでもいい、という顔で、李念はまた机に突っ伏して眠り始めた。




なんだコイツ。

こういうタイプは、調子が狂う。




咲羅は学校生活で、かなり注目されている生徒らしかった。


廊下を歩いていたら、先輩、後輩、同級生、教師、ほとんどの人間が咲羅を見る。



天使のようなルックスで、まさに学園の人気者、という感じだ。





堂鳳という咲羅を振った相手がどんな奴なのか、俺は気になっていた。


清純で美しいあの天使を泣かせるのは、一体どんな男なのか。







「咲羅、」



放課後、廊下を歩いていたら、すれ違った長身の男に呼び止められた。



「ひどいな。無視するなんて。」



ははは、と自虐的に笑う爽やかな男。



こいつか。



財閥の御曹司、生徒会長、文武両道のイケメン。


咲羅の、元恋人。





「気付かなかったです。すみません、先輩。」



振っといて無神経に話しかけてくるか。


へぇ。




咲羅スマイルを向けると、堂鳳は傷ついたような顔をした。




なんだよコイツ、咲羅に未練たらたらじゃねぇか。




「何か用ですか?僕、急いでるんですけど。」


わざと冷たい言い方をする。



「咲羅・・・2人で話せないかな?」



「今、話してます。なんですか?」



「悪かったと思っているんだ。もう一度2人でゆっくり話がしたい。」




掛かったな。

流華は内心ほくそ笑んだ。




こういうタイプは簡単に落ちる。


いつもチヤホヤされているから、自分の価値を認めようとしない人間が許せない。


冷たくしてやると、馬鹿みたいに顔色を変えて、ホイホイついて来るんだよな。





「いいですよ。」



流華は、いつもの悪魔のような笑みを浮かべた。









生徒会室。


今日は活動がない日だから、と彼に連れてこられた。




「堂鳳・・・・先輩・・」




教室に入ると、

黒縁ヘアの真面目そうな少年が、ホワイトボードの文字を消しているところだった。



その少年がこちらを見て、驚いた表情を浮かべたのを、

流華は見た。




へぇ。なるほどねぇ。

これは面白い。




「白桃君、悪いけど、外してもらえるかな。」



堂鳳の顔を一瞬、抗議するように見つめたメガネの少年は、

荷物を持って教室を飛び出して行った。



「先輩、話ってなんですか?」


「その・・・咲羅悪かった。君を振るなんて、どうかしてたよ。」


「なんで僕を振ったの・・・?」


「君が・・・・もう1年も付き合っているのに、なかなか身体を許してくれないから・・・私のことをどう思っているのか、不安になってしまってね・・。」



げ。

マジかよ。

咲羅の清純さは見た通りってわけか。



流華は内心、目の前の男に同情したい気持ちになった。




「それで、彼と浮気したの?」


「え・・・・?」


「さっきの彼。」


「どうして・・・・」



浮気がバレないと高を括っていたらしい。


さっきの少年とこいつは、完全に寝てる。




「ねぇ、先輩・・・そんなに僕とシたいの?」



「な・・っ、さ、咲羅・・・?」



いつもと様子の違う咲羅に戸惑う様子が、

おかしかった。



こういう奴は、とことんいじめ抜いてやらないとな。



悪魔のような流華の本性がうずく。



男はみんな俺の意のままに操ることができる。



頭が良い奴も、権力がある奴も、

みんな同じだ。



そういう男たちを、

自分無しでは生きていけない身体にする。



それが流華の悦びだった。





「そうなんでしょ?そんなに僕を抱きたい?」



たじろいでいる彼の股間を指で撫であげる。



「・・・ッ!!さ、咲・・・羅・・・・」







♢♢♢♢♢♢♢♢♢




ジュボジュボと、いやらしい音が、


静まりかえった教室に響き渡る。




「あ・・・っ、あぁ・・・」




机に浅く腰掛けた堂鳳が、


リズムよく与え続けられる快感に、


のけぞりながら喘いでいる。





彼のモノはパンパンに膨れ上がり、


今にも破裂寸前という状態で、


早く射精させてくれと懇願するように


いやらしく腰を揺らす。





清純な咲羅が、


口を窄めてペニスを吸い上げている顔は、


男にはたまらないだろう。





「さ・・咲、羅・・ぁ、あぁ・・・ッ、気持ちいいっ・・・あ、あ、」



口の中で、ますます大きさを増した奴のモノが、


フィニッシュが近いのを告げている。




苦しそうに息をしながら、前屈みになっている


堂鳳の顔を、わざと下から見上げてやった。




「あぁ・・・咲・・羅ぁ、」



上目遣いに興奮したのか、

奴が咲羅の名前を呼びながら苦しそうに喘いだ。



「あ・・!あ・・・っ、」



イキそうになると、舌の動きをわざと緩慢にして


射精できないように調節する。



「あ・・・、あぁ、、、」



イキたいのにイケない苦しさを、存分に身体に与えてやると、


奴は、懇願するような目で俺を見た。




「咲・・羅、、お願いだ・・・」




この顔だ。

俺が見たかったのは。




快楽を与えて、散々に焦らしてやる。



この顔が、俺はたまらなく好きなんだ。



俺の手の内で、快楽に喘ぐ男の顔。





一度深く根元まで咥えてやると、


奴は体をのけぞらせ、声をあげた。



「あ・・ッ、あッ、イ・・・」



次の瞬間、


勢いよく、口からペニスを引き抜く。



じゅぽん、といやらしい音が響いた。




堂鳳は信じられないという表情で、


俺を見ている。




射精する直前で、快楽を奪われた男の顔。



虚しく自慰でもなんでもすればいい。




「僕、用事があるの忘れてました。」



ニッコリと、咲羅スマイルをお見舞いしてやる。




「そんな、さ、咲羅・・・っ、」





だらしなく膝までズボンを下げて、


ペニスが勃ち上がったままの堂鳳を残し、


俺は軽やかに生徒会室を後にした。






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