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♤『天使と悪魔』
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流華は、鏡の中の天使と見つめ合っていた。
「なんで泣いてるの?」
天使のような少年に、
懐かしい気持ちを抱いている自分が不思議で、
その答えを知りたかった。
鏡の向こう側、
彼の後ろに
青いステンドグラスが見えた。
差し込んでいる光が、弱まっていく。
『君は・・・・君は誰なの・・?』
天使の声が小さくなり、
姿が遠く、暗闇の中に沈んでいく。
待って。
行かないで。
「俺は、流華・・。天城 流華・・・・」
誰ともわからない少年を、
引き止めたくて、
必死に手を伸ばした。
『僕は、・・・花宮、咲羅・・・、』
古い映像のように、天使の顔にノイズが走る。
ぼんやりとその姿が、消えてゆく。
咲羅。
俺は、少年の名を叫んでいた。
光が消え、
全てが闇に吸い込まれるように、消えていった。
「咲・・羅・・・・」
いつの間にか夕陽が落ち、
あたりを闇が占領している。
古く錆び付いた大きな鏡が、
流華の青白い顔を
不気味に写し出していた。
「花宮 咲羅・・・・。」
確かめるように、
天使の名前を、口にする。
俺はどこかで・・・・
あの天使と会っている。
「なんで泣いてるの?」
天使のような少年に、
懐かしい気持ちを抱いている自分が不思議で、
その答えを知りたかった。
鏡の向こう側、
彼の後ろに
青いステンドグラスが見えた。
差し込んでいる光が、弱まっていく。
『君は・・・・君は誰なの・・?』
天使の声が小さくなり、
姿が遠く、暗闇の中に沈んでいく。
待って。
行かないで。
「俺は、流華・・。天城 流華・・・・」
誰ともわからない少年を、
引き止めたくて、
必死に手を伸ばした。
『僕は、・・・花宮、咲羅・・・、』
古い映像のように、天使の顔にノイズが走る。
ぼんやりとその姿が、消えてゆく。
咲羅。
俺は、少年の名を叫んでいた。
光が消え、
全てが闇に吸い込まれるように、消えていった。
「咲・・羅・・・・」
いつの間にか夕陽が落ち、
あたりを闇が占領している。
古く錆び付いた大きな鏡が、
流華の青白い顔を
不気味に写し出していた。
「花宮 咲羅・・・・。」
確かめるように、
天使の名前を、口にする。
俺はどこかで・・・・
あの天使と会っている。
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