【※R-18】振られた恋の復讐で、組織の男を全員味見させていただきます。

すれ違い

昔・・
鈴宮すずみやは初陣の直前、私に問いかけた。
俺との未来を選ぶか、ここで何もなかったことにするか選べと。

あの時は・・彼をずるい男だと思った。
私は彼の魅力に夢中だったし、彼も同じ気持ちだと思っていたから。

全責任を私に押し付けて、彼は二人の未来の行く末を私に任せた。
それが許せなくて、丸投げするほどどうでも良い関係だったのだと不貞腐れて、私は彼から離れのだ。

今思えばあれは彼の優しさだったのだと痛いほどわかる。
あの当時の私は戦争の意味も恐ろしさも、何もわからない若者だった。


「なんであの時・・・そう言ってくれなかったの？」

「好きだ」という言葉を、彼の口から聞いたのは今日が初めてだ。
鈴宮は経験を積んだせいか数年前より逞しくなり、イケメン度を増している。

「・・俺のことを簡単に諦めたくせに、今更なんだ。」

「諦めたって何？何も始まってなかったじゃない。」

「散々寝たのにか？」

「な・・・２、３回寝ただけでしょう。」

誰とも群れず、上官にも媚びず、自分を持っている彼に、私は憧れていたのだ。
その強さがまぶしかった。

「俺との未来を、迷わず選んで欲しかった。」

「鈴宮さん、私のことどうでも良いと思ってるんだって・・そう思ったんだもん。」

死んだと思っていた恋人が、生きて戻ってきたような、複雑な感情。

「俺はどうでも良い女と、寝たりしない。」

彼の逞しい腕が、私の身体を包み込んだ。
何年ぶりだろう。彼の体温、息遣いを感じるのは。

（数年越しの愛・・・これは盛り上がりそう・・・♡）