BOYS

aika

文字の大きさ
上 下
39 / 61

♤『美少年』(SIDE 早川 亮)※R-18  ギタリスト(先輩)Xギタリスト(後輩)

しおりを挟む
~~~~登場人物~~~~



♤早川 亮(はやかわ あきら)23歳 

ロックバンドSAWのギタリスト。
黒髪に白メッシュ。タレ目だが目力のあるイケメン。
いつも仏頂面で、眉間にシワを寄せている。愛煙家。
雷の一番の理解者で、弟のように可愛がっている。
Crossのギタリスト慎は、同棲していた元恋人。慎への気持ちを引きずっている。


♤白鳥 慎(しらとり しん) 20歳 

ロックバンドCrossのギタリスト。
艶黒髪。おかっぱ。美少年。着物が似合いそうな美しい顔立ち、気品のある少年。
亮とは同郷で元恋人同士。誰に対しても敬語で話す。


~~~~~~~~~~



♤『美少年』 (SIDE 早川 亮)




俺には忘れられない人がいる。


初恋の相手。

白鳥 慎。



俺と同じギタリストで、今はCROSSというバンドのギターを担当している。



慎とは地元の小さなライブハウスで出会った。


俺は当時、高校の同級生たちと結成したバンドで、ギターを担当していた。

慎と初めて会った夜のことは、今でも昨日のことのようにはっきりと思い出すことが出来る。



当時15歳だった慎は、ライブハウスの経営者である宏美さんの甥っ子でよく出入りしていた。

噂には聞いていたけれど、彼はライブハウスにいるようなタイプではない。

かなり浮いた存在だった。



「亮、俺の甥っ子。」


「はじめまして。白鳥慎です。」



宏美さんに慎を紹介された時、ひと目見て俺は息を飲んだ。

美しい。


そう思った。



肩までストンと綺麗に伸びたストレートヘア、前髪もサイドも真っ直ぐに切りそろえられ、

どこからどう見ても良家の気品あふれるご子息、という風体。


美少年、と言うにふさわしい整った顔立ちには、幼さと妖艶さが共存している。

清純を絵に描いたような慎の風貌に、俺は言葉が出てこなかった。




彼は進学校として名高い中学に通う秀才で、

父親は医者、母親はバイオリニスト、という家庭で育ったサラブレッドだった。


そんなお坊ちゃんがライブハウスに通うのは、一種の反抗か社会見学の延長なのか。

半信半疑だった俺の考えを、ガラリと変える出来事があった。



俺たちのバンドと人気を分ける学生バンドのギターが怪我をして、当日穴を開けた。

代打で出たのは、白鳥慎。


彼の演奏を聴いて、俺は言葉が出なかった。


彼は、ギターの天才。その場にいた誰もがそう思っただろう。




慎は絶対音感の持ち主で、一度聞いた曲はそのままコピーしてすぐに弾くことができた。



「お前、天才だったんだな。」


「僕はただ、ギターが好きなだけです。」



慎はピアノとバイオリンを習っているらしかった。

両親の要望で始めたけれど、一番好きな楽器はギター。

叔父の宏美さんは元ギタリストだ。
彼から教えてもらったのがきっかけでハマったらしい。


ギターをやりたいと両親に打ち明けることさえ出来ずに、内緒でライブハウスに出入りしていると言った。




「僕、あなたのギターが好きなんです。初めて聴いた時から、ずっとファンでした。」


慎は、真っ直ぐな瞳で俺を捕らえてそう告げた。



それから俺と慎は、2人でよくギターの練習をするようになった。



俺は当時親父が用意したマンションで一人暮らしをしていた。

親父は医者で、俺も敷かれたレールの上を生きていくはずだった。

高校は地元の有名な進学校で、医者を目指すことに何の疑問も持たず生きていた。



ギターに出会って、俺の人生は全て変わってしまった。




♢♢♢♢♢♢♢♢♢




「亮さんの通っている高校を受験する予定なんです。」


ある日いつものように俺の部屋でギターの練習をしていた時、慎は言った。



「医者に、なるのか?」


「医者か、ピアニストか、バイオリニスト、です。」



当時の慎は、両親の願いを必死に背負おうとしていた。



本当は、ギターが弾きたい。

ギタリストになりたい。



そんな彼の本音を何度も聞いていた俺は、自分と似たような境遇の彼に肩入れしていた。




「お前が本当にやりたいことって何?」




それは自分に対する問い掛けでもあったと思う。

俺は医者になる約束で進学校に進んだが、大学を受験する気持ちはとうになくなっていた。



俺は何よりもギターが好きだ。



その気持ちは日に日に大きくなって、自分を誤魔化せないところまで、たどり着いてしまった。



メジャーデビューして、一生ギターひとつで生きていく。

それが俺の道だ。覚悟を決めた。



そう決意して親父に殴られ、勘当されて、自分の力だけで生きていくことになった。



メンバーは大学へ進学し、バンドは解散。

そんな時、バンドメンバーを探していた綾に声をかけられて、SAWのギターを担当することになった。



地元を出て、上京する。

人生が一気に動き出していた。



驚いたのは、慎が俺と同じ道を選んだこと。


「亮さん、僕も・・一緒に連れて行ってください!」


彼の必死な表情は初めて見た。


俺は心を大きく揺さぶられて、自分の生活さえままならない状態なのに、

慎を支えて共に生きようと、勝手にそう決意していた。


彼は、今まで出会ったどんな人間とも違う。


俺の人生にとって大きな意味を持つ存在なのだという確信があった。




慎の両親はもちろんすぐには首を縦に振らなかったけれど、

都内の進学校に通い医者を目指しながら、ギタリストになる夢に挑戦するという譲歩案で了承してくれた。


高校を卒業するまでにギタリストとして芽が出なければ、医者になる。

そう約束して、慎は俺のもとに上京してきた。




バイトを掛け持ちしながら、バンドの練習に明け暮れる日々。

慎とは、ルームシェアという形で同居していた。




「亮さん、今日は僕が晩ご飯を用意しました。」



なんでもうまくこなす慎が、唯一苦手なのが料理だった。


高校三年間を自炊で過ごした俺は、料理は苦にならなかったので

毎日慎の分も作っていたが、その日は慎が晩ご飯を用意して待っていてくれた。



「慎、お前、その指・・・」



見ると、彼の白くて綺麗な指にたくさん絆創膏が巻かれている。


「亮さん、毎日忙しいから、僕も何かしたくて・・・」



指は切るし、砂糖と塩を間違える。

慎の料理は散々な出来栄えだったが、俺は心底嬉しかった。



気付いたら、慎を抱き寄せて、唇を重ねていた。



「亮さん・・・・っ」


「なぁ・・・お前、可愛いな、」


「な・・・亮さん、バカに・・してるんですか・・・っ」



顔を真っ赤にして長い睫毛を伏せた彼の美しさに、俺は欲情してしまった。




高校生になった慎は、日に日に妖艶さを増していた。

目を合わせるだけで変な気を起こしそうになる自分をなんとか抑える。


そんな生活はもう限界だった。



「反則。可愛すぎだろ・・・」


俺は理性が効かず、慎の耳もとに唇を這わせる。


彼の身体が大きくびくりと震えた。


「ん・・っ、困ります・・・っ、こんな・・・」


俯いたまま、固まっている彼が可愛い。


「困ってんのは、俺。」




慎に触れたい。


いつもと違う表情をもっと見たい。


細い体を組み敷いて、深く繋がりたい。


俺なしでは生きていけないほどに、快楽に溺れさせたい。




次々と淫らな欲望が溢れ出てくる。




この清純で美しい顔を、俺の手で汚してしまいたい。




今まで押さえ込んでいた激しい欲情が、体内を暴れ回る。



「慎・・・好きだ。」


「亮さん・・・っ」



ソファに押し倒す。


いつの間にか大きく膨れ上がってしまった欲望を抑えられそうになかった。



慎が欲しい。



高校を卒業するまでは、待とうと思っていたのに。

一度スイッチが入ってしまった雄の欲望は、激しさを増すばかりで、どうにも止めることが出来なかった。




「亮さん・・・っ、」



怯えた表情で俺を見上げる慎を、優しく撫でる。


彼の綺麗な髪に指を通す。



あぁ。俺はずっとこの美しい身体に触れたかった。



彼はこの世に淫らな交わりがあるなんて知りもしないような無垢な表情で、


俺に身を任せた。





彼を抱きかかえて寝室へ運ぶ。

俺のベッドへ下ろすと、慎は恥ずかしそうに身動ぐ。




白い肌。

ピンクに色づく胸の蕾を指で転がすと、

ぴくん、と彼の身体が震えた。



華奢な身体。

女性のように細くしなやかな、手足。

全てが艶かしく、俺を誘惑する。



まだ幼さの残る彼の身体を暴くのは、

ひどく背徳的で、それがまた興奮を煽っていく。




「や・・・やだ・・っ」


ズボンを脱がし、下着に手を掛ける。


一枚ずつ剥いでいく過程が、

雄の欲望を膨れ上がらせ、思わず衝動的に動いてしまった。




彼のモノを口に含む。



やめてと懇願する彼の表情が、

たまらなく俺の下半身を刺激した。



初めての感覚に、目を閉じて耐える慎の顔。


根元から先端にかけて舌を這わせる。



「ダメ・・・っ亮さ・・ん・・・っ!!!」



何度も舌で往復すると、

ピュッ、と勢いよく、彼は精を吐き出した。



「ごめんなさ・・・い・・・ッ」



涙を浮かべて羞恥に耐える慎の顔は、

官能的で、俺はもう欲望を抑えられそうになかった。



つるりとした綺麗な肌。


双丘を鷲掴みにして激しく揉むと、彼が驚いて身を固くするのがわかった。


足を大きく開かせて秘部をじっくり見る。



キュウッと閉じた秘穴を指でほじくり、内側に指を押し込んだ。



「痛・・っ、あ、」



中指を一番奥まで進めると、ゆっくり抜き差しを繰り返す。



身体に入っていた力が徐々に抜けていき、怯えたような声音から、

甘さを含んだ声に変わっていった。



「あ・・ん・・・っあ・・!」



突然大きな声が出て、自分の声に驚いた慎は腕で口を隠すように覆った。



「慎の可愛い声、もっと聞かせて。」



腕を外してキスすると、彼は目から涙を流して快感に耐えていた。




指を二本に増やしてグググっと奥に押し込む。



中を探ると、ある部分に指先が触れた途端、彼は可愛い声で鳴いた。



「あ・・ッ、だめ・・・っ・・・あぁ・・ん」


彼のモノは腹部にぴったりとついてしまうほどに、硬く勃ち上がっていた。



「慎、もう我慢できない。お前の中に入りたい。」


ずるっと指を引き抜く。


慌てて下着を脱ぎ捨て、両膝を立てて自分の腹部に彼の中心を引き寄せる。



「慎、力抜いてろ。」


俺の先端を穴にあてがうと、怖いと彼が身体を竦めた。



先っぽを穴の中に押し込んでいく。



先の膨らみがおさまったところで、めまいがするほどの快感が下半身を覆い、

射精してしまいそうになった。



「く・・・っ、慎、力抜いて・・・」


「んん・・・ッ・・・・~~~ッ」



食いちぎられてしまいそうなほどの締め付けに、射精感が一気にこみ上げてくる。


一呼吸おいて落ち着かせると、再び腰を彼の中心に向けて進めていく。



彼の小さな穴の中に、俺のモノが全て飲み込まれ、

激しく腰を打ち付けたい衝動をなんとか押さえ込んで深呼吸を繰り返す。




「慎・・辛いか・・?」


彼は涙を流しながら首を横に振った。


「亮さん・・・・っ、どうしよ・・・・っ」


泣きながら声を上げる彼に、辛いのかと不安になり、

深く繋がった体勢のまま抱きしめる。



「慎、どうした・・?痛いか・・?」


「どうしよう・・・っ、僕・・、気持ち・・・イイ・・・ッ」



我慢の限界だった。



柔らかく俺を包み込んでいる慎の中に、抜き差しを繰り返す。


俺のモノが慎を気持ちよくしているかと思うと、

嬉しくて、もっと奥まで、と欲望が膨らんでいく。



「あ・・・ぁ、亮さ・・ぁん・・・・ッ」


慎の小さな穴の中に、自分のモノが咥え込まれていく様を見ながら

腰を打ち付ける。



長く持つはずがなかった。



「う~~っ、んん・・あぁ・・・ッ、亮さん・・・ッあきらさ・・・ぁん・・・」



いつもギターの弦を軽やかに弾く慎の綺麗な指が、シーツをギュッと掴み快楽に耐える。


俺の名前を叫びながら、快楽に溺れている慎が可愛くて、彼の全てを征服したいという

乱暴な欲望が暴れ回る。




恋焦がれた彼の透き通る白い肌。


彼の華奢な身体に己の欲望を突き立てる快感。



「慎・・好きだ・・ッ、慎・・・ッ」


彼の頭を撫でながら、一心不乱に腰を振る。



タンタンタン、とリズムよく打ち込む。



「あきら・・さん・・・もう・・・っあ、あ・・・!!」



腹部に彼の体液が勢いよくかかり、じわりと温かさを感じた。



慎の声とは思えない嬌声が耳から脳に届いて、

下半身がビリビリと痙攣する。



「あ・・・ッ、あ、慎・・・!中に出すぞ・・・ッ、出るッ・・・・!!!」




彼の最奥に、熱い欲望を解き放った。







~~~~~~~



疲れ果てて俺の腕の中で眠っている慎の頭を撫でる。


こんな気持ちは初めてだ。



惚れた相手と交わる行為が、こんなにも幸せを与えてくれるものだとは

知らなかった。



清純な慎を汚してしまったという罪悪感。



それ以上に、彼と愛し合ったという事実が、俺を深く満たしていた。




幼さの残る、彼の寝顔。


どんなことがあっても彼を守りたい。

彼の支えになりたい。



一生彼のそばで、守ってやりたい。



心から、そう思った。







♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢





「亮・・・?」


目の前に、俺を心配そうに見上げている夏の顔があった。



夏と初めて交わる。


そんな時に、慎との初体験の記憶を思い出している自分は

とんでもない半端者だ。



「悪い、何でもない。」



彼の赤い髪に触れる。


夏が好きだ。




そう思う気持ちは本物なのに、



俺の心の中にはいつまでも慎の記憶が居座っていた。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

温泉でイこう!~イきまくり漏らしまくりの超羞恥宴会芸~

市井安希
BL
男子大学生がノリでエッチな宴会芸に挑戦する話です。 テーマは明るく楽しいアホエロ お下品、ハート喘ぎ、おもらし等

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

とろとろ【R18短編集】

ちまこ。
BL
ねっとり、じっくりと。 とろとろにされてます。 喘ぎ声は可愛いめ。 乳首責め多めの作品集です。

受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店

ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。

新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~

焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。 美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。 スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。 これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語… ※DLsite様でCG集販売の予定あり

処理中です...