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♡『元カレ』(SIDE 水沢 千里)※R-18 ドS脳外科医X放射線技師
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~~~登場人物紹介~~~~
♡水沢 千里(みずさわ ちさと) 25歳 放射線技師
すらりとした長身。ドイツ人とのクォーター。薄茶色のサラサラヘア。
道原整形外科で放射線技師をしていたが、道原院長の兄が経営する桜浜総合病院に出向という形で異動。
祖父の看病のため、ドイツに行っていたが帰国。
相原拓也と付き合っていた。
超モテ男。街を歩いているとすぐにスカウトされるほどの、イケメン。
元カレの相原に未練がある。
♡相原 拓也(あいはら たくや) 27歳
道原鍼灸整骨院の若き院長。水沢千里の元カレ。
仕事に厳しく、優秀な院長。愛想が無い。かなりの硬派。馴れ合わず、媚びず、妥協しない。
仕事対する真摯な姿勢が評価され、医師、同僚、患者から信頼される男。
タレ目で甘いマスクだが、目力があり、芯が強い。
♡渡里 優羽(わたり ゆう) 24歳
道原鍼灸整骨院で働いている、鍼灸師。相原拓也の新しい恋人。
学生時代のあだ名は「王子」。
色素の薄い茶色のサラサラヘア、整った顔立ち、王子様のようなキラキラした見た目。
緑色の瞳が綺麗で、神秘的な印象。真面目で融通が効かないところがある。
♡賀流 達弥(がりゅう たつや) 脳神経外科医
桜浜総合病院に勤務する、優秀な脳神経外科医。
茶髪、真ん中分。普段は優しい医師だが、二面性がある。
裏表のはっきりした性格。
患者には優しいが同業には厳しい。俺様キャラで、心理的に刺さる暴言も多いが、仕事ができるため全面的に許されている。
放射線技師の水沢千里がお気に入りで、彼を痛めつけるのを楽しんでいる。
自信家で、好きな男の屈辱的な表情が大好物の歪んだ男。
~~~~~~~~~~
♡ 『元カレ』 (SIDE 水沢 千里)※R-18 脳外科医X放射線技師
ドイツから帰国して、すぐに拓也に会いに行った。
会いたくて会いたくてたまらなくて、帰国したその足で会いに行ったというのに、
部屋には新しい男がいた。
拓也も僕と同じ気持ちでいるとばかり思っていたから、その状況がまるで飲み込めず、自分の惨めさを受け入れるのに数日かかった。
日本を離れる時、別れようと言い出したのは僕だ。
拓也が新しい恋人を作っていたとしても、文句を言う権利はない。
拓也とは三年以上同棲していたから、何もかもがマンネリ気味で、エッチも付き合いたての頃みたいに燃え上がらなくなっていた。
退屈が何より嫌いな僕は、正直彼との関係に飽きてしまっていて、刺激に走りたい欲求があった。
そんな中、怪我をした祖父の介護をするという名目で、ドイツに行くチャンスが目の前に転がり込んだ。
親戚の中で医療関係者は僕だけで、幼少期に祖父と一緒に暮らしていたこともあり、僕が指名された。
僕は二つ返事で、ドイツへ行くことに決めた。
とにかく退屈な日常から抜け出して、環境を変えたいという願望があった。
拓也はすぐに賛成とは言わなかったけれど、祖父が怪我をしたと言うと、僕が帰国するまで待っていると言ってくれた。
お互い医療従事者だから、最終的には理解して後押ししてくれた。
その時点で僕は、拓也の元に戻るつもりはなかった。
拓也は一途で硬派な男だから、離れていたとしても約束通り僕を待っていてくれることはわかっていたけれど、物足りなさが勝ってしまった。
別れを切り出したら、拓也は別れたくないと言って気持ちを伝えてくれたけれど、僕にもう気持ちが無いなら仕方ないと、了承してくれた。
ドイツに行ってすぐに新しい恋人ができた。
滞在中にはドイツ人以外の恋人も数人出来て、色々な国の人と、グローバルな刺激のある一年半を過ごした。
けれど、一年を過ぎた頃から、拓也と別れたことを後悔する気持ちが大きくなった。
拓也の、あまり口には出さないけれど真摯に愛して大切にしてくれる男らしさが恋しくなっていた。
離れて気付くこともあると言うけれど、まさにそれだと思った。
硬派な拓也のことだから、一年半くらい離れていたからって、すぐに新しい恋人ができるなんてあるはずないと思っていたのに。
「拓也さん、僕そろそろ帰ります、」
玄関先で、僕と拓也が話していたら、気を遣って帰ろうとした新彼が荷物を持って出てきた。
拓也の新しい恋人。
「優羽、大丈夫だから、中で待っててくれ。」
それを見て、拓也が本気なのだと、すぐにわかった。
とても愛おしそうに彼を見ていたから。
あの頃僕に向けられていた眼差しが、今は新しい恋人に向けられている。
僕はただの元カレってわけね。
ショックというよりも、ただただ驚いて、僕は黙り込んでしまった。
本当に驚いた時は、何の感情も出てこないものなんだって、その時知った。
僕は数年前、道原整形外科で放射線技師として働いていて、拓也と出会った。
いつだって引く手数多で、自分から人を好きになったことがなかった僕は、硬派で誰に対しても態度を変えない拓也に興味を持ち、生まれて初めて自分から愛の告白をした。
彼も、僕と同じ気持ちだと言い、僕たちは恋人同士になった。
拓也と付き合って数ヶ月で、道原院長のお兄さんが経営する病院で指導にあたってほしいと依頼され、移籍することになった。
会える時間が減ったので、僕が拓也の部屋に転がり込む形で、同棲がスタートした。
僕の告白から始まった関係だったけれど、愛されているという自信があった。
クォーターの僕は、日本人離れした容姿でいつでも注目の的だったし、色々な人から無条件に愛をもらってきたことで、自分の価値を過大評価していたのかもしれない。
生まれて初めて自分が好きになった人に、振られた。
この事実を真っ向から受け止める自信がなかった。
日本を離れる直前まで働いていた桜浜総合病院は、道原院長のお兄さんが経営している。
桜浜院長は婿養子として病院を継ぎ、息子2人も医者だ。
心臓外科と脳神経外科が有名な病院で、たくさんの症例があり設備も最新のものばかりで、良い医者が揃っている。
日本に戻ったらまた勤務してほしいと院長に言われていたので、とりあえず帰国を知らせるために病院に足を運んだ。
「よお、久しぶりだな。」
嫌な相手と会ってしまった。
賀流達弥(がりゅう たつや)は、脳神経外科医の医師。
性格は歪みまくっていて問題行動だらけだが、手術の腕が一流のため病院側は容認している。
患者さんに対してはとても優しく、人格者を装っているけれど、同業者には厳しく、時には暴言を吐く二面性のある男だ。
「お久しぶりです。」
素っ気なく返すと、彼が威圧的に顔を近づけてきた。
「院長は出張で週明けまで戻らないぜ。本当にお前、タイミング悪いよな。」
賀流の二面性を知らない院長は、表の顔しか知らず、彼をとても気に入っていて
研究室と称した広い個室を与えているほどだ。
「俺の部屋にこいよ。」
誘われるのはいつものことだった。
彼は、ストーカー並みにしつこい。
ものすごい自信家で、世の中の人間は全員が自分に靡くのだと本気で思っている。
彼にしつこくされるたびに、拓也が心配していたことをふと懐かしく思い出した。
職場まで迎えに来てくれたこともある。
「お前の彼氏はどうした?今日はいねぇのかよ。」
心配して迎えに来た拓也と、賀流が鉢合わせしてあわや一触即発だったあの日のことを思い出す。
拓也は本当に僕を大事にしてくれていた。
「もうとっくに別れたし。」
気付いたらそう呟いていた。
激しいイライラがこみ上げてきて、拗ねたように吐き捨てた。
賀流が意地の悪い笑みを浮かべて、僕を見下す。
「なんだよ、お前、振られたのかよ。」
賀流の言葉が胸に刺さった。
僕はやっぱり平気じゃなかった。
自分で振った相手なのに、どうしてこんなに悲しいのか、自分でもまるでわからなかった。
「抱いてやろうか。」
「はぁ・・?」
「寂しいって、顔に書いてあるぜ。」
人生本当に何が起きるかわからない。
自分が振った相手に、新しい恋人が出来てショックを受ける。
大嫌いだと、軽蔑さえしていた男に言われるがままに、身を捧げる。
そんなことが、起きるなんて。
「おら、お前下手くそなんだよ。もっと舌使え。」
賀流の研究室。
黒革の悪趣味なソファーに踏ん反り返った我流の股間に頭を沈める。
命令されてフェラなんて、屈辱的な行為に従う自分は、嘘みたいに興奮している。
今までのどんな恋愛でも、自分が上に立って相手を動かしてきた。
僕のことを好きでたまらないと言うから、大切にしてくれるから、いい気になって
自分は価値のある人間だと信じていられた。それなのに。
一番大切にするべき人を平気で傷つけて、気持ちを弄んで、それが許されると本気で思っていたんだ。
歪んでるのは自分の方だ。
「もっとうまくしゃぶれないのかよ。」
「んんっ・・・・・!!ウッ・・・!!」
頭を掴まれて、喉の奥にペニスを突き立てられる。
吐き気と喉の痛みで、声がでない。涙が溢れる。
「いい顔してんな。きれいな顔が台無しだぜ。」
心底可笑しいというように、賀流は笑った。
屈辱とはこういうことか。唾液がだらだらとこぼれ落ちて、
目からは涙が次から次に溢れてくる。
喉の奥まで突っ込まれて、息が苦しい。
今すぐにでも逃げ出したいはずなのに、
僕の下半身は、痛いほどに勃ち上がっていた。
興奮がおさまらない。
熱を吐き出したい一心で、腰がいやらしく揺れる。
「なんだよ、お前、感じてんのか?」
「んぅ・・・!うぅっ・・・・!!」
腫れ上がった下半身を、グリグリと足で踏みつけられ、
僕は下着の中に思い切り射精してしまった。
「イッたのかよ?」
賀流が僕を嘲笑う。
射精した直後なのに、僕の熱は一向におさまりそうになかった。
僕は新たな刺激に、目覚めてしまった。
大嫌いな男に、陵辱され、罵られながら絶頂に達するという快感を
知ってしまった。
賀流は惨めな僕の姿に興奮したようで、
勝手に僕の口の中で腰を振って、大量の精液を吐き出した。
愛のあるセックスで物足りなさを感じていた僕が、
愛のないセックスに取り憑かれてしまうなんて、皮肉な話だ。
「なぁ、俺のおもちゃになれよ。」
どこまでも賀流は、賀流らしかった。
「院長に口利きしてくれるならいいよ。」
「口利き?」
「僕が、道原整形に戻れるように。」
賀流と僕の利害関係が一致したので、僕たちは愛の無い性行為を楽しむ間柄になった。
全く冷めそうにない熱を身体に隠したまま、賀流の着替えを借りて家に帰った。
♡水沢 千里(みずさわ ちさと) 25歳 放射線技師
すらりとした長身。ドイツ人とのクォーター。薄茶色のサラサラヘア。
道原整形外科で放射線技師をしていたが、道原院長の兄が経営する桜浜総合病院に出向という形で異動。
祖父の看病のため、ドイツに行っていたが帰国。
相原拓也と付き合っていた。
超モテ男。街を歩いているとすぐにスカウトされるほどの、イケメン。
元カレの相原に未練がある。
♡相原 拓也(あいはら たくや) 27歳
道原鍼灸整骨院の若き院長。水沢千里の元カレ。
仕事に厳しく、優秀な院長。愛想が無い。かなりの硬派。馴れ合わず、媚びず、妥協しない。
仕事対する真摯な姿勢が評価され、医師、同僚、患者から信頼される男。
タレ目で甘いマスクだが、目力があり、芯が強い。
♡渡里 優羽(わたり ゆう) 24歳
道原鍼灸整骨院で働いている、鍼灸師。相原拓也の新しい恋人。
学生時代のあだ名は「王子」。
色素の薄い茶色のサラサラヘア、整った顔立ち、王子様のようなキラキラした見た目。
緑色の瞳が綺麗で、神秘的な印象。真面目で融通が効かないところがある。
♡賀流 達弥(がりゅう たつや) 脳神経外科医
桜浜総合病院に勤務する、優秀な脳神経外科医。
茶髪、真ん中分。普段は優しい医師だが、二面性がある。
裏表のはっきりした性格。
患者には優しいが同業には厳しい。俺様キャラで、心理的に刺さる暴言も多いが、仕事ができるため全面的に許されている。
放射線技師の水沢千里がお気に入りで、彼を痛めつけるのを楽しんでいる。
自信家で、好きな男の屈辱的な表情が大好物の歪んだ男。
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♡ 『元カレ』 (SIDE 水沢 千里)※R-18 脳外科医X放射線技師
ドイツから帰国して、すぐに拓也に会いに行った。
会いたくて会いたくてたまらなくて、帰国したその足で会いに行ったというのに、
部屋には新しい男がいた。
拓也も僕と同じ気持ちでいるとばかり思っていたから、その状況がまるで飲み込めず、自分の惨めさを受け入れるのに数日かかった。
日本を離れる時、別れようと言い出したのは僕だ。
拓也が新しい恋人を作っていたとしても、文句を言う権利はない。
拓也とは三年以上同棲していたから、何もかもがマンネリ気味で、エッチも付き合いたての頃みたいに燃え上がらなくなっていた。
退屈が何より嫌いな僕は、正直彼との関係に飽きてしまっていて、刺激に走りたい欲求があった。
そんな中、怪我をした祖父の介護をするという名目で、ドイツに行くチャンスが目の前に転がり込んだ。
親戚の中で医療関係者は僕だけで、幼少期に祖父と一緒に暮らしていたこともあり、僕が指名された。
僕は二つ返事で、ドイツへ行くことに決めた。
とにかく退屈な日常から抜け出して、環境を変えたいという願望があった。
拓也はすぐに賛成とは言わなかったけれど、祖父が怪我をしたと言うと、僕が帰国するまで待っていると言ってくれた。
お互い医療従事者だから、最終的には理解して後押ししてくれた。
その時点で僕は、拓也の元に戻るつもりはなかった。
拓也は一途で硬派な男だから、離れていたとしても約束通り僕を待っていてくれることはわかっていたけれど、物足りなさが勝ってしまった。
別れを切り出したら、拓也は別れたくないと言って気持ちを伝えてくれたけれど、僕にもう気持ちが無いなら仕方ないと、了承してくれた。
ドイツに行ってすぐに新しい恋人ができた。
滞在中にはドイツ人以外の恋人も数人出来て、色々な国の人と、グローバルな刺激のある一年半を過ごした。
けれど、一年を過ぎた頃から、拓也と別れたことを後悔する気持ちが大きくなった。
拓也の、あまり口には出さないけれど真摯に愛して大切にしてくれる男らしさが恋しくなっていた。
離れて気付くこともあると言うけれど、まさにそれだと思った。
硬派な拓也のことだから、一年半くらい離れていたからって、すぐに新しい恋人ができるなんてあるはずないと思っていたのに。
「拓也さん、僕そろそろ帰ります、」
玄関先で、僕と拓也が話していたら、気を遣って帰ろうとした新彼が荷物を持って出てきた。
拓也の新しい恋人。
「優羽、大丈夫だから、中で待っててくれ。」
それを見て、拓也が本気なのだと、すぐにわかった。
とても愛おしそうに彼を見ていたから。
あの頃僕に向けられていた眼差しが、今は新しい恋人に向けられている。
僕はただの元カレってわけね。
ショックというよりも、ただただ驚いて、僕は黙り込んでしまった。
本当に驚いた時は、何の感情も出てこないものなんだって、その時知った。
僕は数年前、道原整形外科で放射線技師として働いていて、拓也と出会った。
いつだって引く手数多で、自分から人を好きになったことがなかった僕は、硬派で誰に対しても態度を変えない拓也に興味を持ち、生まれて初めて自分から愛の告白をした。
彼も、僕と同じ気持ちだと言い、僕たちは恋人同士になった。
拓也と付き合って数ヶ月で、道原院長のお兄さんが経営する病院で指導にあたってほしいと依頼され、移籍することになった。
会える時間が減ったので、僕が拓也の部屋に転がり込む形で、同棲がスタートした。
僕の告白から始まった関係だったけれど、愛されているという自信があった。
クォーターの僕は、日本人離れした容姿でいつでも注目の的だったし、色々な人から無条件に愛をもらってきたことで、自分の価値を過大評価していたのかもしれない。
生まれて初めて自分が好きになった人に、振られた。
この事実を真っ向から受け止める自信がなかった。
日本を離れる直前まで働いていた桜浜総合病院は、道原院長のお兄さんが経営している。
桜浜院長は婿養子として病院を継ぎ、息子2人も医者だ。
心臓外科と脳神経外科が有名な病院で、たくさんの症例があり設備も最新のものばかりで、良い医者が揃っている。
日本に戻ったらまた勤務してほしいと院長に言われていたので、とりあえず帰国を知らせるために病院に足を運んだ。
「よお、久しぶりだな。」
嫌な相手と会ってしまった。
賀流達弥(がりゅう たつや)は、脳神経外科医の医師。
性格は歪みまくっていて問題行動だらけだが、手術の腕が一流のため病院側は容認している。
患者さんに対してはとても優しく、人格者を装っているけれど、同業者には厳しく、時には暴言を吐く二面性のある男だ。
「お久しぶりです。」
素っ気なく返すと、彼が威圧的に顔を近づけてきた。
「院長は出張で週明けまで戻らないぜ。本当にお前、タイミング悪いよな。」
賀流の二面性を知らない院長は、表の顔しか知らず、彼をとても気に入っていて
研究室と称した広い個室を与えているほどだ。
「俺の部屋にこいよ。」
誘われるのはいつものことだった。
彼は、ストーカー並みにしつこい。
ものすごい自信家で、世の中の人間は全員が自分に靡くのだと本気で思っている。
彼にしつこくされるたびに、拓也が心配していたことをふと懐かしく思い出した。
職場まで迎えに来てくれたこともある。
「お前の彼氏はどうした?今日はいねぇのかよ。」
心配して迎えに来た拓也と、賀流が鉢合わせしてあわや一触即発だったあの日のことを思い出す。
拓也は本当に僕を大事にしてくれていた。
「もうとっくに別れたし。」
気付いたらそう呟いていた。
激しいイライラがこみ上げてきて、拗ねたように吐き捨てた。
賀流が意地の悪い笑みを浮かべて、僕を見下す。
「なんだよ、お前、振られたのかよ。」
賀流の言葉が胸に刺さった。
僕はやっぱり平気じゃなかった。
自分で振った相手なのに、どうしてこんなに悲しいのか、自分でもまるでわからなかった。
「抱いてやろうか。」
「はぁ・・?」
「寂しいって、顔に書いてあるぜ。」
人生本当に何が起きるかわからない。
自分が振った相手に、新しい恋人が出来てショックを受ける。
大嫌いだと、軽蔑さえしていた男に言われるがままに、身を捧げる。
そんなことが、起きるなんて。
「おら、お前下手くそなんだよ。もっと舌使え。」
賀流の研究室。
黒革の悪趣味なソファーに踏ん反り返った我流の股間に頭を沈める。
命令されてフェラなんて、屈辱的な行為に従う自分は、嘘みたいに興奮している。
今までのどんな恋愛でも、自分が上に立って相手を動かしてきた。
僕のことを好きでたまらないと言うから、大切にしてくれるから、いい気になって
自分は価値のある人間だと信じていられた。それなのに。
一番大切にするべき人を平気で傷つけて、気持ちを弄んで、それが許されると本気で思っていたんだ。
歪んでるのは自分の方だ。
「もっとうまくしゃぶれないのかよ。」
「んんっ・・・・・!!ウッ・・・!!」
頭を掴まれて、喉の奥にペニスを突き立てられる。
吐き気と喉の痛みで、声がでない。涙が溢れる。
「いい顔してんな。きれいな顔が台無しだぜ。」
心底可笑しいというように、賀流は笑った。
屈辱とはこういうことか。唾液がだらだらとこぼれ落ちて、
目からは涙が次から次に溢れてくる。
喉の奥まで突っ込まれて、息が苦しい。
今すぐにでも逃げ出したいはずなのに、
僕の下半身は、痛いほどに勃ち上がっていた。
興奮がおさまらない。
熱を吐き出したい一心で、腰がいやらしく揺れる。
「なんだよ、お前、感じてんのか?」
「んぅ・・・!うぅっ・・・・!!」
腫れ上がった下半身を、グリグリと足で踏みつけられ、
僕は下着の中に思い切り射精してしまった。
「イッたのかよ?」
賀流が僕を嘲笑う。
射精した直後なのに、僕の熱は一向におさまりそうになかった。
僕は新たな刺激に、目覚めてしまった。
大嫌いな男に、陵辱され、罵られながら絶頂に達するという快感を
知ってしまった。
賀流は惨めな僕の姿に興奮したようで、
勝手に僕の口の中で腰を振って、大量の精液を吐き出した。
愛のあるセックスで物足りなさを感じていた僕が、
愛のないセックスに取り憑かれてしまうなんて、皮肉な話だ。
「なぁ、俺のおもちゃになれよ。」
どこまでも賀流は、賀流らしかった。
「院長に口利きしてくれるならいいよ。」
「口利き?」
「僕が、道原整形に戻れるように。」
賀流と僕の利害関係が一致したので、僕たちは愛の無い性行為を楽しむ間柄になった。
全く冷めそうにない熱を身体に隠したまま、賀流の着替えを借りて家に帰った。
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