悪の組織のイケメンたちに捕まったのですが、全員から愛されてしまったようです。

カードの指示 ※R-18

栄華えいがが震える手で引いた一枚目のカードには、『ディープキスをする』と書かれていた。
そのカードを見た瞬間、彼の身体がより一層、緊張で硬くなったのがわかる。

中学生のファーストキスでも、もう少し余裕があると思う、と感じるほどの緊張ぶり。

（栄華君って本当にハニトラ専門のエージェントなんだろうか・・・・？）

彼を見るたびに、毎回頭に浮かぶ疑問。


「ユミ・・・・」

私の肩を両手でがっしりとホールドして、彼は唇を重ねた。
意を決したように入り込んできた彼の舌が、クチュリといやらしい音を立てて絡む。

徐々に息が上がり始め、彼が興奮で熱くなっていくのがわかった。


「はぁ・・・っ・・・あ・・・・・」

喘ぐように、唇から漏れる吐息。
唇が離れた瞬間、名残惜しそうな顔で私を見た彼の目は、涙で潤んでいた。


（え、栄華君の顔・・・やらしい・・・っ・・・・・）

イケメンが、欲情している顔。
ど派手な金髪なのに、彼の中身は天然記念物級の「ウブ」で、そのギャップが母性本能をくすぐる。

「キス・・・もっとしたい・・・・」

スイッチが入ってしまったのだろうか。
栄華の顔は、先ほどとは違い、緊張だけではなくなっていた。

トロンと蕩とろけるような甘い視線で、私を見つめている。

何度かキスを重ねると、彼は待てないというようにもう一枚、カードを引いた。


『アナルを舐めて、前立腺マッサージをする。』

「え・・・・？」

驚愕の内容に、私も栄華も顔を見合わせて固まってしまう。

（はぁ？！い、いきなりレベル爆上げし過ぎでしょ・・・？！なんなの、このカードゲーム？！）


ディープキスですっかりエロモードに突入してしまった彼は、熱に浮かされた瞳でこちらを見ている。


「カードの命令じゃ、仕方ない・・・ッ・・・。ひ、一思いにやってくれ・・・・！！」


（え～～？！・・・そう言われても・・・・どうやればいいの・・・っ？！）


つい先日、男を知ったばかりの私には、実行困難なカードが出てしまった。
男の身体の仕組みなんて、詳しくは知らない。

潔く服を脱ぎ始めた栄華に、ひとまず後退あとずさる。


「俺はユミになら、何をされても構わない・・・・っ」

（それ・・どっちかというと、女の私のセリフなんですけど・・・・・！！）

一生懸命脳内検索をかけてみても、前立腺マッサージという高度な単語は、私の辞書には登録されていない。
全く予想していなかった展開。

栄華の美しい肉体を眺めながら、ベッドの端で私は途方に暮れていた。