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第12話 『友達』
しおりを挟む「だから、付き合ってないんだって!」
真白の必死の説得にも、蒼士はまるで納得しなかった。
「いや、それ付き合ってるでしょう。」
「だから~~~、暁先輩は俺の演技指導してくれてただけで、」
「じゃあなんで僕とキスしてるの見て怒って出て行っちゃうの?」
「・・・それは・・・」
真白は暁の気持ちがわからなかった。
キスしてきたのは演技指導の時だけだし、彼はいつも次の日には忘れてしまっているのだから。
「でも、誰とでもキスするんだって言うってことは、自分とキスしたくせに、って意味だよね。確実に覚えてるよね?真白君とキスした事実は。確信犯だよ、暁リョウは。」
「か、確信犯?!」
「君のことが好きなんじゃない?だから、これは独占欲ってやつだよ。」
「独占欲ぅ?!」
(あの先輩が・・・?いや、ないないない。)
「とにかく、一緒にラジオもやってるんだからまたすぐ顔合わせるんでしょ。その時聞いてみたら?」
「聞くって・・そんな簡単に・・・」
「ただの独占欲なんだから、真白君が可愛く言い寄れば丸く収まるんじゃないの。」
「そんな雑な・・っ・・・蒼士君~~!!」
助けて、と抱きついてみて真白はハッと気づいた。
演技のためとはいえ、蒼士とキスしてしまったことに。
「言っとくけど、僕は本当に演技のために言っただけで、暁リョウとは違うからね。君のこと好きなんかじゃないから。」
「そのセリフは・・・ツンデレ受けにしか聞こえないんですけど!」
「真白君、BLの声ばっかりあててるから、もう脳内がBLになっちゃってるんじゃない?」
「そうかも・・・蒼士君、俺のこと好きなのかもとか思っちゃった・・・。」
「ツンデレじゃありません、これは僕の本心です・・・!」
ムキになって念を押した彼と真白は、顔を見合わせて笑ってしまった。
これをきっかけに、真白と蒼士は一気に仲良くなる。
彼は毎週のように真白の部屋に泊まりに来るようになった。
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