７人のイケメン兄弟に、求愛されて眠れません。

『大学生活』

長男の湊みなとが話をつけてくれたおかげで、海星かいせいと瀬凪せなが通っている大学にすんなりと編入することができた。

「弓ゆみちゃん～こっちこっち！この席取っといたから一緒に座ろうぜ！」

大きな階段教室でどこに座ろうかとキョロキョロしていたら、海星が大袈裟に手をブンブン振って手招きしている。彼の隣には双子の弟、瀬凪が座っていた。

「海星君、瀬凪君、おはよう。」

「おはよ。」

相変わらず言葉はそっけないけれど、瀬凪は机に置いていた鞄を避けて席を開けてくれる。

「おはよ～！！先家出ちゃってごめんね？本当は一緒に登校したかったんだけど、サークルの合宿準備あって早く出たから。」

「ううん、大丈夫。サークルって？」

「天体観測！！星を見るやつね！！」

張り切って答えた海星に続いて、瀬凪が頷いてみせた。

「え？二人とも天体観測サークルに入ってるの？」

「そうだよ！瀬凪が昔から天体観測大好きで、一緒に見てたら俺もハマっちゃってさぁ～！」

「そうなんだ・・・天体観測・・・」

（瀬凪君が天体観測・・・ちょっと意外かも・・・）

「イメージじゃないだろ。」

目が合うと、瀬凪がふっと苦笑したのでドキッとする。

（瀬凪くん、こんな顔するんだ・・・かっこいい・・・♡）

いつもポーカーフェイスの彼が苦笑しただけでこんなに胸が高鳴るなんて・・私は本当にイケメンに弱い。

「そうだね、二人が天体観測サークルって、ちょっと意外かも。」

「弓ちゃんも一緒に行く？今週末、一泊で星見に行く合宿があるから、一緒に行こうよ！！」

絶対楽しいよ！！と海星は屈託のない笑顔で、こちらに身を乗り出した。

（私が言ってもいいのかな・・？サークルのメンバーじゃないけど・・・）

「別に良いんじゃね。堅苦しいサークルじゃないし、毎回初参加の奴たくさんいるし。」

瀬凪が私の心の中を見透かしたように、後押ししてくれる。

（イケメン双子と一緒に、お泊まりで天体観測・・・・？！めちゃくちゃ楽しそう・・・♡）

思い切り不純な動機だが、私は二人と一緒に合宿へ参加してみることにした。