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赤面
しおりを挟む「ねぇねぇ~叶ちゃん、お昼一緒に食べない?」
昼休み、断られるのがわかっていて、俺は毎日叶ちゃんをランチに誘う。
「すみません、先約があるので失礼します。」
(どうせまた相手は十起だろ・・・ムカつく。。)
同じチームの先輩である自分を差し置いて、違う班の先輩を慕う彼に内心イラつく。
立ち去ろうとする彼の腕を怒り任せにぐいっと引っ張ると、ふらついた彼の身体が俺の腕の中にすっぽり収まった。
「な・・・い、いきなり何なんですか・・・っ」
「ごめんごめん、ちょっと引き留めようとしただけなのに、俺の力強すぎたね、」
いつも通りの軽口でヘラヘラ笑いながら彼を見ると、普段はポーカーフェイスの叶ちゃんが顔を真っ赤に染めている。
(え・・?何これ・・・)
至近距離でバチっと目が合った瞬間、彼の身体は一段と大きくビクリと震えた。
俺の胸を両手で押して勢いよく離れると、視線を逸らす。
(え・・・?叶ちゃん、顔真っ赤・・・・何で・・・?!)
恥ずかしそうに目を伏せている彼の表情はたまらなく扇情的で、目はうるうると潤んでいた。
事態を飲み込めず、釣られて俺まで赤くなる。
ーードキドキドキドキ
うるさいくらいに心臓の音が鳴り響く。
(叶ちゃんってビッチなんじゃないの・・?!何でこれくらいでこんな赤面してんの・・・?!)
「叶ちゃん、俺・・・!」
告白のチャンス到来!?と意気込んで、口を開いたその瞬間、後ろから声がして二人きりの世界が破られる。
「二人とも何してんの?顔真っ赤にしちゃって、怪しいなぁ。」
独特のイントネーション、ねっとりした声色、気だるそうにゆっくりとした動作でこちらに近づいてくる色男。
存在そのものがエロイ、フェロモン爆弾・・十起 一刀が立っていた。
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