【※R-18】魔法学校に入学したら、魔法使いのイケメン達と恋に落ちるミッションが待ち受けていた。

男子寮の隣人

最近の魔法界は、物騒な事件が多い。
魔法を使った組織犯罪が増えている。カリスマ的な能力を持った魔法使いが、一般人を洗脳するなんていう恐ろしい事件が、後を絶たなかった。


魔法を使えるようになって、人生が変わった。
初めて、男の身体を知ったのだ。

それまでの「彼氏いない歴＝年齢」の惨めな人生を取り戻すように、イケメンばかりを選んで遊んできたこの数ヶ月間。

（政府公認の男遊び・・！せっかくだから目一杯楽しんでやるわ。）

男子寮に潜入なんて、昔読んだ少女漫画にありそうな展開だ。
これはこれで、かなりオイシイ。



学長に挨拶をして部屋へ戻ると、隣の部屋から出てきた長身のイケメンと鉢合わせになる。

（ひえっ・・・強面の超絶イケメン・・・！！レベル高っ・・・・！！）

ウェーブした長い黒髪、黒の革ジャケットがよく似合う、強面の長身男。
ガタイが良く、イカつい雰囲気のその男は、機嫌が悪いのか、眉間に皺を寄せているが、美しい。
イライラした表情でさえ、惚れ惚れしてしまうほど絵になる色男だ。
鍛えられた筋肉質な肉体が、ジャケットの上からでも想像出来る。

思わず口を開けたまま見惚れていると、目が合った瞬間、彼は嫌悪感をむき出しにした。

「あ？なんだお前、ジロジロ見てんじゃねぇよ。」

（え！ヤンキー？！今時珍しいっ！っていうか、マジでイケメン・・・！隣の部屋なんてラッキー♡）

見れば見るほど、美しい。
温厚な男でないことは、一目瞭然だった。
ガンを飛ばされようが、暴言を吐かれようが、全てを許せるほどの色男だ。

「あ・・あぁ、俺はマコト。転校してきたんだ。よろしくな。」

男のふりをして、男子学生寮に潜入。
イケメンの登場に、すっかり趣旨を忘れてしまいそうになり、慌てて取り繕う。

「誰に向かって口聞いてんだ？お前みたいなダセェ奴と、よろしくやるかよ。失せろ。」

バタン！！と大きな音を立てて乱暴に扉を閉めると、彼は捨て台詞を吐きすて去っていった。


（え～～・・・口悪っ・・・最初から危険因子の登場じゃん・・・何？あいつ・・・・）

魔法を使うまでもなく、危険因子と思われる学生を早速見つけてしまい、気持ちが一気に萎えていく。


「まぁ・・気のない男をその気にさせるっていうのも、悪くないよね。」

気を取り直して、彼との情事を想像する。
あの逞しい肉体を堪能できるのだと思うと、性格が悪かろうが乱暴者だろうが、そんなことは正直どうでも良かった。

男を手玉に取る快感。
この魔法は毒物のように体を巡り、それなしではいられないほどに私を蝕むしばんでいる。

将来有望な男子学生たちに囲まれた、ハーレムのような日常。
第一印象最悪な隣人の男が、私の身体を求めて興奮している姿を妄想しながら、私は勢いよく部屋の扉を開けた。