【※R-18】振られた恋の復讐で、組織の男を全員味見させていただきます。

乱れる感情

元カレ、鈴宮すずみや 隆晴たかはると二人きり。
今朝方まで水崎みずさきと愛しあったこの部屋に、彼を招き入れるのは気まずかった。

「それで・・話って何？」

「水崎のことだ。」

「水崎君が何？私と水崎君が仲良くしたって何の問題もないでしょ。」

イライラする。
私の交友関係に口を出すのはやめて欲しい。

（もしかして、ただのヤキモチとか・・・？いや、そんなはずないよね・・！）

橘たちばなさんに京治きょうじ君・・最近の私は妙にモテている。
浅はかな期待を一蹴しながらも、あわよくばという邪心を捨てきれない。


「お前がそんなに淫乱な女だったなんて知らなかった。俺の見込み違いだったな。」

「私に勝手に期待して、勝手に幻滅するのやめてよね。」

「水崎と寝てるだろう。」

「だったら何・・・・？」

彼の部下と寝ていることを知られ軽蔑されるかもという不安が過ぎったが、それはそれでオイシイ。
私はイケメンに冷ややかな視線を浴びせられるのが好きなのだ。

そして・・思い詰めた表情がよく似合うミステリアスな男、鈴宮 隆晴に多少の未練がある。

「あいつと寝るのはやめてくれ。」

「水崎君が怪我したら、大変だもんね。」

オーブのバランスが崩れると、戦闘中に予期せぬ事故が起こりかねない。
毎日のように私と寝ているせいで、彼の身体に変化が起こるのは時間の問題だろう。

「勘違いするな、そうじゃない。」

鈴宮は私の腕を両手で押さえ込み、唇が触れ合う寸前で動きを止める。

「な・・・何・・・っ」

「馬鹿馬鹿しくて笑えんが、俺はまだお前が好きだ。」

ざらりと耳にまとわりつく、低くて太い、彼の声。
以前ベッドで聞いた彼のアノ時の声が蘇って、身体が震えた。

「何・・・言って・・・」

「お前があいつと寝ると、俺の感情が乱れておさまらない。」

「鈴宮さ・・」

「頼む。あいつと別れてくれ。」

いつだって自分を曲げず頑なな態度の鈴宮が、すがるように私を見ている。

（こんなイケメンを拒むとか・・無理でしょ・・・・♡）

寂しさが浮かぶ彼の瞳に、私は昔から弱かった。