9 / 60
宮殿の秘密、新たなイケメンたち
しおりを挟む私はこの身体で初めての愛を味わい、事後の気だるさを引き摺りながら、自分が特別良い女になったような錯覚に酔いしれていた。
それもそのはず。
翌朝、目が覚めると私は宮殿の大広間に案内された。
そこには我が目を疑うようなイケメンたちがズラリと整列し、私の顔を見ると一斉に跪く。
「真美様に仕える者たちです。」
アザトが愛くるしい笑顔で、彼らを紹介する。
いっぺんに多くのイケメンを見過ぎて、私は目がチカチカしていた。
「真美様、カラムと申します。以後お見知りおきを。」
これまた私好みの褐色肌に金色のストレートヘアが映える美しい少年。白いベールのような布を被り、ゴールドの輪で止めている。褐色肌を愛してやまない腐女子が定期的に行う、「褐色肌 イケメン イラスト」のネット検索で出てくるタイプの服装、容姿。
首や手足にもゴールドのアクセサリーをつけている。
私の手をとって口付けると、彼は意味深な笑みを浮かべた。
その姿から自信家で積極的な男性像が伺えて、私はたまらなくワクワクする。
彼はどうやって私を愛してくれるのだろう。
彼が一歩下がると、今度は大人の男性が私の前へ出る。
「私は名をハクトと申します。」
白い肌、腰まで長さのある銀髪ストレート。彼は和装と融合したような独特な服装をしている。着物の上にキラキラとした装飾が施された羽織を一枚。和装のイケメン。
(和装の知的イケメン・・・大好物です・・・・!!)
私はよだれを垂らしながら、「きれいな言葉で話す上品な顔立ちの男」を眺めた。
「俺はエイト。この宮殿で一番腕の立つ男です。」
次に前に出た男はいかにもワイルド系。綺麗なオレンジ色の短髪。
真っ直ぐな男らしさを感じさせてくれる口調で話す。剣を腰に差していて、いかにも強そうな肉体美を披露している。ムキムキの上半身が惜しげもなく晒され、長いベストのような上着を羽織っていた。
「あなたをいつでもお守りします。」
(違うタイプのイケメンがよりどりみどり・・・!幸せすぎて死ぬ・・・!)
私の頭の中はイケメンでパンク寸前だった。
「この宮殿は外の世界から完全に守られています。」
アザトの案内で、宮殿の中を歩き回る。
(これは確実に迷子になるわ・・・)
一日ではとても周りきれないほどの大きさに、方向音痴の私は絶句した。
「あなたを狙う悪者たちは、ここの入り口さえ見つけられないでしょう。僕たちは特殊な呪いでここを守っているんです。」
「悪者たち・・・?そんな危ない輩がいるの?」
本当は全然恐れていないくせに、怖がっている様子をわざと演出して言った。
(イケメンたちに守ってもらう設定最高・・・!!!)
「大切な真美様が暮らす、この宮殿は僕たちが必ず守ります。だから安心してください。」
アザトは昨夜ベッドの中で見せた雄の本能を、可愛い顔に完璧に隠しながらにっこりと笑った。
「真美様はここで美味しいものを食べて、好きなことをして笑っていてください。それだけで僕たちは信じられないくらい毎日幸せなんです。」
(ただ存在しているだけでイケメンたちを幸せにできるチート魔法ゲット・・・・!!)
私は宮殿から見える綺麗な景色を眺めながら、イケメンたちに囲まれて素晴らしい午後を過ごした。
1
お気に入りに追加
278
あなたにおすすめの小説
ナイトプールで熱い夜
狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…?
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ソロキャンプと男と女と
狭山雪菜
恋愛
篠原匠は、ソロキャンプのTV特集を見てキャンプをしたくなり、初心者歓迎の有名なキャンプ場での平日限定のツアーに応募した。
しかし、当時相部屋となったのは男の人で、よく見たら自分の性別が男としてツアーに応募している事に気がついた。
とりあえず黙っていようと、思っていたのだが…?
こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。
【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪
奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」
「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」
AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。
そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。
でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ!
全員美味しくいただいちゃいまーす。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる