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♡『初めての恋人』(SIDE 桜浜 小津)※Rー18 心臓外科医X病理検査技師

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~~~~登場人物~~~~



♡桜浜 小津(さくらはま おつ) 弟 心臓外科医

桜浜院長の次男。黒髪、耳に掛かる長さのウェーブヘア。パワー系で男らしく、筋トレが趣味のワイルド系。筋肉を鍛えすぎて腕が太く、手術着は特注。髪の色も、顔立ちも全く似ていないので、香と兄弟とは思われない。
兄貴にしか興味がない相当なブラコン。


♡椎名 花芽雪(しいな かがゆき) 病理検査技師

桜浜総合病院の病理検査技師。
泣きぼくろが印象的な、黒髪ロングヘアの男性。
長い黒髪を右側に寄せて緩く三つ編みしている。
おっとりとした話し方。セクシーでミステリアスな印象の、大人な男性。
相手を許容する器の大きさがあり、なんでも優しく受け止めてくれる。
ついついなんでも相談してしまいたくなる聞き上手な男。


♡桜浜 香(さくらはま こう) 兄 脳神経外科医

桜浜院長の長男。腕の良い脳神経外科医。
切れ長の瞳、まつ毛が長く、女性のような繊細な顔だち。薄い唇。色白で線が細い。茶髪。
よく読み方を間違えられ、香(カオル)先生と呼ばれるため、院内では香(カオル)先生で通っている。
物静かで、いつも冷静。涼しい顔で激務をこなす。いつ眠っているのか、休憩しているところを誰も見たことがない。優男だが、そこ知れぬ体力の持ち主。見た目に反して中身は男らしく潔い。
救命救急の真田医師と付き合っている。

~~~~~~~~~~~~

♡『初めての恋人』(SIDE 桜浜 小津)


初めて花芽雪と身体を重ねたあの夜から、何度も何度も思い出す。
俺の下で快楽に溺れ、可愛い声で鳴く彼の表情。
いつもは笑顔を絶やさず、顔色一つ変えない穏やかな彼が、別人のように乱れ狂う姿。

同僚からの信頼も厚く冷静で大人な彼が、俺を好きだと言った。
信じられない気持ちだった。

俺はずっと兄貴一筋で、童貞のままこの歳まで生きてきた。
性行為の快楽を知らないまま、兄貴のいやらしい姿を想像しながら自慰行為に耽る。
自分の手と、オナホールの与えてくれる快楽しか知らなかった。

「ん・・・ッ・・・大きい・・・」
花芽雪が、綺麗な顔を歪めて俺のペニスにしゃぶりつく。
普段温和で大人の余裕を感じさせる彼が、息を荒げながら俺の股間に顔を埋める。
自分のペニスを誰かに舐めてもらうなんて初めての経験で、俺には刺激が強すぎた。

ペニスを舐めまわされる感覚。
花芽雪の柔らかく狭い体内に、ペニスをねじ込み擦り上げられる快感。

この世のものとは思えない快楽に、俺はすぐに夢中になった。

初めて彼を抱いた夜、俺は兄貴ことを想って絶頂を迎え、射精した。
彼の提案だったとはいえ、今思えばなんて失礼なことをしてしまったんだろうと自己嫌悪に陥る。
花芽雪はいつだって俺の想いをまっすぐに受け止めて理解してくれる。
自分がどんなに辛くても、彼はきっとそうしてくれるだろう。

彼の優しさを思うと、胸が苦しかった。

俺は毎日兄貴のことばかり考えて20年以上を過ごしてきたのに、
今は仕事以外のほとんどの時間、花芽雪のことで頭がいっぱいだ。
自分自身が一番驚いている。兄貴以外の人間を好きになれるはずがないと思って生きてきたのに。

「小津・・・ッ、あ~~っそこ気持ちイイ・・・!もっと奥まで突いて・・・!!」

花芽雪は落ち着いた印象の美人で、こうして実際に抱くまでは乱れる姿なんてまるで想像ができなかった。
普段の穏やかな雰囲気と、セックスの時の激しさ。ギャップがすごい。

普段は性欲自体が無さそうに見えるほどだ。中性的な印象が強い。
女性が周りにたくさん集まるのも、彼は男としてのガツガツした部分がなく、安心して一緒にいられる相手だからだと思う。
共感能力が高くて、誰に対しても優しい。


俺は毎日病理検査室に通うたび、女性たちが彼と親密そうに話しているのを目撃する。

「それで、君はなんて答えたの?」

「私はそれで良いって言ったんだけど、先生が、」

病理検査室の扉を開けると、若い看護師と花芽雪が頭を突き合わせて親密そうに何か話し込んでいた。
仕事の話だろうとは思ったけれど、二人の距離感が近く密接して座っていたのが気になってしまう。

「小津先生、お疲れ様。」

花芽雪はまるで気にしていない様子で、いつも通りの微笑みを向けてきた。

「あ・・私そろそろ帰ります。」

「大丈夫?僕は続きが気になるけど、」

「明日また聞いてください。私、休みなんでお昼休みにきます。」

「うん。わかった。」

花芽雪は誰に対しても同じ態度をとる。
俺が訪ねて来たからといってこちらを優先するようなことはなかった。

俺は彼が特別扱いしてくれないことに、いつも少しいじけた気持ちになる。
あんなに激しく求めあって、抱き合って眠る仲なのに。

病院での彼の態度は、彼に相談に乗ってもらっていたあの時と同じ。大多数の中の一人だった時と全く変わらない。
若い看護師との距離感も気になって仕方がなかった。
彼は色男だし、女性にも人気がある。若い女性に言い寄られたら、彼はなんと言うのだろう?

彼に対しての独占欲は、日々大きくなるばかりだった。

「今夜も泊まっていいか?」

彼が着替えるのを待って、一緒にエレベーターに乗り込んだ。
昨夜の情事が生々しく頭の中をめぐる。

俺の隣、穏やかな表情で微笑みを浮かべている彼が、ベッドの上でペニスをしゃぶる姿が何度もリピートされる。

「もちろん。小津君手術の予定は?」

「明後日から立て続けに予定が入ってる。」

俺は週に何度も大きな手術をする。心臓外科の仕事は半端じゃない。
長く時間のかかる手術は、精神力も体力も大きく削られる。

花芽雪はいつも俺のコンディションを最高に保っておくため、
手術前後は会わないことにしようと提案してきた。

俺は寂しくてたまらなかった。
花芽雪の部屋に毎日行って、彼の隣で眠りたいと思ってしまう。

1階のボタンを押すと、エレベーターが動き出した。

「なぁ。花芽雪。今夜は3回、抱いてもいいか・・・?」

後ろから抱きしめて、彼の髪の香りを嗅ぐのが好きだ。
ふわりと優しい香りが漂って、キスしたくなる。

「小津君は、甘えっ子だね。」

彼は手を伸ばして俺の頭を撫でながら、いいよと優しい声で告げる。

その時、エレベーターの扉が開いて目の前に立っている人物に俺は驚いた。
花芽雪に夢中で、エレベーターが一階に到着したことに気付くのが遅れてしまった。

「小津・・・?」

そこには、兄貴と真田先生が立っていた。兄貴の顔を見た瞬間、心臓がドクン、と大きく波打って、時が止まったようだった。気まずい沈黙。

「先生たち、遅くまでお疲れ様です。」

イチャイチャしている姿を見られたというのに、花芽雪は何の動揺も見せないままいつも通り挨拶する。

「あぁ、お疲れさん。」

真田先生は言いながら、隣に立っている兄貴に視線を送る。

「お疲れ様・・・。」
兄貴と数秒にわたり見つめ合った俺は、花芽雪に手を引かれて我に返った。

「小津君、行こうか。」

「あ、あぁ。二人ともお疲れ様です。」

俺はなんとかそう口にして、エレベーターから降りて歩き出した。

後ろめたい気持ちになる。
兄貴と目があっただけで、どうしてこんなに心が乱れるのだろう。

俺は兄貴のことがずっと好きだったけれど、今は花芽雪に夢中だ。
ようやく前に進める気がしていたのに。

こんな気持ちになる中途半端な自分が嫌でたまらなかった。





♢♢♢♢♢♢


「あ・・・っ、もう・・・イキそう・・・っ」

その夜、いつも以上に夢中で花芽雪を抱いた。
彼の奥深くに腰を打ち付けて、何度も激しく腰を振る。

「小津・・・イイよ・・ッ、あぁ・・っ、僕も・・・イッちゃう・・・ぅ!!」

「花芽雪・・ッ、花芽雪・・・っ、好きだ・・・ッ、中に出すよ・・っ・・うぅぅッ!!!」

両手でお尻を鷲掴みにして、彼の一番深いところに精液を大量に注ぎ込む。


ハァハァと呼吸が荒い。
射精したあとの気怠さが全身を包み込む。
こんなに気持ちイイことをしたら、何も考えられなくなってしまう。
そうやっていつまでも逃げているわけにはいかなかった。

俺の精子を体の奥で受け入れてくれた彼に対して、愛情がこみ上げてくる。
何度も自分を問い正してみたけれど、この感情は紛れもなく愛情だと確信していた。

「花芽雪・・・好きだ・・。俺の恋人になって欲しい。」

呼吸を落ち着けながらそう伝える。

「・・・もちろん。喜んでお受けします。」

彼はいつもの穏やかな微笑みを浮かべて、そう言った。


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